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2014年4月 9日 (水)

フィリピンの歴史教科書から学ぶ- 22-23 第8回目の授業 バギオ心霊療法の真偽

 

 

 

HISTORY OF THE REPUBLIC OF THE PHILIPPINES

WRITTEN BY GREGORIO F. ZAIDE

フィリピンで極一般的に使われている歴史教科書を 元大学教授で

歴史の教鞭をとっていたRolando氏に教えていただきながら、雑談をして

います・・・

 

 

教授への質問に答えてもらった内容など・・・

 

 

シリーズ22の授業

 

p69

 

― 宗教

 

  古代のフィリピン人の宗教は非キリスト教(無宗教、多神教)と

  書いてあるが、PAGANとはどのような意味か?

  (辞書によれば、異教徒、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教徒以外

   の多少なりともいかがわしと考えられる宗教の信徒を指す.

   多神教徒、汎神教徒、無神論者など)

 

PAGANとは自然宗教のようなものの信者を言う.

無宗教の場合は ATHEISTと言う. (辞書では、無神論者、不信心者)

タガログ語では、Bathala, Diyos, Pangnoonなどと言う

 

スペイン時代の前には、毎朝・毎夕、太陽を拝む慣習があった

今は、日本人のように初日の出を拝むようなこともない

 

 

― FAITH HEALER フェイス・ヒーラーや HILOT ヒロットなどは

  宗教との関連では、どのように位置づけられているのか?

 

FAITH HEALERは、元々、スペイン時代のキリスト教の信仰を元に

現れた信仰心を前提に病を癒す行為である

フィリピンの伝統的なものではない.

ヒロットとも別ものである.

 

 

HILOT、今現在は、政府にも認められた伝統的助産婦の仕事で

ヒロットとよばれる伝統的なマッサージをする仕事であるが

元々は、フィリピンの伝統的な特殊な能力を神から与えられた者

の意味であった.

 

教授が小さい子供だった頃に、母親の伯母さんがヒロットであって、

その伯母さんの知人の女性が、ある大木を守っていた霊能者のような

女性であった.

ある日、その霊能者が伯母さんに「XXXちゃんが病気だから

行ってあげなさい」と言うので、やって来たら、本当にその

XXXちゃんが高熱を出していて、ヒロットの伯母さんはそれを

治してあげたそうだ・・・そのXXXちゃんというのは教授のことだった.

 

昔の本物のHILOTは、治療をしても、お金を取るようなことはなかった.

お金を取ると、その神から与えられた能力がなくなるという話.

だから、お金ではなく、食事などでお礼をしていた.

 

 

MANGGAGAMOT (マンガガモット)とは、伝統的な薬剤師

ことである・・・

この言葉は 「薬を与える人」という意味である.

フィリピンの様々な植物を使って、薬として使う人である.

中国の漢方とは別物であって、効果はある程度民間治療として

認められているが、政府機関のBFAD 食品・薬品局には

公式には認められていない.

尚、BFADは 漢方も正式の医薬品としては認めていない.

従って、フィリピンの薬局には漢方薬は売っていない.

しかし、マニラのキアポ教会の近くの店には売っている.

また、バギオ市でも一部の店で売っている.

 

 

― MEDIUM 霊媒師のような人はどのような位置づけなのか・・・

 

亡くなった人、先祖の霊などと話ができる人のことは

ESPIRITISTAと呼ばれているが、スペイン時代は霊媒師のような

行為は認められていなかったので、牢屋に入れられていた.

 

 

=== バギオ市は心霊治療で有名だが、どんな人が有名なのか?

 

心霊治療を施す人たちは、FAITH HEALERと呼ばれているが、

本物は少なく、FAKE HEALER(偽物ヒーラー)などと揶揄される.

 

バギオ市で本物の心霊治療者・施術者とされていたのは、

1950年代の AGPAOAという人で、バギオのドミニカン・ヒルに

あった ディプロマット・ホテルで治療をやっていた.

アメリカやドイツなどから多くの患者がやって来た.

 

そのアシスタントが4名いたが、その中の一人がジュン・ラボ

あり、その後4名がそれぞれ独立して治療をしていたが、

これら4名は FAKE HEALERと噂されていた.

ジュン・ラボは一時期 バギオ市長もなった人物であるが、

ロシアで「いんちき治療を行った」として収監されたことがある.

 

 

 

 

 

p69

 

― 埋葬と喪

  古代エジプトのように、防腐処理をされて、奴隷なども一緒に

  埋葬したとあるが、 現在の埋葬の仕方はどうなのか?

 

奴隷なども一緒に埋葬というのは、そのような発掘の証拠がない

ので、信じられない.

 

現在の防腐処理は、例えば正午に死んだ場合は、6~8時間後

には、EMBALMING防腐処理が施される.

