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2013年1月20日 (日)

フィリピン・バギオ発: マニラ1泊2日 妄想の旅 <その1>

バスは、バギオからマニラのパサイへ向けて出発した。

「これは直行便のデラックスなので、途中では下車できません。」

「ええっ? 今さらそれはないだろう! 乗る前に言ってくれよ。」

「今、上司に聞いたんですけど、ダメだとのことです。」

ビクトリーライナーバスのスチュワーデスは、運転手と相談し、
上司らしき人間に携帯電話でしばらく相談したあとに、そう言った。

「2日前にチケットを買ったときに、チケット売り場で
わざわざ確認したんだよ。 直行便だけど、パサイのターミナルに
到着する前に エドサ通りの途中で下車できるかって・・・
そしたら、チケット売り場の人は大丈夫だっていったんだよ。」

「・・・・・」
スチュワーデスという言葉を久しく聞いたことはなかったが、
要するにバスの車掌さんである
そのスチュワーデスは「はい」とは言わない。

「それに、このバスに乗った時すぐに、アラヤ駅の前で降ります
からって言ったじゃない。
なぜ、バスが発車する前に、ダメならダメと言ってくれなかったの?
それだったら、他の普通バスに乗り換え出来たじゃない。」

・・本心はそうではなかった。
普通バスに乗り換えたら、約束の時間には間に合わないのは
分かり切っている。
既に走っているバスの中だからこそ言えるハッタリである。

男の頭の中は 急に忙しくなった・・・

どういう理屈を言えば、正当な理屈になりえるのか。

日本だったら、こんなことはないだろう。起こりえない。
切符売り場の担当者が 会社の方針を知らないわけはない。
もちろん、バスの運転手や車掌が、いちいちそんなルールを
携帯電話で上司に聞くなんてこともあり得ない。
これは明らかに 会社内のルールに関する教育がなっていない
ってことだ。
そうだ、この点を突けば、単なる我がままな客のいちゃもん
ではないはずだ。

しかし、料金的にはどうか、
そうだ、このデラックス・バスは715ペソもするんだ。
普通バスに乗っていれば、ちゃんと途中下車もできるし、
料金も200ペソ以上は安い。
それに、このまま直行便に乗って最終目的地であるパサイに
連れていかれたら、そこからタクシーにのって戻らなければ
ならない。 
そのタクシー代は200ペソはするだろう。

そうだ、400ペソもの損害を受けることになる。
これは立派な、正当なクレームの理由になるじゃないか。

こういう理屈を運転手とスチュワーデスに話せば、納得して
止めてくれるんじゃないか。
途中下車を許してくれないんなら、バス会社に損害賠償の
請求を含むクレームを出すぞ、ってのはどうか。

しかし待て。
それじゃあ、この二人に対する脅迫みたいなもんには
ならないか・・・

男は、どういうタイミングで、どういう理屈を言えば
途中下車をさせてくれるだろうか、と思案していた。

そして、お互いに言いっぱなしのまま、バスは高速をひた走り、
その高速も降りてマニラ首都圏に入った。
渋滞でバスが止まった。

運転手のすぐ後ろの席に座っていた男は、運転手に声をかけた。

「アラヤ駅で止まってくれるの?」

それを見たスチュワーデスは、男を見て「うん」と眼で合図をした。

男はホッとして、座席に座りなおした。

ところが・・・・

高速を降りてしばらく走ったころ、バスが変なところで停車した。
なんだろうと思っていると、スチュワーデスのすぐ後ろに座って
いた二人の女性が、荷物を持ってバスを降りるではないか。

途中下車・・・

どういうことだ?

始めからそういう途中下車をする乗客がいたということなのか。

「なんなんだよ・・・」
男は思った。

それとも、男が途中下車をすることを認めたから、そっちの
女性二人も途中下車を認めざるを得なくなったのか・・・

携帯電話の向こう側にいた「上司」の「ダメ」は どうなったのか。

フィリピンにも法律はある、ルールもある。
しかし、決められた通りにならないのもフィリピンだという話もある。

これは、そういうことなのか。

フィリピンの人たちは、よくこのように言う。

「日本人には ディシプリンがある」と。

Discipline とは 規律である。

そして、フィリピン人にはそれが足りないと。

しかし、逆の見方をすれば Flexible とも言えなくもない。

柔軟性がある、適応性がある、融通が利く、臨機応変、と言えるかもしれない。

悪くいうなら いい加減である。

規律のある日本人の感覚でいえば、おそらくこっちの方だろう。

規律のある日本人なら 理屈で詰めていけば 相手の動きも
読めるというものだが、臨機応変なフィリピン人の動きは読めない。

そこに妄想のふくらむ余地もあるというものだ。

楽しむべし、楽しむべし・・・・

 

 

 

 

 

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