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2013年5月11日 (土)

いよいよ フィリピン総選挙 : バギオの事情

日本からの訪問者がありまして、その訪問者の関係者である
日本人とフィリピン人の人たちと晩御飯を食べたんです。

たまたまそのフィリピン人の一人が、バギオで選挙運動中
人の兄弟で、そのいでたちも選挙応援用の衣装・・・
兄弟が国会議員に立候補したってんで、その前座を務める
タレントさんでした。

聞くところによれば、
黄色いシャツのグループは、アキノ大統領派
緑色のシャツのグループは、バギオの現体制派で、国会議員と
市長の両方を抑えている。アキノ大統領派とは当然敵対的。
赤いシャツのグループは、新しいグループだそうで、
国会議員候補しか出していないらしい。

バギオ市の候補者リストは下のサイトのとおり:

http://pinoygov.blogspot.com/2013/02/elections-2013-Local-Candidates-Baguio-City.html

地元の事情に詳しい日本人の話では、

黄色派は  (LP) (LIBERAL PARTY)中国系フィリピン人のお金持ちで、バギオ市からは離れたパンガシナンあたりの出身らしい。ちなみに、この国会議員候補は、私の元職場のフィリピン法人の人事部長だった人。 お互いに良く知っています。

緑色派は、 (UNA) (UNITED NATIONALIST ALLIANCE)国会議員候補は隣の州の出身だそうで、市長時代はあまり評判は良くなかったらしいが、 人気のある山岳民族出身の市長と昔から組んで出馬しているので強いらしい。

赤色派は、新しいグループながら、山岳民族出身なので、
国会議員候補として、かなり健闘、接戦をしているとのこと。

うちの大家さん家族から市議会議員候補として出ているのは、緑色派でして、日本人会などでもお世話になっているのは この緑色派なんですねえ。

つまり、バギオ市の選挙戦は、
中国系大統領派、 山岳民族系反大統領派、そして
山岳民族系新グループ派、
の3つの戦いであるらしい。

裏情報としては、山岳民族出身の現市長は 隣の州出身の
現国会議員と組んではいるが、本当は山岳民族系新グループと 
組みたいとの噂。 しかし、今までの付き合いもあり、山岳民族
出身の国会議員候補と いきなり組むというのは出来ずにいるの
ではないかと言う。

ところで、赤組の応援団であるタレントの話では、
あやふやな返事だったけれども、バギオの総人口30万人以上の
中で、有権者はおよそ8~9万人だそうな。
そして、投票率はいつも大体 7割~8割だとの話。

「バギオの周辺の選挙運動は お祭りだからねえ~~。楽しいよ。」
とのこと。

「毎日何時まで選挙運動をやっているんですか?」

「昼ごろから 夜中の12時までだね。」

日本のように、夕方の家族の団らんを邪魔してはいけないという
ような時間制限はなさそうです。

それに、日本人のお宅の周辺では、早朝5時ごろから、
断末魔の豚の悲鳴
が2回聞こえたそうな。

はい、そうです。 選挙運動の犠牲にされた豚ちゃんだったんですね。
まさに犠牲・・・儀式のいけにえですね。

「どこの州がピストルをぶっぱなしたりして危ないの?」

ルソン島の北部で危ないのは アブラ州。 それから、パンガシナン州
や隣のラ・ウニオン州かな・・・」

「バギオ周辺は大丈夫?」

バギオは 安全。 選挙戦もとっても平和だからね。」

とのことでした。

ちょっと酒の席での情報を確認しようとインターネットでチェックしてみましたところ:

The province of Benguet has the highest voters with 197,031 which is followed by Abra with 155,643 voters. Third in rank is Baguio City with 146,230 voters

http://www.sunstar.com.ph/baguio/local-news/2013/03/26/comelec-counts-close-1m-voters-car-274772

要するに、北部ルソンの山岳地帯の選挙人の数は、一番多いのはベンゲット州の197,031人、二番目がアブラ州の 155,643人、そして三番目にバギオ市の 146,230人となっていますね。

WITH barely 57 square kilometers in land area, the Baguio City’s population has ballooned to 318,676 residents.

http://www.sunstar.com.ph/baguio/local-news/2012/07/13/growing-population-threatens-baguio-231733

