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2014年6月23日 (月)

「日本人の脳」角田忠信著 -  5  「あ・い・う・え・お」には意味がある

角田忠信著「日本人の脳」を読みながら、自分の脳の中を整理しています・・

  

p62

「母音の知覚様式と大脳半球優位性

 

西欧人にみられる母音の劣位半球優位の所見は持続母音のみの

優位性を測定したときに始めて成立するが、同時に文章の聴取、

黙読、更にCVC音節の聴取下にあっては母音の優位性が言語半球側に

移動することが筆者の実験によって確かめられている.

 

このため西欧人における母音の知覚過程は単独母音の場合と 

連続音声中などの動的状態とをはっきり区別して考えねばならない.

 

===つまり、日本語で育った人(日本人)の場合は、日本語の中の

   母音が普通は言語脳である左脳で処理されるところ、

   西欧人の場合は、母音の劣位半球(通常は右脳)であるが、

   それは持続母音の時に成立するということですね・・

   ただし、文章や音節になると(つまりはっきりと言語になると)

   言語半球(普通は左脳)に移るってことなわけですね・・・

 

p65

母音の受容半球は言語によって異なり、西欧語では非言語音として

劣位半球で主に処理されるが、日本語では優位半球で範疇的に処理

されるという所見、及び非言語音の優位性は、視覚・聴覚の何れの

形でも言語の受容下には言語優位側に移動するという成績などから

従来の諸家の言語音認知に関する見解の相違は合理的に説明できる・・

 

「日本語の母音の特徴」 

現在のところこれが如何なるメカニズムによるかを説明できるだけの

充分な知識も資料もない・・・

 

p66

フライらによると一般に母音の役割は音韻的であるよりも、むしろ

声性的であるといわれる. 例えば英文ではその母音を全部抹消したに 

しても、その意味は充分に理解しうると言われ、子音の重要さが

強調されている.

一方、音声のリズム、イントネーション、個人性、情緒性、方言差

などは殆ど母音によって伝えられるものと考えられている.

 一方日本文をローマ字書きして母音を全部伏せたとしたら全く意味をなさないであろう.

日本語は母音が音韻知覚の面でウェイトを大きく占める特殊な言語で、

個々の母音がそれぞれ有意な単語をもっていることも母音が範疇化

される有力な原因となろう.

 

=== 前回ちょっと遊んだ 英文と日本文のローマ字表記から

    母音を消したら意味が解るかと言う話です・・・

    日本語の母音である 「あ・い・う・え・お」には

    その音だけである意味=範疇を持っているから

    単なる音ということではなく意味をもった言語として

    脳が認識するってことのようです・・・

 

p67

日本語以外の大部分の言語では、単一母音が有意語を持たないと

いわれるが、スエーデン語には例外的に小川を意味する母音がある

といわれる.

しかし、日本語母音の豊富さとは比較にならない.

母音の二つ以上の組み合わせからなる有意語になると日本語の

特徴は更に鮮明になるし、子音のすべてが開音節で母音で終わる

ことなど、日本語における母音のウエイトの大きさには驚かされる.

あいうえおの順に図の位置をたどっていくと、舌の運動が連続的に

ならず、どの場合にも反対の方向に動かして、中間母音を許容しない

という特徴があることに気付かされる. すなわち、個々の母音を

独立してはっきりと発音するのに都合のよい順序になっている.

 

p68

日本語型が他の言語にも見出し得るか否かは今後研究範囲を

拡大することによって確かめられ、あるいは日本語の祖語を

追求する新しい緒が得られるかも知れない・・・

 

日本人の世界に冠たる外国語の会話下手は日本語の特質

由来するものではなかろうか?

 

=== おお、最後の台詞は、日本人にとっては絶望的な

    宣告に聞こえちゃいますね・・・笑

    いずれにせよ、西欧語はあいまいな母音を許す言語

    だけれども、日本語は母音の発音自体が明確に区別

    されるような「あいうえお」という口の動きが大事だって

    ことで、日本語を教える立場にとっては貴重な話です.

 

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=== その6に続きます ===

 

 

 

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