« やっぱり死者の霊は存在する・・・バギオのお通夜での話 | トップページ | 日本語の論理(外山滋比古著)を読んでいます -その1 »

2013年6月16日 (日)

フィリピンのお葬式  バギオで死んだらどうしよう?

「死んだらどうしよう」なんてことを考えても本人には
どうしようもないことなんですけど、周りにどうしてもらいたい
のかってことを自分の意志として考えておくことは必要なんだろう
なと思うわけです。

日本だったらまだ家族親戚が近くにいますけどね。

昨日の夜、バギオでお通夜に行ったんですが、不思議な話
聞かせていただいて、その他に フィリピンの通夜やお葬式
についても話を聞かせていただいたんです。

実は北ルソン日本人会の中で「極楽往生クラブ研究会」ってのを
作っていまして、「バギオで死んだらどうすんべ」ってことを
考えているんですけどね。
その研究調査の一環ってことなんです。

以下 昨夜の通夜の雰囲気を出しながら書いて見ます。

・・・・・・

たもつが アンナのFACEBOOKからメッセージをもらったのは
夕方であった。
彼女の義理の父 レイモンドが亡くなったとの案内である。

His wake is at Baguio. Memorial Chapel.
His internment will be june 24,

たもつはこのメッセージの意味が分からなかった。
WAKE(ウェイク)って「起きる」だよな

INTERMENTは埋葬である。 BURIAL(ブリアル)と言うことが多い。

葬式関係で WAKEってどういう意味なんだ。

二つの考えが保の頭に浮かんだ:
1. 死者が起き上がる、つまり蘇生する。
2. 親族が起きている、つまり寝ずの番をする。

考えていてもしょうがないので、辞書をひいてみると:

WAKE 通夜
Vigil  通夜 【名-1】寝ずの番、徹夜の看病、夜警、通夜
      【名-4】《vigils》《キリスト教》徹夜祭の祈り  

ウェイクの意味は「通夜」だった。
過去に何度かフィリピンで葬式に出たことはあるが、
この言葉を聞いたのは初めてだった。

保の下宿のお兄ちゃんに聞いてみると、
本来なら WAKEは通夜で、FUNERALは日本で言う告別式の
ことを指すのだが、実際にはこの二つの言葉は FUNERALという
言葉ひとつになってしまっていると言う。

保は通夜の席で 喪主であるジュンの隣に座り
フィリピン人の通夜に対するイメージを尋ねていた。

「日本には、通夜と言えば、その漢字の意味のとおりに
夜を通して死者を見守るという意味があるんです。
でも、WAKEという言い方は、二つの意味が思い浮かぶんです。
フィリピンの人たちが持っている WAKEという言葉への
イメージはどうなんですか?
死者が蘇生するということなのか、それとも親族が夜通し
起きているということなのか。」

日本の通夜については、インターネットのサイトにもいろいろと
昔からの考え方を含めて解説を探し出すことができる。

当時の人々は
「 一度肉体を離れた霊魂がまた肉体に戻ってきてくれるかもしれない 
と思い、なんらかの方法で魂を呼び戻して
蘇生させようと試みをしていました。
これを 「 魂 よ ば い 」といいます。
http://korobehashire.blog86.fc2.com/blog-entry-332.html

「神式では、死者の蘇生を願う通夜祭と、御霊を霊璽(仏式での位牌
にあたる)に移す遷霊祭が行われます。」
http://iディレクトリ.com/%E9%80%9A%E5%A4%9C%E3%80%80%E8%91%AC%E5%BC%8F/

保の質問に、ジュンは少し考えてから

「英語で WAKEというのは 別の言葉でいうと Vigil だから
その意味は 親族が寝ないで一晩中見守るということになるね。」

「日本には 死者の魂が肉体に戻って生き返るかもしれないっていう
思いがあって通夜をやるんですけど。 そう言う意味での WAKE
ってことではないんですね。」

「おお、生き返ることがあるんだねえ・・・」

保は自分自身が幼い頃に、崖から落ちて医者から「瞳孔が開いて
いるから、もうダメですね。」と死を宣告されたことがある。
伯母が「たもちゃんは こんなに小さいのにもう逝ってしまうの・・」
と言って泣いてくれたと聞いた。
いわば生き返ったようなものである。

保にはもうひとつ尋ねたいことがあった、それは遺体の防腐処理
のことだった。

「日本じゃあ 棺にドライアイスを入れて遺体を保管するんですよ。
死者が蘇るかもしれないという考えがあるからなんだと思うんです。」

「へえ~~、ドライアイスをねえ。 フィリピンは24時間以内に
EMBALMING(エンバーミング、死体防腐処理)
をしなくちゃ
いけないことになっているからね。」

・・・・・・

日本の法律ではどうなっているのかを探していたら次のサイトが見つかりました。

「なるべくおおぜいの人で死体の見張りをしようじやないかということになります。
死の確認ができるまで見ていようというわけです。これが「お通夜」です。
ですから、昔は四十八時間たたないと埋葬を許可されませんでした。
それが今では二十四時間に短縮されましたが、そのようにして死の判定を
遅らせてきた
のです。」
http://www.chimneysolutionsinc.net/hantei.html

日本では 24時間以上は見守るということですね。
だから、フィリピンの24時間以内に防腐処理をしてしまうということとは
考え方がかなり違うと言ってもいい。
だから防腐処理ではなく、ドライアイスにするのか?

