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2011年5月26日 (木)

日本語を話す民族に原子力は似合わない - その1

手元に集英社の昴(すばる)6月号がある。
ひとに頼まれて買った文芸雑誌だ。
その中に緊急寄稿として
中沢新一氏の「日本の大転換(上)」というものがあった。

中沢氏という人はオーム真理教がらみで信頼を無くした
という過去をもつ宗教学者であるらしい。

その中沢氏が非常にユニークな視点で原子力に対する
見方を展開している。
(以下「 」内は引用です。)

東日本大震災の「出来事を境として、日本文明が根底からの
転換をとげていかなければならなくなった」として、
おおよそ次のように述べている。

「私たち人類は、・・・地球の表層部(地殻)を覆っている、
厚さわずか数キロメートルにみたない、ごく薄い層に
かたちづくられている「生態圏」を、自分たちの生存の
場所としている。」

「大量の放射性物質があたりにばらまかれてしまうと、
その土地で、・・・生存することが困難になる。・・・
暮らしていけなくなる。・・・その土地は人間にとっての
生態圏ではなくなってしまうのである。」

「それは原子力発電そのものが、生態圏の外部に属する
物質現象から、エネルギーを取り出そうとする技術で
あることに、原因がある。」

すなわち、地震と津波は人間の生態圏に属する現象であり
その後人間が生活を続けられる災害であるが、
原子力の事故は「生態圏」の外の「太陽圏」に属する
現象であるから取り返しがつかないと言っている。

「原子力発電は、生物の生きる生態圏の内部に、太陽圏に
属する核反応の過程を「無媒介」のまま持ち込んで・・・」

「ほんらい生態圏には属さない「外部」を思考の「内部」に
取り込んでつくられた思想のシステム、それはほかならぬ
一神教(モノテイズム)である。」

そして中沢氏はアニミズムや多神教と一神教を「生態圏」と
「太陽圏」の決定的違いだと言うのである。

そして、多神教は「絶対的な善などは、ここにはない。
しかし生態圏が自然状態にあるとき、全体は美しい
秩序を保ち続ける。」とする。

「一神教はその生態圏に、ほんらいはそこに所属しない
はずの「外部」を持ち込んだのである。」

「その「自然」は、太陽の内部や銀河宇宙にしか
見出せないものであり、地球生命はその「自然」のなかでは、
人工的な防護服なしでは生きていることができない。」

「このような意味で、原子力技術は一神教的な技術であり・・」

「原子力を扱う日本人の科学者の多くが、・・・・
まるで一神教的技術の生み出したモンスターに放水を
繰り返すことによって、その怒りを鎮めようとしている、
自然宗教の神官たちのようにさえ見えた。」

「日本文明は、西欧的な文明と違って、キアスムの構造
を基礎として、生態圏との豊かな交通の上になりたってきた
一種の「生態圏文明」である特質を備えている。」

・・・・

上の文章は雑誌への寄稿の(上)であるので全体では
ないのですが、とりあえず 地上での文明と 宇宙という
スケールの文明の違いが 日本文明と西欧文明、
すなわち 自然信仰と一神教の違いであると理解しました。

そう言えば、随分昔なのですが、
現代の科学技術は一神教であるキリスト教と一体であるという
話を聞いたことがあるような。

そこで、たまたま今回の一時帰国の折に買った本が
面白いつながりを与えてくれたのです。

光文社新書「日本語は敬語があって主語がない」
「地上の視点」の日本文化論 金谷武洋 著

私は日本語教師ですからね、こういう本を読むんです。
では、その2 をお楽しみに。

 
 

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コメント


おっ、久々の宇宙人節 !

 

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 21時19分

僕は性書は好きですよ! 宇宙人に性書なんてね!

投稿: 宇宙人 | 2011年5月29日 (日) 19時47分

その話は 聖書となんか関係あるんですかね・・・

正直な話、肉はいいけど血はダメってのが理解できない。
血は赤いから、見ると気持ち悪いから、見るとショッキングだから ダメなんですかねえ。

血さえ洗い流せばいいってこと?

特殊な処理をすれば良いという宗教もあるようですが。

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 19時28分

[鳥類および動物の血は決して食用に供してはならない。]とは、ベニスの商人のシャイロックのようじゃないですか! 肉には必ず血が付いていますよね!

投稿: 宇宙人 | 2011年5月29日 (日) 16時43分

あはははは、大笑い。

宇宙人が聖書ですか?

猫に小判、豚に真珠、宇宙人に聖書・・・!?

