「日本を捨てた男たち」を読んでいます - その7(最終回)
副題は:
~フィリピンに生きる「困窮邦人」~
水谷竹秀著 集英社
どんな日本が 背景にあるのか、を拾い読みしてみましょう。
う~~ん、拾い出すと、切りがないほどたくさんあるんです、日本側の問題。
拾ったものを並べ替えて整理すると下のようになりました:
(1) 日本経済の問題
ー 厚生労働省の統計によると、不況の影響で2009年には
非正規労働者数が約1721万人と全労働者数の3割強を占めている。
ー 最近では「派遣切り」や「ネットカフェ難民」という言葉もある。
ー 都内の公園で路上生活をする30代の男性の姿が映し出されていた。
仕事をクビになって以来、新しい仕事が見つからず、・・・
ー 工場も閉鎖、NTTもなくなり、なんもかんも職場がなくなりますから、
みな職を求めて出て行っちゃいますね。 商店街はほとんどシャッターが
降りたまま。・・・子供に継いでもらおうっていう気はないんですよ。
(2) 日本を覆う息苦しさ
ー 競争社会における閉塞感や人との関係の希薄さを意識する。
ー 他人に関心を持たないようになり、他人との付き合いに煩わしさが
先行してしまう。 もはや、”隣人を愛せない”環境にあるのではないか。
ー 人と人のつながりが薄れる「無縁社会」
ー 日本でつまらない毎日を送り、心の中は孤独感にさいなまれていた。
いい付き合いをできる人間関係もなく、友人はほとんどいなかった。
心のふれ合いや、人と人との間のぬくもりを実感できなかった。
ー 日本社会はおかしいなあと思います。 お金のある人だけが幸せになる
社会。 お金がないと病院にも行けないでしょ。
でもフィリピンはお金がなくてもそれなりに暮らしてるっていうか、
みんな明るいっていうか。
(3) 孤独死
ー 真夏なのにエアコンが動いていなかった。 不審に思ってドアを開けると、
関根さんはすでに死んでいたという。 死因は心不全。 それは紛れもない
孤独死だった。
ー 30代の男性の孤独死に出会った。 浜崎が集金に行った時、その男性は
「仕事していないんですよ。 仕事がないからお金ももうそろそろ
なくなってくる」と話していたという。 男性は30代という若さで
餓死したということだった。
(4) 家族、親戚などとの不義理
ー 前にいっぺん世話をしたことがあったけど、あいさつの一言もなかった。
義理も何もない。怒っている。
ー 20年以上連絡がなかった。 今さら電話をもらったりしても・・・
主人が現役を引退していまして、アルバイト程度のものしか収入がなくて、
いっぱいいっぱいの生活をしているんですよ。
ー 親族に金を借りまくった上、サラ金の取立てが来て困っているんです。
あんな人とは縁を切りました。
あいつだけには絶対に貸さない。
フィリピンで死んでも構わない。
(5) 生活保護の制度の限界
ー 福祉事務所から「そろそろ働いたらどうか」と勧められ、生活保護の
受給を辞退することになり、それがきっかけとなって死亡したという。
ー 日本に帰って刑に服する、刑を終えたら一旦は生活保護、
職を探して生活を取り戻す、そして施設にいる子供と再会する、
福祉事務所に相談する。
ー 父親は3年前、脳梗塞で倒れてから体の左側部分が完全に不随状態になり、
生活保護を受けてほとんど寝たきりの生活を送っていた。
ー 現在日本には生活保護受給者が約202万人いるという。
(6) 介護の困難さ
ー フィリピンでは祖母や祖父を施設に預けることなく家族一緒にいる。
フィリピン人と結婚すればそんなことにはならないよ。
施設に預ける経済的な余裕があるか否かという問題はあるにしても、
日本では、一番近くにいるべき肉親が遠い存在になっている。
こうやってみると、日本に帰国してどうするんだ、という大きな問題が
明らかになってきます。
1. 日本経済が回復しそうな雰囲気はない。
2. 日本の息苦しさは、多くが国民性の几帳面さ、生真面目さに負うところが
大きいでしょうから、フィリピンみたいに明るくやろうよって言っても
無理でしょうね。
ちゃらんぽらんにやる秘訣を学ばないと。
3. 孤独死は、大家族をやめて、核家族になったときから、
分かっていたことかもしれません。
今の高齢者は 誰もが思っていることじゃないでしょうか。
4. 不義理は、個別の問題ではありますが、そうでなくても、
最低限の生活を壊してまで遠く離れていた肉親を引き受けようという
家庭は少ないでしょうね。
やったとしても、共倒れになってしまう可能性が高いのが現実ですし、
自立、自立と言って育った世代は、世話になるにも遠慮が先立つ。
迷惑を掛け合うことが常識にならないといけません。
5. 生活保護は、国・自治体の財政の問題が解決しなければ、
悪い方にいくだけでしょう。
フィリピンでさんざん遊んで来たとみなされる困窮邦人には
入口はずっと狭いでしょうし。
6. 介護のコスト、誰が面倒を見るのか、数は足りるのか、など、
日本の介護の将来は明るくはないようです。
それくらいなら、仕事のない、若者がたくさんいるフィリピンの方が
介護をしてもらえるチャンスは多い、と考えても不思議じゃありません。
こんな風に整理してみると、困窮邦人が土壇場で「やっぱり日本に帰るのは
止めた」となるのも、全く理由がないわけじゃないことが分かります。
じゃあ、いわゆる「日本の恥」を国としてフィリピン側とどう決着するか。
日本にとっても、フィリピンにとっても、納得のいく解決策は?
