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2014年11月 3日 (月)

フィリピンの歴史教科書から学ぶ 49 スペインは宗教に熱心で経済に失敗した?

 

HISTORY OF THE REPUBLIC OF THE PHILIPPINES

WRITTEN BY GREGORIO F. ZAIDE

 

8 OUR ECONOMY UNDER SPAIN  第八章 スペインの下のフィリピン経済

 

p112

スペインは、植民地化の宗教的側面に力を注ぎ、フィリピンの経済的

開発の推進を無視していた. 植民地の経済的繁栄に関わる多くの

優れた法律や政策にもかかわらず、国は惨めに衰退した. それは

スペイン人役人と修道士の汚職、無知と怠惰によるものであった.

最後には、スペインは、スペイン自身が所有するものしか与える

ことが出来なかった: スペイン帝国が衰退した時、スペインの

植民地も苦しむこととなった. 皮肉なことに、19世紀の急激

な経済的成長の時期に、重要な発展の分け前を確かなものに

したいと思い、スペイン人との平等を主張したいと思うようになった

フィリピン人の政治的啓蒙をもたらした.

 

 

=== ここで、修道士(friar)の汚職・・という言葉が出て

    くるんですが、今迄のところで盛んに使われてきた

 Priest(司祭、神父)とはどのような違いがあるんでしょうか.

    修道士は聖職者の中の下級の者、priestは上級の者という

    ような意味合いがあるんでしょうか?

 

 

「スペインの経済政策」

スペインの下でのフィリピンの経済的開発の歩みは全体的に

遅いものだった. それは、スペインが、イングランド、オランダ

あるいはアメリカのような企業家精神のある商人や実利主義的意欲

に欠けていたからであった. 皮肉にも、これはフィリピン人に

対しては有難い偽装であった. 

スペインはフィリピンの豊富な天然資源を十分に搾取したで

あろうか.  これらの資源はフィリピンのためでなく、スペインの利益

の為だけに、もっと急速に枯渇したであろう. 

それ故に、スペインの厳しい批判が、経済開発を「怠っている」と

スペインを槍玉にあげた一方で、植民地の非効率性がフィリピンの

将来の世代のための世襲遺産の保全を確かなものにしたのである.

 

 

=== なるほどねえ・・・

    うまく収奪していればスペイン帝国も没落することも

    なかっただろうに・・ってことでしょうか?

    しかし、それにしても、その将来の世代の為に保全された

    という世襲遺産は、今のフィリピン経済で活かされて

    いるんでしょうかねえ・・・多いに疑問です・・

 

 

植民地政府は、フィリピンの未開発の経済のため、その費用を

支えることができず、毎年損失に悩まされた. マニラ当局の

財政的懸念を軽減するために、国王フィリップ3世は1606年に

毎年の補助金制度(real situado)を作った. 

 

 

第七章で見てきたように、毎年の補助金はメキシコの国庫及び

ガレオン貿易で賄われたが、その金額は年平均で25万ペソとなった.

しかし、いくつかの経済的な成果もスペイン時代に実現した.

これらの経済的成果は次のようなものであった:

 

(1)メキシコからの新しい植物や動物の導入;(2)新しい産業

の設立;(3)マニラ-アカプルコ貿易の開設;(4)国の支持者

の経済団体の創設;(5)煙草専売;(6)フィリピンの王立企業

の創立;そして、(7)フィリピンの世界貿易への開放.

 

 

=== 随分昔の話ですが、私が1992年ごろからフィリピン出張

    でバギオへ来るようになってから、フィリピンの仕事仲間と

    酒を飲みながら様々なことを話したことがありました.

    その中で、スペインの植民地でフィリピンはどういう影響を

    受けたのかを尋ねたのですが、その仲間は、

    今のスペイン、メキシコ、フィリピンなどスペインの植民地

    だった国の現状を見れば分かるでしょうと笑ったものです.

    そして、そのおまけに、

    日本がもし、戦争に負けずにずっとフィリピンにいたら、

    今頃フィリピンもハイテクの国になっていただろうにねえ・・

    などとお世辞まで言ってくれたものです・・

 

 

    フィリピンとは離れますが、

    私が西アフリカのベナン共和国で日本語を教えていた頃、

    アフリカ諸国の中で、どんな国が経済的に発展しているか

    という話になったことがあります.

    その時に旧宗主国として挙げられたのはフランスと英国

    でしたが、ベナン人曰く、英国の植民地だった国は

    今割と発展しているが、フランスが宗主国だった国は

    今でも駄目だということでした.

    どこの国に植民地とされたかによって、その後遺症の

    大小は 少なからずあるのかもしれません・・・

 

=== 次回シリーズ50では、上記の「成果」をもう少し

    詳しく読んでいきましょう ===

=== シリーズ49の授業は こちら ===

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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