大変失礼しました。
私も若いときに挫折してますけどね。

真面目な話、やっぱり そういうのは分かっている人に
解説してもらいながらじゃないと 理解できないと
思いますよ。

私は この前 一時帰国の時に「仏説阿弥陀経」の
解説本を買ってきたんですけど。
もともとインドの話ですからねえ、字面は読めても意味が分からないと 面白くも何ともないと思います。

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 14時51分

外人から英語の聖書をもらいましたので、英語の勉強も兼ねて読んでみるかと思ったんですが、聖書の一ページめに書いてあったことは、誰それの父は誰で、その父は誰でその父は誰でといったことが延々と書かれているだけなんです。
僕はそれで聖書を読むことに挫折しました。しかしわかったことがあります。 こんなことをだらだらと一ページも使って書いてある本には、そんなに多くのことを書くことはできないだろうなということです。
クジラについても、多分、誰それのクジラの父はだれで、その父は誰でと一ページを使って書いてあって、結論として、だから食べてはいけませんと書いてあると思います。 読んでいませんから、あくまでも想像ですよ。 これを読んだキリスト教徒の人に殺されるな!

投稿: 宇宙人 | 2011年5月29日 (日) 12時23分


肉はいいけど、血はダメとありますね。

血[鳥類および動物の血は決して食用に供してはならない。]

フィリピンはカトリックの国ですけど、血で煮込む料理があります。
これって、山岳民族だけなのかな?

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 12時22分


このサイトに詳しくあります。

食べてはいけないもの(7章22節~27節)
http://www.nunochu.com/bible/03_leviticus/lev06.html

しかし、クジラは出てきませんね。

他のサイトで、宗派によっては クジラとするものも
あると書いてありましたが。

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 12時18分


宇宙人さん、
このサイトに食べてはいけないものが書いてありましたよ。

http://www.yomiuri.co.jp/nie/note/kids/200908/02/suji02.htm

これが正しいとすれば、クジラを食べてはいけないのは
ユダヤ教だけってことになりませんか。
ただ、ユダヤ教が クジラを「動物」とみるのか
「魚」とみるのか微妙ですけど。

カトリックは肉だけど、金曜日だけってなってますね。

投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 11時21分

へえ、そうなんですか。
そんなことまで聖書に書いてあるんですか?

そういうことになると、宗教戦争になるじゃないですか。
私は宗教戦争は 最悪の戦争だと思います。


投稿: させ たもつ | 2011年5月29日 (日) 10時03分

クジラの話ですけどね、キリスト教の信者の人が、牛は、神様が、人間が食べるために作って下さったものだから食べてもいいけれど、クジラは人間が食べるために作ってくれたものではないから食べちゃいけないと言っていました。僕はこれに対して反論できませんでしたね。反論するためには、聖書は正しくないと言わないといけないでしょう。

投稿: 宇宙人 | 2011年5月28日 (土) 23時29分

はい、いろんな考えがありますね。
日本人はおそらくほとんどの人が学校なんかで習っているから、進化論は当たり前だと思っていると思いますが、アメリカなんかには 学校で進化論なんか教えるなって人たちも多いらしいですね。
それは多分キリスト教などから来ているんでしょうけど、一方で 近代科学はその一神教に根ざしたものだって言うんですから・・・ 

その科学も、人間の試行錯誤の その時点での結果に過ぎませんからね。
新しい発見があれば 根本的に変わるわけで。
例えば ダークマターの存在とか・・・

宗教に科学が近づいていくのか、
宗教が科学に近づいて行くのか・・・
面白いですね。

私なんかは大雑把な人間なんで、自然とか宇宙とか呼ばれるものを、宗教的に表現するのか、科学的に表現するのかの表現方法・手段の違いだけだと 思っちゃうんですけどね。
身も蓋もない??

 

投稿: させ たもつ | 2011年5月28日 (土) 14時08分

少し前に「進化論は学会で公式に否定された」なんていう人がいまして調べてみたことがありました。 「否定された」といった人は宗教学者でしたね。生物は神様が作ったと主張していました。 かりに神様が作ったとしても、「どのようにして生物を作ったのか」を調べるのが科学ですよね。しかし宗教学者であっても、学者が 「進化論は学会で公式に否定された」というと、信じる人がいるんですね。 人間というのはわからないですね。 僕が天国にいったら、人間というものをもっとよく理解するために、調べてみます。 どうやって調べようか?

投稿: 宇宙人 | 2011年5月28日 (土) 11時53分

あははは、
中沢新一と言う人は 人類学者、思想家、芸術人類学研究所所長などとありますね。

宗教と科学は相反するものというのが普通の感覚だと
思いますが、元々 科学は一神教から生まれたという説
もあるみたいですよ。
例えば このサイト:
http://musai.blog.ocn.ne.jp/jijimusai/2011/03/post_5b3e.html

その一神教をベースとした科学では、最先端の科学は
説明が難しくなって、複雑系は東洋的考え方(多神教?)が求められるように
なるんではないかとか・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E9%9B%91%E7%B3%BB

私にはさっぱり分かりませんが。 笑

投稿: させ たもつ | 2011年5月28日 (土) 01時15分

なんかこじつけていますね。もともと宗教と科学は相反するもので、宗教学者が科学のことを書くと、わけのわからないことになっちゃいますね。させさんは、頭がいいから超能力的に理解できるのかもしれませんがね!

投稿: 宇宙人 | 2011年5月27日 (金) 18時15分

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