バギオ市の人口は、2012年の新聞では、318,6676人となっていますから、ほぼ半分くらいの人たちが選挙権を持っているってことですね。

・・・さてさて、泣いても笑っても、あと二日。
5月13日の月曜日は投票日です。

026

投票日の前日12日と 当日の13日には、酒の販売が禁止になっています。

酒屋さんも閉店です。

元々は 5日間販売禁止だったルールが、直前になって2日間だけに変更になりました。 写真にある貼り紙でも 修正した痕がありありですね。

私の下宿には、ビールが5缶置きっぱなしになっています。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2013年5月 9日 (木)

アメリカの国益が損なわれる可能性があり、・・・・

「安倍総理大臣は日米同盟の力強い支持者ではあるが、一方で、歴史問題への対応しだいではアメリカの国益が損なわれる可能性があり、安倍政権が外交面でうまくかじ取りをやっていけるかが問われている」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130509/k10014445871000.html

NHKニュースで、上のようなものを見ました。

「アメリカの国益が損なわれる」 というところがポイントですね。

孫崎亨さんの本を二冊読み終わったところで、このニュースを聞くと、安部首相はアメリカによって首を飛ばされるのかな・・・という空気になっているってことになります。

これが今日のニュースで、

昨日だったかな、時事公論でこんなことをやっていました。

014

ご覧のとおりで、日本は外交的に孤立しつつあるとの論評です。

威勢良い言葉を連発する人が、日本を孤立に追いやっているのか・・・

015

韓国は 日本の半分以下の人口、そしてGDPは 1兆1,510億ドル(15位)で 3位日本の5分の1くらいなのに、 日本は アメリカを介してしか 外交が出来ない状態になってしまっている。

米国は露骨に自己の利益をごり押しするようになり、それを
黙って受け入れる相手国の首相が必要になってきたのです。

・・・結局宮沢首相は・・・総辞職しています。」

http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2013/04/post-f67a.html

もしかして、安部首相も アメリカによって首を飛ばされるのでしょうか。

米国追随の外交で、頼りっきりの安部政権が、つまらぬ自己主張で墓穴を掘るのかどうか。

現実を見据えた本物の自主外交とはなんなのか・・・

今夜のNHKニュースでは、韓国のロビー活動は 日本の5倍ものお金をかけてアメリカの議員に攻勢をかけているとか。

それに、韓国の朴 槿惠(パク・クネ)大統領の米国議会でのスピーチも立派なもんでしたね。

英語力は侮れませんよ・・・皆さん。

日本の国会議員は少なくとも今からは海外留学が必須ですね。

ちなみに、朴大統領は、西江大学電子工学科に進学し中国語も専攻、首席で卒業後、フランスのグルノーブル大学に留学した、そうです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E6%A7%BF%E6%81%B5

ってことは、中国語、フランス語、そして英語はあたりまえ、ってことかな?

フランス留学は母親が殺害されたので帰国したとありますが・・・

日本も女性首相にした方がいいんじゃないの??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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孫崎亨著 「これから世界は・・」を読む-27ー 最終回です

ちくま新書 孫崎亨著 
「これから世界はどうなるか」ー米国衰退と日本ー を読んでいます。

p243

終章 これまで述べてきたことを総括したいと思います

米国の一極支配が終わろうとしています。
・・・経済データを見れば、米国の地位は明らかに落ちています
・・中国の地位の向上が顕著です。

日本国内での議論・・・
「依然、米国の世界の覇者としての地位は続く。
日本の行くべき道はこのアメリカと緊密な関係を続けることだ」
という考えが主流です。

「アメリカ衰退後の世界はどうなるか」」という議論が真剣には
なされていません。

==>> アメリカでは既になされている議論であるのに、
日本ではアメリカに追随するあまり、日本独自の情報を集めたり
分析したり議論したりというのがないのは、恐ろしい限りです。

p244
中国の経済力が米国を追い抜くことは、世界では自明のこと・・・
・・中国の人口は米国の4倍である・・・

軍事力でも中国が米国に追いつくと考えるのが妥当です。

米中間では安全保障の戦略対話が始まっています

米国とロシア、米国と中国の間で核兵器をお互いい使わない
ことに合意します。
従って、これらの国の間では覇権をめぐって、直接的な軍事力で
争うことはありません。

p246
米国は依然世界を「民主主義国家」「市場経済」に変革することが
自分たちの使命であると
考えています。

中国は、民主主義国家ではありませんから、米国が意図する
民主化の対象です。

p247
中国が、共和国の一部と思っている地域に対する軍事行動は
あると思います。
 しかし、米国と異なり、自国周辺とは
言えない国に軍事行動をとることはまずないでしょう。

