« 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その1> | トップページ | 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その3> »

2012年11月14日 (水)

「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その2>

NHKスペシャル「中国文明の謎」
第二集は「漢字誕生 王朝交代の秘密」からの発想なんです。

2008年に読んだある本のことを思い出したんです。

高島俊男著 文春新書「漢字と日本人」
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101797684

ここに短い感想文を書いたんです:
まるで 講演会を聴きにいったような 面白くて分かり易い、おまけに 
内容もギッシリの絶品です。  売れ行きが絶好調であるのも納得。  
外国人に日本語を教える人には 是非読んでいただきたい貴重な一冊です。
にほんの言葉の音をあらわすためだった漢字の輸入が、いつのまにか
意味をあらわす漢字へと変遷し、 その意味というのも中国ではなく
西欧での概念の輸入であったというのは・・・。不憫な日本語が 
いっそう可愛くなりました。 

・・それで、我が本棚を見たら、まだ置いてありました。

この本になかなか面白いことが書いてあるんです:

「ただし日本の漢字は別ですよ。これは、まるで氏素性のちがう
漢語というよその言語から文字を借りてきて日本語のなかで
つかっているのだから、たいへんに難しい。
「十一月の三日は祝日で、ちょうど日曜日です。」
こんなむずかしい文章を日本人は毎日のように相手にしている。
・・・これを日本人は一瞬にして判断し、よみわける。
・・・世界でもめずらしい天才人種に相違ない。」

つまり、日=「カ」「ジツ」「ニチ」「ビ」の四つの読みがあるのに、
それを簡単に読み分けている日本人って、もしかして天才か?
っていっているわけ。

漢字を、その意味によって直接日本語で読むことにした
たとえば「山」という字、これを音でサン(あるいはセン)と
よんでいたのであるが、この字のさすものは日本語の「やま」
に相当することあきらかであるから、この「山」という漢字を
直接「やま」とよむことにしたのである。
これは相当奇抜な所業であり、また一大飛躍であった。」

今の我々にとっては、「山」という漢字を「やま」と読むことは
あったりまえの前ぐらいなんですけど、この著者はこのように
その凄さを書いているんです。

なぜかっていうと:

「ここに mountain という英語がある。 それはマウンテンと
よんで山のことだと皆さん習っていらっしゃるだろうが、えいご
の mountain を直接「やま」とよむことにしよう
dog を「いぬ」と、 cat を「ねこ」とよむことにしよう、
となったら、これは相当奇抜で飛躍的でしょ?
そういう大胆な、見ようによってはずいぶん乱暴なことをやった。」

例えて言うとすれば、

There are many dogs and cats in the mountain.

でぇあ ら~ めにー どっぐす あんど きゃっつ いん 
ざ まうんてん

という英語の文があったとしたら、これを、

でぇあ ら~ めにー 犬 あんど 猫 いん ざ 山。

あるいは、逆にすれば、

the mountain には dogs や cats が たくさんいるんだよねえ。

・・・ってな感じ?
まあ、英語を見て、聞いて、いきなり 同時通訳をやるような
感じじゃないっすか?

そして、同音の漢字の使い方についても、著者はなるほどと
言うことを書いているんです。

「「とる」というのは日本語(和語)である。 その意味は一つ
である。 日本人が日本語で話をする際に「とる」と言う語は、
書く際にもすべて「とる」と書けばよいのである。 漢字で
かきわけるなどは不要であり、ナンセンスである
。」

なんのことかと言いますと、「とる」という漢字は
「取る」「執る」「取る」「捕る」「採る」「摂る」
いろいろたくさんあるけれども、元々和語なんだからひらがなで
書くのが本来的に正しい、ってことなんです。

いいねえ、文部科学省さん、頼むよ!!

そして、本居宣長が書いたある文章について、こんなことも、

日本語だけの文章というのは平安女流文学ぐらいしかないから
その方式でゆくほかないわけだが、あれは女が情緒を牛のよだれ
のごとくメリもハリもなくだらだらと書きつらねたものだから、
あの方式でガッチリした論理的な文章を書くのは無理なのである。
つまりは、千年にわたって一度も日本語の文章を構築しようと
しなかった日本の男たちの罪なのである。」

と言っています。
要するに、漢語漢字に頼り過ぎて、和語の発達が止まってしまった
ということなんです。

この問題は、和製漢語が出てくることによって解決されたようです。

そして、明治維新以降に 大きな変化が出て来たんです。

1. 漢字の大量使用
2. ローマ字使用の動き

「一つは、漢字の大量使用である。 ・・・耳できいても意味が
確定しない、字を見なければわからないことばが大量にうまれた。
もう一つは、・・・すべてかななりローマ字で書きあらわすことに
して、漢字を廃止しよう、とするうごきである。」

・・・では、続きは<その3>で、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その1> | トップページ | 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その3> »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134315/56108876

この記事へのトラックバック一覧です: 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その2>:

« 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その1> | トップページ | 「話し言葉には関係なく、意味を伝える漢字」 <その3> »