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2012年9月 8日 (土)

日本語教師症候群  大噴火が「起きた」か「起こった」か・・・

「起きる」と「起こる」

ー 私が毎朝「起きる」のは だいたい7時ころです。

ー 富士山の大噴火が「起こる」のは 間違いないと言われています。

昨晩、「起きる」と「起こる」の違いを考えていて、眠れなくなったんです。
富士山の大噴火のことじゃなくて、日本語教師の症候群が発症したんですけどね。

「起きる」は、だれかが朝起きるような場合に使うのは問題ないんですけど、
その他の場合はどうなんだろうか、とふと思ったわけ。

ー 富士山の大噴火が「起きる」のは 間違いないと言われています。

この文章では、「起こる」と「起きる」のどちらが正しいのかって
いうのが疑問なんです。

あなただったら どっちを使いますか?

私のフィーリングとしては、
「起きる」というのは自ら主体的にする行動のような感じで、
「起こる」の方は 何かが自然に起こるような雰囲気かな、と思うんです。
だから、上記の文の場合だと、「大噴火が起こる」の方がしっくり
くるのかなと思ったんです。

でも、すっきりしないので、手っ取り早くインターネットで検索すると
こんなページがありました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1014431885

ここに、このような説明があります:
まず「起きる」という自動詞がありました
誰かにどうにかされてということなく、自然に何かが発生するという
ことです。
「起こる」は誰かが起こすという行為をした結果、起こるのであり、
誰も何もしないのに、自然に「起こる」ということは本来ないのです。
つまり「起こる」は「起こす」という行為を念頭に置いた表現と言える
でしょう。

説明はもっともらしくも読めるんですが、どうも感覚的に逆のような
気がするんです。

それで、しょうがなく類語大辞典で調べてみると:

「起きる」: それまでになかった、(困った)事態・現象などが
       現れる。「事故が~」「貿易摩擦が~」
       「小さな波が~」

「起こる」: (予測できないことが突然)起きる。
       「こんな劇的なことが~とは思ってもいなかった」
       「どうもやる気が起こらないんだ」「風が~」
       「~べくして起こった事件}

これだと、「予測できないことが突然」というところがポイントみたいですね。
でも、上の例文で語彙を入れ替えてみてもあまり違わないような気も
します。

「事故がおこる」「貿易摩擦がおこる」「小さな波がおこる」
「劇的なことが起きる」「やる気が起きないんだ」「風が起きる」
「起きるべくして起こった事件」

ただ、最後の二つ、「風が起きる」と「起きるべくして・・・」は
ちょっと座りが悪いような感触ですね。

「風が起こる」「起こるべくして・・・」の方がよさそうな感じ。

・・・で、さらに「日本語新辞典」でチェックしてみると:
「起こる・起きる・生じる」のみっつについての比較をしてあります。

1. この三語は新たな状態が現れる意をもつ点で共通する。
   「不測の事態がーー」にはどれも使えるが、「起きる」は
   口語的な新しい使い方。

2. 「炭火がーー」のように、火気が盛んになる意では、「生じる」
   は使えない。この例でも「起こる」が元来で、「起きる」は
   新しい言い方。

3. 「交通が発達して産業がーー」のような場合は、「起きる」
   「生じる」は不適当。 「起こる」は「興る」と書かれる。

この辞書では、「起きる」は口語的で新しいとあります。

上記のインターネットサイトでの
「まず「起きる」という自動詞がありました。」という解説とは
相容れない説明ということになりそうですね。

上記の類語大辞典では、「予測できないことが突然」というところに区別
するポイントがあると読めましたが、この日本語新辞典の1「不足の事態がー」
にはどれも使える、という解説とは相いれないように思います。
でも、3の解説は納得できそうな気もしますが、やっぱり漢字としては
「興る」でしょうね。

結論的にはどうなるかっていうと:
1. 区別は難しい。
2. 「起きる」の方が「口語的な新しい使い方」。
3. 予測できない突然の出来事、自然発生的なのは「起こる」の方が
   良さそう。

4. インターネットでのQ&Aは あまり信用するな。

以上、どうっすか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

悟空さん、 たぶん国語の時間には こんな質問は生徒から出たりはしないと思いますよ。
ネイティブは気が付かない、意識しない違いだと思います。
でも、日本語の時間ということになると、なぜ似たような言葉があるの? 使うときにはどうやって使い分けるの?
ってことになるわけです。

だから、日本語教師の場合は、どういうニュアンス、場面のときには どちらが「安全か」ってことで自分なりの判断基準を持っておかないといけないってことですね。

似たような言葉を複数同時に教えると、生徒が混乱するだけなので、一番誤解が少なく、一般的な語彙から段階を踏んで、時期をずらして教えるのがいいかな、と思います。

  

投稿: させ たもつ | 2012年9月14日 (金) 18時24分

なかなか悩ましいですね。
『結局日本語の先生でもよく分からない』ですか?
私も一応考えてみましたが先生以上によく分かりません。
去年から小学校で勉強を見たりしていますが今のところこのように難しいことには遭遇していません。
まー、遭遇したら教師の資格を持っている人に任せようとは考えてますが・・・・・・

投稿: 悟空 | 2012年9月14日 (金) 11時28分

ははは、普通は即寝て、即起きてますよ。
でも、昔から、目覚まし時計にアラームよりもちょっと前に目が覚めるんですよねえ。 なんでかな?

投稿: させ たもつ | 2012年9月11日 (火) 20時09分

させさん、よっぽど暇なようですね。 よほど暇なんですねがただしいのかな? いずれにしても、夜寝られないというのは、としをとった証拠ですよ! ちなみに、僕は、布団にはいるとすぐに爆睡ですね。 横に美女が寝ていたとしても??

投稿: 宇宙人 | 2012年9月 9日 (日) 20時55分

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