米国が世界で行っていることは、「人民の同権及び自決の
原則の尊重・・・」という国連憲章を、まさに踏みにじった
ものです。
 重要なことは、いかに軍事紛争を未然に防ぐかです。

米国という超大国が衰退する中、国連憲章の原則を確認することが
もっとも平和に近づく術だと思います。

==>> はい、私も賛成です。
「いかに軍事紛争を未然に防ぐか」を第一として、日本の外交を
やってもらいたい。
威勢の良い個人的な主張を日本の指導者がうかつにやることで、
東アジアでの孤立を招くようなことはやめて欲しい。
指導者同士の信頼感を繋ぐことを国民の為にやることが
問題解決を託された指導者のやるべき仕事だと思うからです。

世界の中の経済大国3位の日本が、お隣の国とも仲良くできずに、
世界第1位のアメリカに、対中、対韓との関係悪化で 虎の威を借りた
キツネみたいな態度をとっていることを悔しく思います。
もっと大所高所から世界を見る、品格のある日本にして欲しいんです。

最近は、どうも虎さんが迷惑顔になっていますしねえ。

p248
世界の平和を考える上で参考になるのは独仏関係です。
ドイツとフランスは第一次世界大戦と第二次世界大戦を戦った。
・・・重要なことは、第二次世界大戦後、両国は意識的に相互
依存関係をつくりました。 
・・・欧州連合(EU)に発展
させました。

ASEAN・・・・
東南アジアは宗教が異なる・・・政治体制が異なる・・・過去の
宗主国などが違う・・にもかかわらず、地域協力を構築
し、
国家間の軍事紛争を見事に軽減しました。
さらに中南米でも地域協力が進んでいます。

===>> 昔、日本は「大東亜」なんてことを言って失敗しました。
しかし、今や、別の意味で、近隣諸国との様々な分野での関係を
深めて、紛争が起きると損をするという相互依存関係を強固なものに
する必要があるってことですね。

戦争をするには、お金をだしてくれる、戦争で儲けるグループが
必要なわけですからね。 みんなが戦争で損をする構造をつくれば
戦争をやろうなんてことは言わないでしょう。

p249
米国は依然としてイランに対する武力行使の機会を探っていますが
国際的支持を得ない単独行動の実施が阻止されれば、世界の安定度
が高まる可能性が高いでしょう。

平和を求めるグループは相手国の平和を求めるグループと
連携を図る努力をしなければなりません。

これができないと、通常、タカ派的グループに押し切られます。

===>> 読み終わりました。
これは、実によく整理された、良い本だと思います。

この本は著者本人が「独自外交派」だと言っていますし、
どうも右派の人たちからは完全に左派だと思われているようですから、
この次は 右派の人たちが 右派の論客だと思っている人の
理路整然とした本を読んでみたいですね。

どなたか良い「右派の理論」の本があったら教えてください。

右派の論客が書いた国際政治の本を よろしくお願いします。

== 完 ==

その1へ戻る場合はこちらへどうぞ・・・>

http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2013/04/post-0ded.html

 

 

 

 

 

 

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2013年5月 8日 (水)

フィリピンの教育革命 - Dynamic Learning Program は教科書を使わない,宿題もない、のに 成績が急上昇

NHKのテレビでフィリピンの教育のことをやっていたので
たまたま見てみたら、これが凄いんです。
http://partners.smart.com.ph/dlp

003a_2

フィリピンの教育は、難題が山積み状態:

ダイナミック・ラーニング・プログラムのサイトで探し出した、
こちらの動画での説明を読むと、こんなことが書いてあります:
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=nBJNKY32lvI

1. 教室に生徒が詰め込まれている。
   NHKの番組では、確か1クラス60名と言っていたと思います。
   そして、学校は二部制で、午前の部は朝5時からだったかな・・
   毎年100万人、子供が増え続けているらしい。

004

2. 正規の先生の数が足りない

005

3. 教材、備品、本が 足りない

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4. 標準テストでの成績が悪い生徒を作り出している。
   (特に数学と科学)

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5. 学校の予算が足りない。

008

これらの、ないないづくしのフィリピンで、画期的な教育のやり方が
じわじわ広がっている。

それが Dynamic Learning Program なんですね。

「教える」プログラムじゃなくて、「学ぶ」プログラム Learning
Program なんですね。

アジアのノーベル賞と呼ばれている マグサイサイ賞を受賞した
ご夫妻によって考案されたものだそうです。

2010 Magsaysay Award to the couple Christopher Bernido and
Ma. Victoria Carpio-Bernido
http://likas-philippines.org/ang-pilipinas-ngayon/features/ako-ay-pilipino/244-christopher-and-ma-victoria-bernido-won-the-2010-magsaysay-award.html

