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2013年1月20日 (日)

フィリピン・バギオ発:マニラ1泊2日 妄想の旅<その7>

ホテルの部屋は寒かった。
冷房を入れなくてもよいくらいだったが、ガンガンに効いている。
冷房を切り、換気だけにしたつもりがいつまでたっても寒い。

毛布にくるまって シナイ・ハマダ氏著の短編「TANABATA'S WIFE
を読む。

このタイトルを初めて見たとき「七夕の妻」だと思い込んでいた。
7月の季節行事の「七夕」ではないかと思った。
しかし、その七夕ではなかった。 人名だったのだ。

しかし、人名に「七夕」という漢字を使うのだろうか。
インターネットで人名検索を利用してみたところ「七夕」と出た。
他には漢字はないのだろう。

このシナイ・ハマダという人物はフィリピン・バギオ市では
著名人であるらしい。
http://en.wikipilipinas.org/index.php?title=Sinai_Hamada

このサイトの解説を読むと、
Sinai Hamada (1912-1991)
バギオ・ミッドランド新聞社の創始者であり編集者。

実際、ミッドランド新聞のサイトにも本人の顔写真らしきものが掲載されている。
http://www.baguiomidlandcourier.com.ph/charter09.asp

フィクション小説家。最も有名なのが短編小説「たなばたの妻」。
バギオで最初の弁護士。

とある。

又、このシナイ・ハマダは、リュウキチ・ハマダの息子と書いてある。

北ルソン比日基金が出版した「JAPANESE PIONEERS IN THE
NORTHERN PHILIPPINE HIGHLANDS
」という日系人100年(1903-
2003年)を記念した本によれば、その戦前のバギオ市在住の一世
名簿の中に次のように記載がある。

浜田リュウキチ 出身地 鹿児島

さて、「たなばた」が人名として使われているのには、何か
理由があるのだろうか。

もし本来人名があったのだとすれば、おそらく上記の記念誌に
その名前があるのではないか・・・
この短編小説に出て来る日本人の人名は、「たなばた」、
「おかもと」そして「かとう」だけである。

記念誌の名簿には、岡本と加藤の名前はあるが、七夕というのはない。

と言うことは、これには季節行事である「七夕」の意味が
何か示唆されているのではないか。

この小説を検索してみたところ、このサイトにその全文と
思われるものが掲載されていた。

http://books.google.co.jp/books?id=rsXZat9RphgC&pg=PA173&lpg=PA173&dq=sinai+hamada&source=bl&ots=aZlVyOo4d1&sig=eu4tIixhjumlt7SGqSAJ1mGTCSU&hl=ja&sa=X&ei=xU3xUKv9D8yrlQWuxIDIAg&sqi=2&ved=0CGsQ6AEwCQ#v=onepage&q=sinai%20hamada&f=false

これを読んでみると、ストーリーそのものは七夕とは関係がない。
敢えてこじつけるとするならば、日本人の七夕と 地元ボントック
出身の女が結婚し、ある事件を契機に離ればなれとなり、
最後にはその妻が戻ってくるという内容であった。

http://books.google.com.ph/books/about/Tanabata_s_Wife.html?id=WyN3HAAACAAJ&redir_esc=y

この短編小説は、少なくともバギオ周辺の大学などの授業で
教えられる文学作品のひとつだというのである。
教育学部で学んでいる現役の大学生が言うのだから本当である。

しかし、正直な日本人的感覚で言うならば、内容的には特に文学的だ
という印象は受けない作品である。

どちらかと言えば、当時の日本人の生活のエピソードを記録したもののような雰囲気である。

ただ、上記にあるように、バギオ市があるルソン島北部の歴史の
中で最初の弁護士であり、新聞社の編集者であり、小説家だと
いうことになれば、地域の中で世に出た最初の文学者という
位置づけにでもなっているのであろう。
それが日系二世であったということは誇るべき偉業と言える。

男は、「七夕の妻」を読み終わると、寒い部屋の中で
毛布にくるまって、明日の朝7時に起きられるかを心配しながら
寝入った。

しかし、そんな心配などは要らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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