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2014年4月 3日 (木)

フィリピンの歴史教科書から学ぶ- 16-21  7回目の授業 フィリピンの汚職の構造

 

 

HISTORY OF THE REPUBLIC OF THE PHILIPPINES

WRITTEN BY GREGORIO F. ZAIDE

フィリピンで極一般的に使われている歴史教科書を 元大学教授で

歴史の教鞭をとっていたRolando氏に教えていただきながら、雑談をして

います・・・

 

 

教授への質問に答えてもらった内容など・・・

今回は 大脱線でした!!

 

 

シリーズ16の後半の部分

 

p62

 

― 教科書の中に「カリンガ族が木の上に作られた家に、今でも住んで

  いる」と書いてあるが、これは本当か?

 

アエタ族にはあるが、カリンガ族にはない.

おそらく著者は勘違いしているのではないか・・・

カリンガ族は木の上に家を作っているのではなく、一本柱を家の中心に

して、高床式の家を使ったので、それを「木の上」と誤解している

と思われる.

 

 

― フィリピン南部のパジャウ族の話があるが・・・

 

パジャウ族はバギオでも見られる.

赤ちゃんを抱えて物乞いをしているのがそれである.

 

― 古代のフィリピンでの食べ物について「野菜」と書いてあるが、

  巷には「野菜は貧乏人の食べ物だ」という感覚があると聞く.

  バギオは高原野菜があるが、低地ではどんな野菜が一般的なのか.

 

PAKBETとよばれる野菜の煮物のような料理に使われる低地の野菜は、

アンパラヤ(にがうり/ゴーヤー)、オクラ、かぼちゃ、なす、

String Beans(ひものように長い豆)、SaluyotJute Plant 黄麻??)

などである.

 

中流の上の家族は、アメリカ的にレタスやキュウリを食べたりするが、

一般には上の地元の野菜を食べている.

学校へ持って行くお弁当などの場合は、PAKBETのようなものは

貧乏人の食べ物だと思われることもあるので、多くがご飯と

フライド・チキンなどの肉類を入れることが多い.

 

 

=== saluyotの写真はこちらです;

 http://www.antiaginghacks.com/cleopatra%E2%80%99s-secret-wrinkle-buster/

    このサイトの説明では、「苦いので食用とは考えられていない・・」

    などと書いてありますが・・・・

 

 

― 飲み物のところに、「ココナツのsportsから作られるTUBAという

  ワインがある」と書いてあるが、sportsとは何のことか?

 

Sportsとは、パームの木やココナツの木の上から飛び出してくる

樹液のことであって、sportsという言葉自体は「飛び出す」と

いう意味がある.

 

ここで「ココナツからtubaというワインができる」という

著者の認識は間違っている.

 

TUBAのワインは、ココナツではなく、パームの木の中から

出てくる甘い樹液で作られている.

 

LAMBANOGのワインが、ココナツの木の樹液から作られる

ワインである.

 

尚、丸いココナツの実のジュースは BUKOと呼ばれる.

なかの白い果肉も柔らかいので食べられる.

 

ただし、この丸い実が古くなって硬くなるとNIYOGと呼ばれる.

この硬くなったものは、果肉をしぼってGATAと呼ばれる

ココナツ・ミルクを取るが、これをおやつにしたものが

GINATAAN(ギナタアン)である.

 

ちなみに、PARMヤシと COCONUTヤシの違いは

PARMは幹がでっぷりと太く、葉が大きく、実が小さい.

一方、COCONUTは幹が細く高くて、実が大きく

その実は、あちこちでBUKOジュースとして売っている.

 

 

 

シリーズ20の部分

 

p66

 

― ティンギアン族の鼻笛のことが書いてあるが、この民族は

  どこに住んでいるのか・・

 

ルソン島では、アブラ州である.

ティンギアンの元々の意味は「鳥の鳴き声」のことである.

 

ちなみに、ここで「タガログのギター」と著者は書いているが、

ギターはスペインから来たものである.

 

 

― 結婚のところに、

  「王子は奴隷の娘と結婚が出来たし、自由人も王女と結婚が

   可能であった」とあるが、本当なのか?

 

これはもちろん「厳しい禁止規定はなかった」というだけで、

実際には、今現在でも金持ちと貧乏人の結婚は親が許さない.

 

 

― 結婚前の結納の話のところで、物凄い贈り物が書いてあるが、

  貧乏人はどんなものを贈ったのか・・・

 

貧乏だったら、指輪だけとか、カラバオ(水牛)などの家畜

などを贈った.

 

 

― 古代のフィリピンでは離婚が出来たようだが、

  今のフィリピンには何故離婚ができないのか?

 

スペインのカトリックの教えにしばられているからである.

今のスペインでは、地方によって、離婚が出来る所と出来ない

所があるが、フィリピンでは全面的に離婚は出来ない.

 

例外的な法律としては、

Legal Separation と Anulment of Marriageというのがあるが、

どちらにしても、その手続きに10年はかかる.

 

アナルメントというのは、結婚自体が無効であるということだが、

その内容は、結婚した相手に次のような問題がある場合と

なっている:

精神異常、同性愛者、暴力、強制された結婚

この強制された結婚は Shot Gun Marriageとも呼ばれる.