「ないないづくし」のフィリピンの社会経済的条件の中で、
これこそフィリピンに最適な学び方であるということのようです。

そしてその特徴は:

1. 低予算ながら効果絶大
2. 歩みの遅い生徒にも速い生徒にも適した学び方
3. どんな教室のサイズ・生徒数にも採用できる
4. 学業成績の向上が見込める
   数学、工学、技術、科学の分野

さて、このDLPがどのようなものかと言いますと:

1. 従来の教育は教師主体の教育であった。
   授業の80%は教師の講義である。
   生徒の活動は20%だけ。

2. DLPは、80%が生徒による活動になる。
   先生の講義は20%だけ。
   プロセス重視の学習になる。

3. DLPは、生徒が動いて学ぶ。

4. 「しゃべる」よりも「やる」ことを重視

5. コンセプトをマスターする。

   
6. 難しい問題に 頭脳を使う。

7. 午前中は 数学と科学の時間。

8. 頭脳をあまり使わない科目

9. 午後の授業は、国語、英語、人文社会科学

では、どのように運営していくかっていいますと:

10. 熟練した教師は 3つのクラスを同時に
    扱うことが出来る。

    (この場合は教師1名、世話役2名の組)

11. 生徒は自分で学ぶ

12. ファシリテーター(世話役)が他の2クラスの面倒を見る。

13. 生徒は黒板に書かれていることをすべてノートに書き写す。
    しっかり記憶・保管される。

14. 活動を基礎にした複数の分野に渡る学習である。

15. 事前の講義はなく、生徒は活動を行う。
    批判的思考法を開発する

16. 生徒は学校の中だけで活動する。
    親の手助けはいらない。
    生徒が責任を持つ。

17. 水曜日は体育の日
    頭を休ませる。

18. 週に四日だけアカデミックな勉強をする。

19. 宿題はない。

20. 家族との時間を大切にする。

21. 家庭では頭を休めて、脳の開発に備える

それで、このDLPを実施したら、どうなったのかっていうと。

22. DLPを導入後、ハイスクール卒業生のおよそ10%が
    UPCATに合格した。

ちなみに、UPCATというのは、UP College Admission Test (UPCAT)
のことでして、日本だったら東京大学に相当するフィリピン大学への
入学資格試験であるようです。
http://upcat.up.edu.ph/htmls/aboutupcat.html

23. フィリピン教育省が実施している数学の試験では、
    90点以上の得点を取った生徒が、

    2001年度  1.5%
    2007年度 12.3
    2008年度 14.7
    2009年度 18.3
    2010年度 51.0

24. フィリピンの共通学力試験である NSATとNCAE
    成績の分布が向上した。

    2001年度  成績の悪い生徒が多かった。
    2006年度  成績が平均的なレベルになった。
    2009年度  成績が上位のレベルになった。
    2010年度  上位レベルの生徒が増加。

ところで、NSATとNCAEというのは、
NSAT = NATIONAL STUDENT ASSESSMENT TEST
NCAE = NATIONAL COLLEGE ASSESSMENT
の省略形です。

25. このDLPを実施するためには、教師の中での、チームワークと
    プロフェッショナルとしての力量が試される
ことになります。

26. そのことによって、高い技能、高い能力のある、世界でも
    競争力を発揮できる卒業生を送り出すことができるのです。

27. そして、より多くのフィリピン人の生活を向上させることができます

このプログラムの凄いところは、
結果がきちんと出ているということはともかくも、
フィリピンの教育の現状を踏まえて、その現状に合った対策を
実施可能なやり方で克服しようとしていることだと思います。

「これがないから出来ない。 あれが無いから出来ない。」
と言うのではなく、現状を踏まえながら、発想を大胆に変えることで、
それも脳の働きを科学的に考察したうえで、詰め込み主義とは逆の
やり方、勉強をしたいという子供本来の能力を開花させている
ところが凄いと思います。

少子化の日本、ゆとり教育が失敗したと言われている日本、
本、備品、先生、予算などは潤沢にある日本。
そういう日本が未だに詰め込み主義の画一主義から抜け出せないで、
集団主義的発想を変えられないというのは皮肉としかいいようがありませんね。