A) フィリピン在留の日本人、あなた自身が援助をする。
B) 強制送還 -> 生活保護 -> 再就職 又は 介護施設
C) フィリピンの施設・団体に補助金、困窮邦人を受け入れてもらう
D) 放置、現状のままフィリピン人の厚意に甘える
E) 日本政府あるいは民間団体がフィリピン国内で「困窮邦人収容所」を運営し、
同時に、フィリピン人介護士・看護師の養成所とする。
この養成所の初代日本語教師を「させ たもつ」とする。(笑)
一定期間研修・実習をしたフィリピン人は文句なしで日本に就職。
F) ・・・あなたのアイデアは どうですか?
などと、書いてみたのですが、ここでふと気づいたんです。
日本人は自己責任、自己責任と言う。
フィリピン人は迷惑を掛けたり、掛けられたりすることが当たり前。
じゃあ、国同士はどうなのか? ですね。
もし、日本の国が自己責任だと言うのなら、国の自己責任として
海外の困窮邦人をすべて引き取るべきでしょう。
もし、フィリピンのように迷惑はお互い様だというのであれば、
今の状態のまま、優しいフィリピン人にお願いしてしまう。
その代わり、日本国内で困窮しているフィリピン人の面倒を日本人は
見てあげなくてはいけない、ってことになりますね。
今日のNHKのニュースを見ていましたら、
「路上生活の老女に火をつけた少年」などという事件があったようです。
ホームレスの人たちを殴る蹴るの暴行をはたらく日本の若者。
困窮邦人にご飯を分け与える貧乏なフィリピン人。
あなたなら、どっちの国を選びますか?
やっと、この本を読み終わりました。
最初にこの本を読んだ時は、内容が重いし、問題が複雑で、もやもや
していました。
まだボンヤリですが、私自身としても考えがまとまってきたように思います。
お付き合い、有難う御座いました。
<備考>:
マニラ新聞のサイトに、マニラ、セブ、ダバオの日本人会が困窮邦人の問題に
どのように対応しているかの座談会記事がありました。
http://www.manila-shimbun.com/award160032.html
御参考まで。
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コメント
そうですねえ。
要するに ブログとかWEBメールなんかと同じことですね。
でも、WEBメールなんかでも いまいち使い勝手が良くなくて どうしてもダウンロードしないと検索や加工が不便なんですよねえ。
仕事用には使えないしなあ・・・
投稿: させ たもつ | 2012年2月12日 (日) 10時37分
Google Doc とか Skydrive を使えばクラウド上に無料でファイルを置いておくことができますよ。 極秘の書類はセキュリティ上無理がありますが、そうでなければ、クラウドに置いておくのが一番楽ですね。 Google Doc は5GB, Skydrive は 20GB, Ndrive は 30GBを無料で使うことができますよ。
投稿: 宇宙人 | 2012年2月12日 (日) 01時07分
そうか、やっぱりそうですよね。
どうせ二度と見もしないものを全部残したいなんて思うから「煩悩」に悩まされるってことですね。
絶対必要なもんだけ取っておけばよいか。
投稿: させ たもつ | 2012年2月11日 (土) 23時41分
持っていませんよ。 仕事で使うファイルは一つのディレクトリーにありますから、僕の場合、そのディレクトリーのコピーをとっておけば問題ないですね。 アプリケーションは入れ直さないといけませんので、これは面倒です。 できるだけ、ソフトはインストールしないようにしています。Office と Chrome と 弥生会計という会計ソフトだけでいいと思います。
投稿: 宇宙人 | 2012年2月11日 (土) 22時30分
へっへっへ、注ぎ込んでいませんって。
「ノートパソコンの寿命は何年?」っていうことで検索をしてみたんですが、 まあ、いろいろと難しいことを言う方は 数ヶ月から15年といろいろあるよと言っていますね。
まあ、それが本当でしょうけど。
でも、大雑把に言うと だいたい5年見当らしいです。
ところで、宇宙人さんは、丸ごとコピーで、丸ごと復元できるソフトなんて使っていますか?