(ショットガンで脅されて結婚したということ)

 

 

― ちなみに、フィリピンの法体系はどうなっているのか?

 

「憲法」は SALIGANG BATASと呼ばれ、Constitutionである.

憲法は、スペイン、イギリス、アメリカの影響を受けている.

 

その下に位置するのが、BATAS PAMBANSA BILAN XXであり、

いわゆる  REPUBLIC  ACT #XX (RAxx)と言われるものであるそうです.

(日本語にするとフィリピン共和国法 第xx号でしょうか)

 

このRAxxと言われるものは、国会議員や政権からの

提案によって立法された法律である.

 

 

 

シリーズ21の部分

 

p67

 

― バランガイの長であるDATUを選ぶとあるが、これは選挙でも

  したのか?

 

バランガイの中で、一番強い、金持ち、賢者・・というのは

誰でも知っていることであるので、自然と決まるものである.

 

今でも、ルソン島北部の山岳地帯、ミンダナオ島、スールー島など

では、長老などが候補者を決めて調整するので選挙の前から

だいたい決まっている.

 

 

=== さてさて、ここで、大脱線が始まりまして・・・・

    教授が 「フィリピンの選挙は 3G‘Sだ」って

    言い出したんです・・・

 

3G‘Sというのは Guns-Goons-Goldのことである、

つまり、「銃と殺し屋と金」 だっちゅうんですねえ・・・

 

そして、それが未だにはびこっている地域といえば、

ルソン島ならば、アブラ州、ラ・ウニオン州、イサベラ州、

ヌエバエシハ州、ブラカン州、カビテ州など・・・

(・・・ってほとんどじゃないの???)

 

ちなみに、バギオ市みたいなところは、マスコミなどが

たくさんあって、選挙の後に批判されるので、これはないそうです.

 

ところで、昔 某市役所の助役の経験があるという教授は、

フィリピンの市や町にはレベルがあって、おおむね以下の

ような格付けがあると言うんですねえ・・・・

 

 

市 :  特別市 - バギオなど

     高レベル - マカティなど

     一般  - ダグーパンなど

 

町 :  自治体の収入によって5段階に区分

 

選挙人を金で買うという選挙運動は、「一般の市」以下の町レベルで

実際に行われていて、おおよその相場は、最低クラスの町で 

一人当たり150ペソ、一番上のファースト・クラスの町で 

一人当たり500ペソで票を買っている.

さらに「一般レベルの市」であれば、一人当たり1,000ペソから

1,500ペソは買収にかかるそうな・・・

 

 

=== ここでさらに、昔市役所の助役をやっていた経験から、

    脱線ついでの衝撃の「汚職の構造」講座が大爆発 !!

 

フィリピンの税金は、主に二つの使い方があって、

政府機関や地方自治体に割り当てられる Internal Revenue Allot

呼ばれるものと、国会議員に割り当てられるポーク・バレルと

言われるものですが、後者は現在のアキノ政権によって

停止されています・・・

 

いずれの場合も、あるプロジェクトがあるとすると、

その総金額の、例えば1割が市長、1割が副市長、0.5割が

その下、そのまた下に0.1割などと、おおよそ3割程度が

途中で消えてなくなるってんですねえ・・・

 

最近ポークバレルの不正が「ばれた」のは、

国会議員があるプロジェクトの資金という名目でNGO活動に

金を流していたのに、そのNGOには活動の実態がないという

ものだったそうです.

実態のあるNGOであても3割は消えてなくなるんですが、

偽物のNGOは丸々ってことですね・・・

 

そこで、なんでそうなるのかって話なんですが、

国会議員の正式の給料は、1年生議員で月給が3万ペソ

2回目当選議員で4万ペソなんだそうです.

ちなみに、市役所の助役だった教授は2万4千ペソだったとか・・・

 

それで、そんじゃあ・・実際に生活費はいくら必要なのか

っていいますと、1家族4名だとして、一般庶民の場合、

マニラのマカティ辺りだと 2万5千ペソ、

普通の市であるサン・フェルナンド辺りで 1万8千ペソぐらい

なんだそうです.

 

・・・まあ、国会議員でもギリギリの生活ってことに

なりますか・・・・

 

最近ブームのバギオ市のコール・センターで働いている

会社員の月給は、22,000~30,000ペソだとか・・

夜中の仕事で重労働みたいですが・・・

 

ところで、バギオ周辺での失業率はどうなんだって聞きました

ところ、 バギオ市でおよそ18%なんだそうです.

 

ついでながら、韓国人経営の英語学校の先生たちの時給は

60ペソぐらいだそうで・・・

仮に一日8時間びっしりお客がいて、授業があるとして、

月に25日間仕事があるとしても・・・・

 

60p x 8時間 x 25日 = 12,000ペソ

にしかならないんですねえ・・・

(普通はこの半分くらいにしかならないそうで・・)

 

夫婦二人で働いたとしても、厳しいですね.

 

英語が普通につかえるフィリピンの人たちが海外に出稼ぎに

行くのは、自然な成り行きということでしょうか・・・

日本は、フィリピン人の英語の先生を10万人ぐらい

どんと受け入れて、小学生から英語教育でもやったらどうですかねえ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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