学校が足りない、午前・午後の二部制にしても教室が足りないフィリピンで、
このような個人を大切にした、家族の時間を大切にした、教科書も
宿題もない教育が 
素晴らしい成果をあげていることを
日本の教育界は学ぶ必要があるのではないでしょうか。

フィリピンのこの自由な発想が、日本に追いつき、追い越すだろう
未来を想像させてくれます。

youtubeにもありましたので、是非動画でご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=cmYljCepS-8

 

 

 

 

 

 

 

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孫崎亨著 「これから世界は・・」を読む-26ー 米はイランと和平をする気がない

 
 
 

ちくま新書 孫崎亨著 
「これから世界はどうなるか」ー米国衰退と日本ー を読んでいます。

p239
相手の国の和平の声をお互いに聞き合い、成功したケースがあります。
中ソ国境紛争時の周恩来首相とアレクセーイ・コスイギン首相の
対話です。

中ソ双方の軍隊同士が衝突し、数十名が死亡・・・
双方が40万以上の軍隊に戦闘準備につかせます。

この事件は明らかに、紛争で自分の地位向上を図る中国の
林彪国防相により引き起こされています。

・・・中国国民は扇動され、何千万人という単位でソ連に対する
デモを行っています。

北京飛行場にて周恩来とコスイギンが会談し、両者の合意で
対立が沈静化しました。

==>> なるほど。 要するに国の指導者次第で 国民同士が
殺し合いをするかしないかが決められてしまうってことですね。
それを煽る指導者と沈静化に走る指導者がいる。
日本の今の指導者はどちらなんでしょうか・・・・

p240
1979年・・・・イランは国民投票でイスラム共和国の樹立
宣言。 ・・・イラン革命です。
・・・1997年・・・厳しいイスラム統治に反発したイラン
国民は穏健派のハタミ大統領を選びます。

p241
なぜ、米国はハタミ大統領と関係を持たないのか
イスラム社会の穏健派を育成するのは米国の国益に合致すること
ではないか」

「米国の中東政策は一つの特定グループに牛耳られている
もし・・・米・イラン関係が修復したらどうなるか。
米国の企業が進出する。 彼等は中東政策の新たな圧力団体と
なる。 ・・・特定グループには望ましいことではない。
だから、彼等は米・イラン間の関係修復の芽を摘み取るのです。」

==>> げげげ・・・・
アメリカは関係改善を望んでいない・・・できないってことじゃないですか。
ひどい話ですね。 イスラエルの肩を持つ立場を絶対崩せない。
・・・それが原因になって、今のような過激なイランになってしまった。
アメリカがそのように仕向けてしまったということですね。
それを日本人は遠くでみながら、イスラムのイランは恐ろしいとか
なんとかそういう意識になるように洗脳されているってことに
なりますね。 バカバカしい。

つまりは、どこの国の国会議員も自分の身の可愛さに負けている。

その前に、和平を求める議員を 国民が選べないようにしている力があるってことですね。

やっと、読み終わりました。
残るは、「これまで述べてきたことを総括したいと思います」
の終章だけです。

ところで、5月8日にこんなニュースがありました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130508/k10014441731000.html

「中国の李克強首相は、イスラエルのネタニヤフ首相を北京に招いて会談し、国力の増大を背景に中東和平に積極的に関与していく姿勢を打ち出すねらいがあるものとみられます。」

中国が石油資源を求めて中東との関係を深める一方で、イスラエル・ロビーに牛耳られてきたアメリカはどんな動きをしていくのでしょうね。

興味深い世界の情勢になりそうです。

=27=に続く

 

 

 

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2013年5月 6日 (月)

孫崎亨著 「これから世界は・・」を読む-25ー 尖閣諸島: 人々は戦いを行うのに容易に意見の一致を見る

 
 

ちくま新書 孫崎亨著 
「これから世界はどうなるか」ー米国衰退と日本ー を読んでいます。

p235
中国を見てみたいと思います。
具体例として、尖閣諸島に対する対応です。

鄧小平・・
「このような問題については今詰めない方がよい。”平和条約”
の精神で何年か脇においても構わない。何十年たっても、
この問題が解決されなければ友好的に付き合いができないという
わけではない」

江沢民総書記時代・・・
「台湾及びその魚釣島を含む付属諸島は中華人民共和国に属する
島嶼である」と明文化

軍幹部の主張・・・
「”論争は棚上げできるが、主権は棚上げできない。・・」

温家宝首相・・・
「中国の核心的利益と重大な関心を尊重することが大事だ」

p236
「・・・中国指導部は・・・尖閣諸島の領有権問題について、
どうしてもやむを得ない事態に至らない限り武力による
”決戦”は絶対に避けるべきだとの認識で一致した・・」