仕事用のファイルが消えると困るんですよねえ・・・
投稿: させ たもつ | 2012年2月11日 (土) 21時59分
4年くらいだと思います。 昨日いきなりパソコンがシャットダウンしたんです。 立ち上げなおすと問題なく動いたんですが、今日立ち上げると立ち上がらないんです。 システムファイルの一部が壊れたようです。 復元ポイントに戻すこともできません。 ハードディスクそのものは壊れていないようで、Linux を CDから立ち上げて、必要なデータはコピーしました。 一度このようなことが発生すると、ハードディスクを取り替えないと、また同じような問題が発生する可能性が高いですね。 させさんのパソコンも買い替えた方が良いと思いますがね! フィリピーなにつぎ込む金の一部でパソコンが買えると思うけどね!
投稿: 宇宙人 | 2012年2月11日 (土) 21時06分
いや~~~、なんとも懐かしい名前が出てきましたね。
そういえば、そういう民族もありました。
パソコン、何年ものですか?
私のパソコンも、もう画面は外付けで緊急避難しているし、5月の一時帰国まで 本体が持てばいいですけどねえ。
さかんにフリーズするんで ひやひやです。
投稿: させ たもつ | 2012年2月11日 (土) 19時38分
黒いシルエット。 いいですね! ホッテントットのシルエットね!
ところで、パソコンが壊れてしまった。今別の Linux のパソコンからアップしています。Linux でも、使えるもんですね!
投稿: 宇宙人 | 2012年2月11日 (土) 16時24分
宇宙人さん、そう来ましたか。
天国に近いっていう意味で、正確にいうと、アフリカよりもバギオの方が近いですよ。
標高が1,500mだもんね。
恋愛は想像力ですからねえ、それに、恋は盲目っていうじゃないですか。
見えなくたっていいんですよ。
わかってないなあ~~。
月夜に艶かしい黒いシルエットってのもいいじゃないですか。
ところで、絶世の美女と伝説のクレオパトラも 黒人との混血だったなんて説があるらしいし・・・
ケンブリッジ大学が復元したクレオパトラをどうぞ。
http://newtou.info/entry/375/
なんか、最近の日本のアニメの女の子みたいな感じがしませんか?
クレオパトラは実は日本人だった、なんて噂を流しちゃおうかなあ~~~。
投稿: させ たもつ | 2012年2月10日 (金) 23時56分
させさんがアフリカに行った時、森村桂さんの「天国に一番近い島」を思い出していましたよ。 電気がないから夜は真っ暗になるんですね。 現地の人達は黒いから、夜寝ている時は、いるのかいないのかわからないけど、彼女は白いため、ボーッと浮かび上がるというような文章のところが、すごくセクシーだったのを覚えています。 そんなところにさせさんも行ったんだと思っていたのに、電気もガスもあったとは! といっても、電気がなかったとしても、黒人の女の人は、夜は寝ていても暗くて見えないから、色っぽくもなにもないか?
投稿: 宇宙人 | 2012年2月10日 (金) 22時40分
うひゃ~~、80歳ですか・・・ むちゃくちゃ凄いですね。
私なんぞは、根性なしですから、還暦すぎたら直ぐに死んでしまうような気になってますからねえ。
宇宙人さんも、今からですね。 がんばらなくっちゃ。
アフリカをなめちゃいけないな。
電気とガスと水道と電話とインターネットくらいありますよ。
私が宿泊していたところはね・・・
ライオンも象もキリンもいませんでしたけどね、サソリとか大きなトカゲみたいなのはいましたよ。
それに、蟻んこが ぞろぞろ・・・
へっへっへ
投稿: させ たもつ | 2012年2月10日 (金) 11時53分
80歳近いおばあちゃんです。させさんもアフリカでは電気もガスも水道もない生活をしたでしょう。人間にとって一番大切なものは人とのつながりなんでしょうね。これさえあれば、電気がなくても、ガスがなくても人間は生きていけるということだとおもいます。 僕は電気がないとだめですけどね!
