« 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その4 | トップページ | 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その6 »

2012年2月 7日 (火)

「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その5

副題は:
~フィリピンに生きる「困窮邦人」~
水谷竹秀著 集英社

そもそも、私がこの本を是非読んでみたいと思ったのは、
フィリピンにPRAの退職者ビザで永住することを前提としている
自分自身の将来をどうするか、そのひとつの材料にしたかったこと。

北ルソン日本人会のメンバーのひとりとして、困窮邦人の問題に
どのように対応するかの目安を考えたかったこと。

そして、日本大使館をはじめとする日本政府あるいは日本の諸制度が
どのように機能するのかを知りたかったこと。

・・などがあります。

そこで、今日は、この本の中で、マニラの日本大使館などが
どのように いわゆる邦人保護、邦人援護をやっているのかを見ていきます。

まず、路頭に迷う困窮邦人の言い分:

異国の地だで、同じ日本人だったら助けて欲しいっちゅう気持ちはあるな。
行き当たりばったりで、こうなっちゃって。 どうしたらいいかな、
「助けることはできません」と言われれば、じゃどうすればいいのか。
死ねっちゅうのと同じだわね。 最後に頼る人は同じ日本人しかおらんからね。

・・まあ、これは、外国で困り果てれば、だれでもそういう気持ちには
なるでしょうね。
ただ、頼まれた日本人にしてみれば、「あんた誰?」ってことが多い
でしょうし、日本の家族や親戚、友人、知人などから厄介者扱いされている
人たちということになれば、なおさらのこと、とりあえず日本大使館に連絡する
というのが常道という話になるんじゃないでしょうか。

ー 海外に来て生活の困窮した日本人に対し国から帰国費用を貸し付ける
  「国援法」という法律がある。
  正式には「国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に
  関する法律」

ー この法律は、生活の困窮のため帰国を希望する日本国民又は在留する
  国の官憲から退去強制等の処分を受けて帰国しなければならない
  日本国民で、自己の負担において帰国することができず、且つ、
  領事官がその帰国を援助し、又はその退去強制等の処分の執行に
  関し当該国の官憲に協力する必要があると認めるものについて、
  ・・・、領事官がその帰国のため講ずべき措置等を定めることを
  目的とする。

要するに・・生活の困窮、帰国を希望、退去強制、金がない、必要がある、
      と言うような場合に使えるってことですね。

その4までに見てきた例で言うと、「帰国を希望」しているか、ってところが
一番ひっかかっていたようです。

ー 貸付額は基本的に飛行機代と宿泊代金や食費、空港施設使用料などの雑費。
  また、日本の空港から自宅や知人宅までの交通費も貸し付けることがある。

ただし、これにはいろいろ前提があるようでして、

ー 一見誰でも帰国可能に思えるが、貸し付けるお金は税金から出される
  わけで、例えば、若いフィリピン人女性を追いかけて渡航し、自分の
  意思で全財産を使い果たした場合に援助が適用されることには
  疑問の余地が残るだろう。

ー 困窮邦人がフィリピンで大使館に駆け込んだ場合、まず館員が試みるのは
  親族や知人に援助を頼み込むことだ。
  しかし、これはうまくいかないことが多い。

・・・これは、納税者として考えれば、当たり前の対処でしょうね。
いい加減な奴らの尻拭いを税金でやっていいのか、って追求されるでしょう。
ケース・バイ・ケースで 内容をチェックするしかないということですね。

ー 実は、(この国援法が)適用されるケースはそれほど多くない。
  全世界を含めると、年間に適用される日本人の数は20人から30人
  程度で、フィリピンの場合でもここ数年間は数人程度という。

ー (家族、親戚などから)送金を拒まれ続け、国援法を適用するか否か
  という判断を下す時、国民に対する説明責任という問題が出てくる。
  つまり、日本で真面目に仕事をしている人が支払った税金を、
  自ら転落した人間に貸し付けることに納得のいく説明ができるかどうか
  ということである。

