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2012年11月21日 (水)

井上靖「天平の甍」を読む。- 10   鑑真の怒り

旺文社文庫 井上靖著「天平の甍」を読んでいます。

二度目の失敗をした鑑真の渡日。 しかし・・・

p84
鑑真和上はまだ渡日の意志を捨ててはいない。・・・和上はそこで
再挙をはかると言っておられる

p88
(明州の)阿育王寺に帰ってからしばらくして一つの事件が起こった。
それは越州の僧たちが、鑑真が日本に渡ろうとしていることを知って、
これを阻止するために、主謀者栄叡の逮捕を州官に願い出た事件である。

栄叡は枷を着せられて京へ護送されて行ったが、一か月ほどで再び
阿育王寺へ帰って来た。

・・こういう事件があったために、早く日本に渡らないと何が起こるか
わからないってことで、三度目の計画が急ピッチで進むんです。
ところが・・・

p90
一行は天台山を発し、・・・何日間か峰伝いの旅を続け、・・・
先発隊のいる福州へたっすることができる。
しかし、・・禅林寺という寺に泊まった夜、鑑真たちは思いがけず、
採訪使の牒を持った役人たちに踏み込まれるという事件に見舞われた。

・・・こういう事がなぜ起こったかというと、
師鑑真の身の上を案じて、渡日ということには終始反対の態度を持っていた
名僧とされる霊祐が阻止しようとしたからだったんです。

それだけ、鑑真さんを大切に思っていた弟子がいたということですね。

これで三度目も失敗。。。

そして、この禅林寺で、鑑真の噂を聞いた 戒融が訪れるんです。
托鉢をして歩くんだといって姿を消した あの留学僧です。
そして、又、
日本に生まれたというただそれだけの理由で日本へ帰らなければならぬのか
と吐き捨てて姿を消してしまうんですねえ。

p93
揚州に連れ戻されてからの鑑真は、気難しく、無口になっていた。
たれともあまり会いたがらず、とくに自分への好意的な妨害者ともいうべき
霊祐には、絶対に面接を許さなかった。

p95
栄叡と普照が、いよいよ揚州の地を離れることを決意し、鑑真のもとに申し出た
のは、竜興寺で三か月を過ごしてからである。

・・・もう、二人とも鑑真を連れての渡日を諦めていたんですね。
ところが、鑑真さんは、
「それもよかろう。 そしていつでも再びここへやってくるがいい。
法のためである以上、私の渡日の決心は変わらないだろう
と言ってくれたんですねえ。

そして、この事件のほとぼりが冷めるまでは、しばらく待つしかないってことに
なったわけです。 しかし、それがいつになるのかは見当もつかない。

==その11へ続く==

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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