投稿: 宇宙人 | 2012年2月10日 (金) 11時21分
凄い人ですね。
普通はそこまで徹底できないですもんね。
家族が一緒に住んでいたら、そんなことできないでしょう。
おいくつくらいの主婦なんですか?
投稿: させ たもつ | 2012年2月10日 (金) 10時51分
ペレーズ西小学校は彼女のやっていることのほんの一部です。原子力発電反対は長いことやっていますね。東電が原子力関係のチャージとして100円ほど請求書に上乗せしているのを知って、その100円ほどの金額を支払い拒否したところ、東電から電気を止められて、今ローソクで明かりをとっています。当然パソコンもありませんので、ホームページもありません。電話は黒電話です。 古い黒電話は電気がなくても使えるんです。 FAX も使えなくなりました。それでも平気だといっていますね。 おもしろいでしょう。
投稿: 宇宙人 | 2012年2月10日 (金) 10時38分
へえ~、8年も続いているというのは 個人でやっていることを考えると凄いですね。
NGOっていうのは、団体であっても、資金や継続性でなかなか難しいことが多いようですからね。
山田征さんの公式ホームページみたいなのはあるんでしょうか?
もしあれば、教えてください。
投稿: させ たもつ | 2012年2月10日 (金) 01時03分
僕の奥様も彼女をサポートしていています。僕の奥様がサポートしているところは、フィリピンのケソン州のペレーズ地区のペレーズ西小学校です。 毎年 200,000円を近所の人たちから集めて、征さんを通じて送っています。今年で 8年目になるそうです。
投稿: 宇宙人 | 2012年2月10日 (金) 00時47分
宇宙人さん、
山田征という人は初めて聞きました。
今 インターネットで検索してみましたけど、いろんなことを 一人NGOということでやっている主婦 って書いてあるみたいですね。
ただ、どんなことを具体的にやっているのかが分かりません。
投稿: させ たもつ | 2012年2月 9日 (木) 23時23分
させさんは、山田征さんという人をご存知ですか? フィリピンの貧困者の援助を日本からしている人です。
投稿: 宇宙人 | 2012年2月 9日 (木) 21時27分
anamiさん、
はい、以前セブにいた方から、そのような話を聞いたことがあります。
酒と女、下ネタの話ばっかりだとか・・・
アカデミックなんて言われると、恥ずかしくなってしまいますが、・・・そう言っていただいて、ありがたいです。
私もちょびっと(長崎弁)しかお金はないんで、他人事じゃあありません。
へえ、鳥山さんですか。初耳です。
時々、ひっそりと、そういう立派な方がいらっしゃるんですよねえ。
マニラの北のブラカン州にも、パンガシナンだったかにも そういう日本人の方がいらっしゃるという噂は聞いています。
いずれも、なかなか大変なお仕事だと思います。
投稿: させ たもつ | 2012年2月 9日 (木) 19時41分
座談会記事読みました。
ダバオはPパブ芸能人さんを追いかけて住み着いた日本人ばかりでバギオの北ルソン日本人会とは雰囲気がかなり違いますね。お世辞ではなくバギオにはアカデミックな空気が流れています。
金の多寡が幸不幸の尺度となってる大方の日本人・・
私にもちょびっと(大分弁)そういうところがあるんでひとのことは言えませんが。
ところで、
ダバオの先100kにHOJ(サンイシドロ)という孤児院があります。
そこの経営者は烏山さんという日本人です。
いつか会いたい人です。
投稿: anami | 2012年2月 9日 (木) 18時44分
ゆみさん、コメント有難う御座います。
すぐに満員御礼になりそうですね。(笑)
どういうレベルの施設にするかが難しいところですね。
居心地が良すぎるとどんどん集まってくるでしょうし、
私も入りたいぐらいです。 はははは
いつまでも施設で面倒みるっていうのも社会復帰を妨げてしまうし。
社会復帰なんか そもそも考えていない人も多いだろうし。
なかなか・・・・塩梅がむずかしい。
投稿: させ たもつ | 2012年2月 9日 (木) 11時56分
お疲れ様でした。
私は 日本政府がお金を出して フィリピンに困窮邦人を収容する施設をつくって保護するのがいいと思います。そこで体のきくひとは農作業したり・・・そもそも底辺の生活をしていたわけですから そんな豪華な施設は必要ないですしね。
彼らの多くは帰りたくない、帰れないし。
その施設が 満員御礼になったりしないことを祈りたいですけどね・・・
投稿: ゆみ | 2012年2月 9日 (木) 07時02分