ー 帰国費用を貸しても日本に帰国後返さない人もいる。
  国援法による焦げ付き債権は現在相当な額に上るという。

ー 日本国内にもホームレスがいる中、彼らへの支援を差し置いて
  国外の困窮邦人に貸し付けて帰国させる支援が得策かどうか。

これももっともな議論ですね。
日本国内でリストラなどにあって、再就職もならず、精神的に追い詰められたり
して、ホームレスになっている人たちも多い昨今です。

私の知人だけでも二人がホームレスなんです。
二人とも、リストラが原因でした。

その人たちに比べれば、「なんで、女に溺れてフィリピンなんかに行った奴らに、
国内でやむなく追い詰められたホームレスと同じような救済策を取らなくちゃ
いけないんだ。」って話になることも当たり前です。

国内の問題は 自己責任を超えた問題ですからね。経済社会の問題。
フィリピンの困窮邦人の問題は、全く次元が違う、アホな男の問題です。

ここで、私は敢えて厳しく言い切っています。
これは、自分にも言い聞かせるためなんですよ。
日本の年金制度が崩壊しちゃったら、私も同じ運命ですからね。

私の周りには、フィリピン人女性と結婚して、真面目に家庭生活をしている
人たちがたくさんいますからね。
それを踏まえての話です。

真面目な家庭生活ってのは、世界中同じだと思うんです。
たまたま、好きになった、結婚した相手が、外国人だったというだけの
話だと思うんです。

ちゃらんぽらんな生活がフィリピンだけで認められるってことにはならない。

日本で自営業をやったこともない元サラリーマンが、簡単に1千万円単位で
ビジネスをやろうとするなんてのも、「フィリピンを舐めとんのか!」って
話ですよね。 計画性もなにもない。 バクチですね。

先に例にでた、榎本のケース:

ー 大使館が何もしていないのかと言えば決してそうではない。
  大使館は榎本を日本へ帰国させるため、国援法の手続きに着手していた。
  申請書類などを用意し、榎本に記入させていた。
  しかし、「日本の空港に到着してからはどうしたらいいのか」と
  榎本が詰め寄ると、「交番にでも駆け込めばなんとかしてくれるから」
  と話す大使館員との間で押し問答になり、最終的に榎本は帰国を
  拒否したのだという。

ー 空港に到着しても迎えに来る家族、知人がいないという決定的な事情が、
  下半身不随の榎本の帰国の道を閉ざしていたのは間違いない。

・・・ここで榎本は、どういう判断をしたのだろう。
   日本政府よりも、フィリピン人の厚意に甘えるという選択をした
   ことになる。 たまたま一時的な保護をボランティア精神で個人的に
   やってくれたエリートのフィリピン人女性である。
   長続きするわけもないのである。

   私としては、日本の国としては、外国に迷惑を掛けるくらいなら、
   日本に強制送還すべきじゃないかと思うくらいなんですがね。
   上に書いたことと矛盾するような話になってしまいますが・・・

   あるいは、フィリピン政府に助成金を出して、困窮邦人の面倒を
   見ている団体にいくばくかの支援をするとか・・・どうですか?
   要するに、迷惑料ですな。
   言い換えると、日本国内の生活保護の海外版ってことになってしまう
   のかな???
   そうなると、海外に困窮日本人を輸出している、と叩かれるかも・・

ところで、集英社のサイトに、この本に関してのインタビューのサイトが
ありました。
なかなか興味深いインタビューです。
http://gakugei.shueisha.co.jp/author_message/mizutani/index.html

次回、その6は、
優しいフィリピンの人たちの思いを 本の中から拾ってみましょう。

 

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

フィリピン バギオ マニラ セブ ダバオ 日本大使館 領事館 邦人保護 援護 貧困 困窮邦人 病気 寝たきり ホームレス フィリピーナ フィリピンパブ じゃぱゆき

|

« 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その4 | トップページ | 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その6 »

