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2012年2月 7日 (火)

「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その4

副題は:
~フィリピンに生きる「困窮邦人」~
水谷竹秀著 集英社

今の状況、なぜ日本へ帰れないのか、を調べてみます。

吉田: 朝、教会内の公衆トイレの場所を確保、教会から近くの民家へ、
    露店の周りの路上の清掃、露店の台車の洗車、露店で売るものの下準備、
    台車を教会の近くの路上に移動、日当20ペソ(40円)、朝と昼は
    その民家で食事、午後はぶらぶら、夜は教会の長椅子で寝る、
        日本を出た時は 1~2週間で帰ってくる予定だった。
    フィリピンでは何とも成らん状態。
    日本へ帰っても変わり映えのしない生活。
    ちょっと前から腰がジワーっと痛みだした。
    日本の両親は死亡、 年金暮らしの兄は 音信不通、
    友人もいない、日本に帰っても仕事はないだろう、
    実は姉が日本にいた、前回送金してもらって以降疎遠になってしまった、
    一度助けたが、あいさつの一言もなかった、義理も何もない、
    仏壇からお墓のお守りまで何もせずに、
    以前は夫が現役だったから面倒がみれた、今は年金暮らしで子供も
    いるから、助けることはできない、
    
    その後、吉田は日本に何度か帰国をしたらしい、
    フィリピンでも困窮邦人に「帰国させてあげるから」と話を持ちかける
    貧困ビジネスが行われているらしい、

浜崎: 偽装結婚に巻き込まれた、日本の新聞配達店に戻るつもりでいた、
    父は死亡、母、兄、妹とは音信不通、
    送金を頼もうとした新聞配達店の同僚は死亡していた、
    日本人経営の自動車部品販売店に転がり込んだ、
    掃除をする代わりに食事をもらった、夜はカビテ州の家で寝る、
    所持金ゼロが2年半も続く、
    新聞店の仲間や店主も 話し合いはしたが、援助の提案には乗らず、
    兄と連絡ができた、が、20年以上も音信不通で、義理の姉から
    道は開けない、現役を引退しているから助けられないと言われる、
    妹は 勝手に行ったんだから 自分のことは自分でという考え、
    大使館からの依頼にも 妹は援助を断った、
    浜崎は日本に帰りたいが、日本に帰っても行き場がない、
    どうせ死ぬなら日本で死にたい、

須藤: 逃亡犯、あるビルの屋上が寝る場所、その1階の簡易食堂で
    店の手伝いをして食事をもらう、
    日本に帰れないならそれでもいいが、フィリピンでお金を貯めて
    ビジネスをすることを毎日考えている
    日本の知人からフィリピンの美容室に誘われた、売上金の管理、
    母は死亡、子供は施設、父は寝たきりの生活保護生活、
    役所の職員は、日本に帰り、刑に服し、生活保護を受けて生活し、
    再就職先を探す、ことを提案した、
    日本では逮捕状が出ている、
        本人は、おとがめが何もなければ日本に帰る、つもり。

榎本: 下半身不随で施設に収容されている、
    今は日本に帰りたくない。 今戻ってもやっかい者だから。
    ここにいて頑張って、歩けるようになって・・・
    声もあまり出ない、右目は失明、歩行練習を始めて徐々に回復は
    してきていたが、結局は寝たきり、
    その後、施設から追い出されそうになった時から
    エリートのフィリピン人女性に一軒家で面倒を見てもらっている、
    大使館が榎本を日本へ帰国させるため、国援法の手続きに着手
    していたが、最終的に本人が帰国を拒否した、
    日本の空港に到着してからはどうしたらいいのか、が問題だった、
    空港に到着しても迎えに来る家族、知人がいない、
    エリートの女性と介護をしている女性も限界にきている、
    本人は 歩けるようになって自分で帰りたいというのは
    障害者施設にいる頃から言っていたが、医者の診断では
    糖尿病、心臓肥大、リウマチ性心疾患、腎機能障害があるとされている、
    80歳近くになる両親には受け入れる余力はない、
    
星野: 退職金4,900万円をほとんど失くしてしまい、あとは年金を
    待つのみの生活、
    毎日、コーヒーを飲んで、部屋の掃除をして、近くの日本人宅で
    世話話、自宅に戻って昼食、テレビ、昼寝、シャワー、夕食、
    夜は又同じ日本人宅でビールを飲み、女の話、 ・・・この繰り返し、
    年金が入ったら 毎月10万円で 悠々自適の生活をするつもり、
    

さて、こういう事情があるんです。

吉田は、とりあえず、日本といったり来たりしている。
だれが助けたのか分からないけれども、もう大丈夫ってことでしょう。

浜崎は、帰りたいのに帰れない。
元々が偽装結婚にはめられた人ですから、運が悪い、可哀相、と言えるでしょう。

須藤は、日本での犯罪をちゃらにしてくれなくちゃ帰らない、と言っている
わけで、そりゃあ通らないでしょうね。
子供のことを考えれば、刑に服したほうがいいと思います。

榎本は、自分で帰国を拒否していますからね。 大使館もどうしようもない。
しかし、そのことで、フィリピンの善意の女性に迷惑を掛けている。
日本の国として、それでいいのか、ってことはありますね。

星野、結果的に本人の望む形になっているようだし、困窮邦人とは言えそうに
ないし、日本に帰る気はさらさらないようだし。
放っておくしかないですよね。

この中では、浜崎にだけは、同情できますね。
他は、どういう状況にせよ、一応本人の意志で明確に選択していますからね。

こうやって具体的に一人ひとりを見てくると、
浜崎だけは 若い女の子を追いかけてきた訳でもなく、偽装結婚の犠牲者と
言ってもいいんじゃないでしょうか。
すぐに日本に帰るつもりで来たわけですから。

他は、最初の動機から、どんづまりでの選択まで、自分で決めているって
ことになりますね。
同情する必要もないし、余計なお世話になってしまうような気がします。

では、次回は、日本大使館がどのような対応をしているのかを、
この本から見ていきましょう。

      

    

    

    

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コメント

ゆみさん、
はい、多分 おっしゃる通りでしょうね。
自分勝手な人が多いのでしょうから、権利意識ばかりが強くて、助けようとする人に逆切れするような人かもしれません。

この本の中にも、結局「お金をくれ」みたいなケースが多いように書いてあります。

投稿: させ たもつ | 2012年2月 7日 (火) 08時51分

たしかに 浜崎さんは 気の毒な面があるかもしれません。こういう人こそ大使館がなんとかしてあげればいいのに・・・

もう大使館で 困窮邦人収容施設でもつくってしまえばいいんじゃないですかね・・・とか思いますが こういう人たちってたいてい 助ける気が起きないような 不遜で無意味に傲慢な人が多い気がする(偏見です)

投稿: ゆみ | 2012年2月 7日 (火) 07時07分

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