・・・・・・

「防腐処理は、内臓などの腐りやすい部分を取り出して、綿などを遺体に
詰め込んで、防腐剤を注射したりするんだよ。」

ジュンは 妻のアンナに 
「日本じゃあ防腐処理じゃなくてドライアイスを使うんだってよ。」
と話しかけた。

アンナは目を丸くした。

「こちらの通夜は10日間ぐらいですね。 随分長いですね。」

「パンガシナンの親戚やら、アメリカにいる兄弟なんかが帰って
くるのに日にちが掛かるからね。 しばらくはこの斎場でこのまま
ですよ。 日本じゃあ通夜は何日ぐらいなの?」

「そうですねえ、3~4日かな。 長くて4日くらい・・・」

保は自分の父親が逝った時の葬式の記憶を引っ張り出そうとしていた。

しかし、最近の通夜事情は 当時とは少し違ってきているようだ。

「(4) 一般的には、死亡したその日のうちに納棺し(死亡が夜なら翌日)、
  通夜は第二夜というのが普通
のやり方です。
(5) 葬儀が友引きに当たる場合に、第二夜を近親者だけの通夜(仮通夜)
  に当て、第三夜を一般弔間客の通夜(本通夜)にすることもあります。
  いずれの揚合も、葬儀、告別式は通夜の翌日に行います。」
http://www.osoushiki-plaza.com/library/tejun/nagare07.html

いずれにせよ、日本の通夜は短くなる傾向があって、
フィリピンの通夜は 海外出稼ぎや移住組の家族親戚などが
葬儀に参列するために若干長くなっているのかもしれない。

「父は埋葬するんだけど、最近はフィリピンでも火葬(cremation)もあるんだよ。」

「マニラなんかだと土地が狭いから火葬が増えているそうですね。」

「特に若い人たちは火葬でも受け入れられているね。」

「でも、日本だと火葬をしても、骨がちゃんと形になっているんです
けど、フィリピンの場合は火力が強すぎてほとんどが灰になって
しまうらしいですね。」

「いやいや、そんなことはないよ。 前に親族が火葬したときは
火葬場の釜で焼いて、3~4時間後に一度見せてくれるんだけど
その時にはちゃんと骨の形を保っていて、その後に骨を砕いて灰に
している
んだよ。」

「へえ~~、最後に砕くんですか。 それは知らなかった。」

保は 亡くなった父レイモンドが、孫娘のマリアンを通じて
ジュンの白っぽいスーツを着せてくれと伝えた話が
頭を離れなかった。

「フィリピンでは亡くなった人にどんな服を着せるのか決まって
いるんですか?」

「うん、正装であればだいたい何でもいいんだけどね。
スーツとか、バロンタガログとか、女ならドレスとか・・・。
日本の場合はどうなの?」

「日本は白い着物ですね。」

保は日本のいわゆる「死に装束」を思い浮かべた。

「この世からあの世へ旅をするための 伝統的な和服ですね」

「ああ、なるほどねえ。」

ジュンとアンナは納得したようにうなづいた。

・・・・・・

「日本においては、納棺(遺体を棺に納める)前に故人に対して施される
ものであるが、多くは仏式で巡礼者または修行僧の衣装である。これは、
古くから葬儀は仏式で行われ、死者が浄土へ死出の旅または善光寺などへ
巡礼することを想定して用意されたもので、死出の旅を説かない浄土真宗
では死に装束は施されない。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E3%81%AB%E8%A3%85%E6%9D%9F

ところで、フィリピンでの葬式参加者の服なんですが、
これは全くの日常的な服です。
日本のように黒一色になることはありません。

これについては、面白い記事がありました。
日本の喪服は何故黒いのか・・・・

「その頃までの日本では死者の「死穢」(=シエ)が他人に伝染しない様
親族は白装束が正しい色でした。」

「•洋装での正式な喪服礼装は【燕尾服】ですが、今は、略礼服と呼ばれる
「ダブルかシングルの背広型」の黒の上下服になっているが、海外の人から
観ると”一種の特定団体”の様に見え”異常な姿”に感じるらしいです。
•黒色が使われたのは日露、日中戦争から第二次世界大戦にかけて戦死者
が多く出た為に頻繁に葬式が行われる事に依り洋服の汚れが目立ない様に
との配慮からとも云われています。」
http://blog.livedoor.jp/kurowasai/archives/428775.html

・・・・・・・

たもつは通夜の会場に設けられた記帳台で署名をし、その横に
備えられたドネーション・ボックスに香典を入れ、
棺に向かって念仏を唱えて Baguio Memorial Chapelの斎場を
後にした。

ちなみに、バギオ近郊での火葬場はひとつだけらしい。
バギオ市の隣町、マルコス・ハイウエイ沿いの
ベンゲット州トゥバ町にある 
Beyond The Sunset Memorial Columbary Park である。

ところで、バギオで葬式をやったらいくらかかるか・・ですけど。
ちょっと古いデータで申し訳ありませんが・・・こちらを
ご参考までに。
http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2008/11/post-78a0.html

南無阿弥陀仏・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« やっぱり死者の霊は存在する・・・バギオのお通夜での話 | トップページ | 日本語の論理(外山滋比古著)を読んでいます -その1 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フィリピンのお葬式  バギオで死んだらどうしよう?:

« やっぱり死者の霊は存在する・・・バギオのお通夜での話 | トップページ | 日本語の論理(外山滋比古著)を読んでいます -その1 »