コメント

宇宙人さん、

日本人は1億、中国人は13億。

日本の見栄春君と、中国の面子君の対決ですよ。

やっぱり一部の日本人には そういう感覚を持ってもらって、見栄っ張りなところを発揮してもらわないと・・・

私は、中古品しか買えない身分ですので、
どんどん中古品を世の中に出してもらわないといけません。

 

投稿: させ たもつ | 2012年2月 8日 (水) 22時58分

させさん、問題は「買い替えないと恥ずかしい」という感覚なんですよ。 ここに中国人と違った、他人と比較するという日本人のおかしさと、他人に対する優越感があるんです。

投稿: 宇宙人 | 2012年2月 8日 (水) 22時00分

BMW= Bad Man and Woman ってことぐらい知っていますよ。
フィリピンで悪いことをしている日本人の男と
それを騙しているフィリピン人の女ってことでしょ?
そんなの一般常識じゃないですか。

高級車の名前だったんですか??
それは知らなかったな。

なるほどねえ。 日本はいろんなものをいろいろ変えすぎですよね。
そうでもしないと経済が廻っていかないってことですかね。
日本車なら20年ぐらいは持つんだから、そんな頻繁に変えなくてもいいのにね。

もっとも、日本で使用済みの車をフィリピンで大事に20年になるまで使ってくれていますから、いいのかも。

フィリピンに感謝しなくちゃね。

  
  

投稿: させ たもつ | 2012年2月 8日 (水) 21時37分

BMWを持っている人がいましてね、っといっても貧しいさせさんは BMWが何か知らないかな? BMWは高級外車なんです。そんなに高い車にのっている理由はね、国産の高級車よりも安いからだそうです。 国産の高級車は毎年新しい車種が出ますので、毎年買い替えなければいけないけど、BMWは毎年新しい車種がでるわけではないから、買い替えなくてすむということでした。新車がでたのに、買い替えないと恥ずかしいんだそうです。日本の一流企業に勤めている人はそのように感じるそうです。 貧しい宇宙人には「別世界」の感じがしましたね。

投稿: 宇宙人 | 2012年2月 8日 (水) 18時08分

プライドが邪魔をするんでしょうかねえ。
給料も下がっちゃうし、今までの生活を維持できないとか。

身体が動かないと新しい仕事にはつけないってこともあると思いますけど、その前に気持ちがフレキシブルになれないんでしょうね。

私が東京で英語を勉強していたころは、それこそ新聞配達の奨学生でしたから、お金のためならどんな仕事でもやれるという反プライドみたいなのがありますね。

今や身体は動かないけど。(笑)

金持ちのためのシステムは いけませんねえ。
やめちゃいましょう。 ははは

  

投稿: させ たもつ | 2012年2月 8日 (水) 01時04分

いやあ、フィリピンの「困窮邦人」はひどい人たちばかりですね。
「日本国内でリストラなどにあって、再就職もならず、精神的に追い詰められたりして、ホームレスになっている人たちも多い昨今です。」とありますが、これは深刻ですね。本人は仕事をする意思もあるし、能力もあるんですが、する仕事がないんですね。もっとも、百姓をするとか、介護の仕事なんかはいつも労働力不足ですから、それでも良ければ仕事はあるんですが、事務をやっていた人はなかなか決心することはできないでしょう。日本は特に労働の流動性がありませんから、一度職を失うとどうしようもないですね。変な社会です。僕は、ここでも資本主義はもう最大多数の最大幸福を達成するような主義ではなくなったと思います。 資本主義は金持ちのためのシステムですね。

投稿: 宇宙人 | 2012年2月 7日 (火) 23時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134315/53925529

この記事へのトラックバック一覧です: 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その5:

« 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その4 | トップページ | 「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その6 »