発言者の力関係やタイミングによって、国際社会は平和になる
可能性もあれば、紛争に突入する可能性もあるということです。

==>> 日中双方に立派な指導者が、発言力のある人が
現れて、頭の良さを発揮してもらいたいですね。
問題解決能力に秀でた人たちが政治家になっているはずですし、
戦争なら愚人にでも誰にでも出来るわけですから。

国民は愚人に政治を任せたつもりはないですからねえ。

p237
カナダのピアソン元首相・・・
残念ながら人々は戦いを行うのに容易に意見の一致を見、
平和を求めるのに、意見の一致が難しい傾向がある。

普段は平和的な人間が集団的感情の高ぶりの下で野蛮になる。
我々はなぜこのような現象が生じるのかを知らなければ
ならない。

==>> 素晴らしいカナダの首相の言葉ですね。
実に哲学的だと思います。 
どこかの国の煽り立てるような言葉ではない。
どこかの国の大マスコミのような無責任な態度でもない。
人間という存在をしっかりと見つめた、指導者にふさわしい言葉
だと思います。

ちなみに、カナダという国は、アメリカの隣国でありながら、
伝統的にアメリカからは自立した独自外交の国だそうです。
アメリカを諌める能力を持っているということでしょう。
そういう国はリスペクトされる国だと思います。

p238
ピアソンは、どの社会でも二つの音色を出せるのだということを
述べています。 ・・・戦闘機の操縦士に訴えても、
何ら効果はありません。 クリスマスキャロルを流すラジオ局を
認識し、それと手をつなぐ必要がある
と思います。

実は、タカ派とタカ派のタカータカ連合は容易なのです。
一方の当事者が激しい言動をとれば、他方の当事者が激しい対応
をします。
お互いにどんどんエスカレートします。
その時にキーマンを見つけ出し、お互いの利益になる解決方法
を探るのです。

一方、ハト派とハト派の ハトーハト連合は容易ではありません
状況が先鋭化してくると、外部から相手国のハト派グループは
容易に見つかりません。
ハト派の立場は危ういのです。

==>> ふ~~ん、なるほどねえ。
それで、今の安倍政権はエスカレートさせるような戦略を
とっているってことなんですかね?
その為に煽っているということなら戦略としてありなんで
しょうけど、その為に愚民が暴走し出すと大変なことに
なるという危険性もあるんじゃないですかね?
軍人は冷静な判断をするように教育されているそうですけど・・・
日本の政治家は、ころころ主張を変えたりしますからねえ~、
まるで私みたいに・・・(笑)

ー26-に続く

 

 

 

 

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孫崎亨著 「これから世界は・・」を読む-24ー 紛争は指導者に左右される

  
 
 

ちくま新書 孫崎亨著 
「これから世界はどうなるか」ー米国衰退と日本ー を読んでいます。

p230
2012年のG8諸国のGDPは・・・
米国15.6兆ドル、 日本6.0、独3.5、 仏2.7、
英2.5、伊2.1、露2.0、加1.0、
経済面で、ロシアはイタリア、カナダ並みです。

(ロシアは)核兵器の分野では米国と並んで大国。

通常兵器は、GDPと関連します。

「ロシアはNATOの脅威ではない」

ロシアは常任理事国として、発言力を維持します。
でもそれは・・・・せいぜい、「ある流れ」をとめるのにだけ
有効な力でしょう。

p231
国際政治はシステム等の構成要因も多いですが、結局は
決定に携わる人次第で、平和にも紛争にもなり得ます。

指導者が誰で、どのような考えを持っているかによって、
結果が左右するケースが多いのも現実です。

特定の政策を志向するグループは、自分たちに都合のいい情報を
流します。・・・彼に影響力を与えるグループは誰なのか・・・
私たちが、それをしっかり見極める力をつけられるかが、
これからの世界を左右します。

p232
米国を見ますと、対外政策の決定に大きな影響力を持つグループ
に金融・経済界、軍産複合体、イスラエル・ロビー、宗教右派・・
などがあります。

対中国政策では、中国との連携を推進する金融・経済界と
中国と対決して対中包囲網をつくろうとする軍産複合体が
存在します。

===>> この本のいいところは、左右さまざまの情報、
力関係を全体として俯瞰して見せているところじゃないでしょうか。
著者本人が自分は自主外交派であることを宣言しながらも、
かなり客観的(と思える)筋立てで解説しているところは
納得づくで読んでいけますね。