 

ENは塗る、BALMは油のことであるので、オイルを塗るという意味.

これが防腐処理ということになった.

 

タイガー・バームのBALMも同じオイルのこと.

 

葬式には、クライヤー CRIERという仕事がある.

いわゆる「泣き女」のことである.

元々中国の慣習かという話もあるが、そうではないらしい.

フィリピン諸島に移住した中国人は、親戚が少なかったため、

地元のフィリピン人の葬式に比べて静かな葬式だったので、

地元の人たちの葬式の賑やかさに負けないようにということで

「泣き女」を使うようになったと言われている.

 

 

p70

 

― 迷信

  いわゆる黒魔術・白魔術と言われているものは何か?

 

BACK MAGIC 黒魔術はあるが、 WHITE MAGIC白魔術と言われるものは

ない・・・

 

MANGKUKULAMは英語ではWitchcraft魔術のことだが

今でも、魔女と言われる人たちが、サマール島やレイテ島の周辺に

居て、その呪術は信じられている.

 

これが黒魔術のことであるが、その呪術の出所を探し出したり、 

効力を止めたりするのが Herbolarcoと呼ばれているが

良い術をかけるわけではないので白魔術という言葉はない.

 

=== 関係するサイトはこちらです・・・

http://en.wikipilipinas.org/index.php?title=Albularyo

 

An albularyo' or hilot is a local medicine man or healer. The albularyo is

knowledgeable in the application of medicinal herbs to cure various illnesses

and their abilities are believed to be either spiritual or supernatural in origin.

 

An earlier Spanish term is herbolario which is related with cuandero and

mediquillo. The title refers to an albularyo's ever-present collection of herbs,

 which he uses to heal maladies. Dispite this, albularyo and hilot are usually

synonymous, even though hilot refers to a person who uses massage

techniques to heal.

 

 

日本語では、黒魔術=邪術であると書いてあります:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%82%AA%E8%A1%93

 

 

 

― 迷信のところに、「GAYUMA」という妙薬があると書いてあるが、

  本物だったら買ってみたい・・笑

 

いわゆる惚れ薬で、小さな瓶に入れた液体で売っている.

マニラのキアポ教会の近くや、アポ山、セブ島などでも売っている.

コーヒーなどに混ぜて、意中の相手に飲ませる.

今でも、割と信じられている迷信である.

 

 

 

シリーズ23の部分

p70

 

― 言語

  フィリピンの言語は「ひとつの言語を学べば、他の言語を

  知ることは比較的容易なことである」と書かれているが、

  フィリピンにはいくつの言語があるのか?

  また、それは方言といえるのか、異なる言語なのか?

 

教授は、この著者の意見には反対である.

フィリピンには157言語があり、例えばバギオの周辺の

カンカナイ語とイバロイ語は方言とするにはあまりにも 

異なる言語である.

 

 

― タガログ語をめちゃくちゃ褒めているが、本当にそんなに

  世界的にみて素晴らしい言語なのか・・・

 

教授は、この意見にも反対・・

多分 タガログ語が易しかったから そう言ったのであろう.

 

 

p71

 

― 文書

  ミンドロ島やパラワン島で、古代の文字を今でも使っていると

  書いてあるが、これは本当か?

 

これは違う・・・一部の人たちは読めるかもしれないが、

「使って」いるわけではない.

地元の言語、タガログ語や英語が教育され、使われている.

 

 

ちなみに、パラワン島の南の地域では、英語が達者な人たちが

多く、英語のコールセンターの会社が多い.

 

また、ミンダナオ島のサンボアンガ地域では、 

チャバカノ語という地元の言葉と、スペイン語が優勢である.

チャバカノ語はおよそ80%にスペイン語の影響がある.

これは、スペイン時代に、フィリピンの中の都市が、

マニラ、セブ、サンボアンガの順に大きい都市であった歴史が

関係している.

 

スペイン語の教育は、1985年に終わった・・・

 

 

― 教育

  パナイ島のBOTHOANというバランガイ学校はどんな

  学校だったのか?

 

学校と呼べるほどのものではない.

BOTHOANとは、賢人とか哲学者というくらいの意味の言葉で、

村の長老のような人のことを言う.

 

学校らしい学校は、スペイン時代になってからのことである.

 

 

=== いかさまな医療行為を含めて、フィリピンには様々な

    医療行為、まじない、迷信、お守り、魔除け、魔術などが

    あるのが分かりましたが、

    たとえば HILOTという言葉ひとつをとっても、

    聞く人によって その定義が微妙に違うことがあります.

    また、インターネットで関連を調べても、言葉の違いを

    しっかり、はっきりと区別して定義しているサイトも

    ないようです.

 

 

 

 

 

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