日本の、せめて高校生レベルの授業で、国際政治のこのような
内容を是非教えて欲しいもんだと思います。
政府がひとつの政治的意図をもって考え方を押し付ける教育では
なく、一人一人の学生が国際問題を解決するという視点で
自分の考えをさまざまに冷静に議論できるように、考える力を
つけるような教育をしてほしいと思います。

今生きている政治家はすぐに年老いて、政治の舞台からいなく
なってしまうんですから、次代を担う若い人たちには
より良い国際関係を築いていって欲しい。 その為の冷静な
分析力と議論する力と判断する力を持ってほしい。
そして、その前に、隣人としっかり話し合える関係も作って
欲しいなあと思います。

p233
北朝鮮においても平和を志向するグループと、軍事優先のグループ
と存在します。 軍事優先の考え方と対照的に、経済発展を
志向するグループもいます。

中国は朝鮮半島の軍事的混乱を望んでいないとみられます。

・・・さて、次回はいよいよ 尖閣列島の問題が出て来ます。

ー25-に続く

 

 

 

 

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2013年5月 5日 (日)

孫崎亨著 「これから世界は・・」を読む-23ー 3%のアメリカ国民が世界を動かしているのか?

  
 
 

ちくま新書 孫崎亨著 
「これから世界はどうなるか」ー米国衰退と日本ー を読んでいます。

p215
パレスチナ問題は、ほぼすべての中東の政治問題に影響を与えています。

パレスチナ問題はとても複雑です。

p216
イスラエルがどうして入植地の拡大をめざすのか、
どうしてパレスチナの人々にここまで強硬姿勢を続けるのか、
私たちにはなかなか理解できません。

イスラエルは、「軍事力で敵を潰す」政策を一貫してとっています。
ハマスとヒズボラが主な対象です。
・・支援国にも厳しい対応を取ります。 特にイランとシリアです。

p217
イスラエル承認を拒否するハマスやヒズボラがパレスチナで力を
持っている上、入植地をオスロ合意以上に拡大したい意向がある・・

p218
イスラエル情報機関モサドの前長官エフライム・ハレヴィは・・・
ハマスは単なるテロ組織ではなく、民衆の福祉を考えている
責任ある政治集団だと評価した上で、「ヒズボラ、ハマスと連携
出来れば、イスラム世界の内なる脅威に対抗するという点で
非常に大きな役割を果たすことができるだろう」と主張しています。

米国にAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)という
団体があります。 大統領や、議会に対する圧力団体としては、
全米一とも言われます。

p220
どうして、米国では「尻尾(イスラエル)が犬(米国)を振り回す
現象ができたのでしょうか。 ・・・米国国内では・・・この問題に
言及することはほとんどタブー
です。

イスラエルに敵対的である者に対しては、AIPACがその政敵に対する
献金をさせないという命令を確実に行う。

p221
ユダヤ系市民は全体の3%未満・・・民主党の大統領候補は
選挙資金の60%をユダヤ系支援者から得ていると推計・・・

===>> そうでしたか。 アメリカ政府は3%の国民によって
牛耳られているわけですか。 金の力で・・・
ということは、当然、同盟国日本はその影響下にあるってことですね。

p223
原子力の平和利用はすべての国が権利として持っています。
他方、イランが行っているウラン濃縮のための遠心分離器の開発は、
平和利用だけでは説明がつきません。

「2003年、新たな作戦計画・・・危機時、先制核攻撃を想定
している。 北朝鮮、イラン、シリア等が対象である。・・・」

p225
なぜ・・・イランの保有を絶対に阻止しようとしているのでしょうか。
インド・パキスタンが核兵器を持った時とどこが違うのでしょうか。
それはパレスチナ問題と密接に関係しています。

イスラエルは中東諸国に対して軍事的に優位を持つ必要があるのです。

p228
イランが報復措置としてあげているのはホルムズ海峡封鎖です。
・・・世界経済は致命的な大混乱に陥ります。

p229
今日米国の中東原油への依存は大幅に減少しています。

==>> 中東問題は複雑で分かりにくいと専門家が言っているんです
から、素人には分かりようもありませんが、少なくともオスロ合意に
立ち戻れば一定の和平の可能性があることは分かりました。

しかし、結局のところ、アメリカの3%の国民が金の力で
中東問題を複雑化させているってことのようです。

この本を読んでいると、イスラエルはイランに対して核攻撃を
やりそうな雰囲気ですね。

ー24-に続く

 

 

 

 

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NHK まるごと知りたい!「憧れのパリ・・・」 さすがフランスは個人主義?

たまたま、NHK あこがれのパリ アパルトマン・ライフ ってのも見たんです。
http://www4.nhk.or.jp/atoz/x/2013-04-27/10/30889/

外出する時だったんで、ちょっとしか見られなかったんですけどね、
なかなか面白い番組でした。

日本の教育とフランスの教育、子育ての大きなギャップのお話。

3歳の子供に哲学を教えているって言うんですよ。
それも先生は大学教授なんですねえ。
どんな授業かっていうと、人物のいろんな顔の表情の映像をみせて、
どういう感情を表していると思うかを子供に聞くんです。

怒っているとか、嬉しいと思っているとか、悲しいだとか・・・

ゲストの俳優のコメントは、演劇俳優の訓練にも似ている勉強だとか

そして、フランスの親子が映画鑑賞などをすると、必ず親が子供に
その映画を観てどう思ったかを聞くのだそうです。

「面白かった」みたいなことだけを言うと、「それだけか」と
言って、もっと自分が感じたことを口に出して表現することを
親が求めるのだそうです。

さらに、フランスでは、1歳にもなると、両親から離されて
一人で寝るように躾けられ、子供だけで部屋で過ごすように、
なんと子供部屋には専用のトイレやお風呂があるんだとか。
ちょっと信じがたい話ではありましたが、いかに子供の時から
一人の個人として扱われているのかということを垣間見せる
内容になっていました。

・・う~~ん、さすがに哲学者の国ですね。
日本はお上の言う事に黙って従うような教育をやってますからねえ。
詰め込みはやるけど、自己表現や自分で考えるという訓練を
やろうとはしない。議論をしようとはしない。
集団主義日本の対極にあるのがフランスなのかも・・・。

エディット・ピアフ、本当に哀愁のある、味のある声ですねえ。
http://www.youtube.com/watch?v=rOSbWsgJ3X4

日本では「愛の讃歌」とされているけれど、フランス語の意味は
そんな甘いもんじゃありませんよ、とのことです。
愛とはいかに苦しい、切ないものかということを歌っていると・・・

「両親は経済的に貧しく幼いエディットを養う経済的な余裕がなかったため、
まもなく母方の祖母の元に短期間預けられた。しかし彼女はエディットを
忌み嫌い育児そのものを拒否したため、ほどなく父親はエディットを、
ノルマンディーで売春宿を営んでいた自らの母親の元に連れて行った。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%95

だから、エディット・ピアフは、売春婦たちによって育てられたのだそうです。

「彼女は16歳で御用聞きの少年、ルイ・デュポンと恋に落ちまもなく子供を
産んでいる。生まれた女の赤ん坊はマルセルと命名されたが、2年後に
小児性髄膜炎でこの世を去った。」

2歳の子を亡くした。 このことが彼女の歌に深い哀愁と心に訴える
ものを宿らせたのではないか・・・との評のようです。

そして、パリのルーブル美術館の話も出てきたんですけどね。
外出するところだったんで、最後までは見られなかったんですけど、
なんと、ルーブル美術館のカフェの映像の中に、各テーブルに灰皿が
並んでいる映像だったんです。

へえ~~、っと思いました。
あのルーブル美術館の中ですよ。 そのカフェのテーブルに灰皿が
載せてある。
アメリカはもちろん、日本でも、さらにはフィリピンでも愛煙家には
住みにくい、それも公共の場で・・・・

今日のニュースをみたら、こんな記事もある時代ですよ。

「喫煙者は採用しない」企業広がる 製薬会社に書店、靴店…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130504-00000000-jct-bus_all

それなのに、それなのに、ルーブル美術館でたばこが吸える。。。。

信じられない光景でした。

もっとも、なが~~いベランダみたいなところにある半屋外のような
カフェではあるんですけどね。

フランスの喫煙事情はどうなんでしょうね?

ありました、フランスの喫煙事情・・・・

「フランスの人々は個人主義だったり利己主義だったり自分勝手
だったり(?)するが筋は通っている。」
http://blogs.yahoo.co.jp/tmscfamille/4255347.html

だとすると、あの映像の中のルーブル美術館のカフェの、あの灰皿は
なんだったのか・・・・

 

 

 

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