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2016年3月17日 (木)

私の 日本語 直接教授法って言うか、教え方の考え方

私が日本語を教えようと思ったのは、もう30年ぐらい前の
ことだったんです。

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その時は、まだ現役で働いていたんで、仕事が終わってから
ボランティアで コミュニティー・センターに週に何度か
お手伝いに行っていたんです。

工場なんかが多いところだったんで、当時から割と
外国人労働者がいる町だったんですね。

それは市役所が主催する日本語教室でして、
確かシンガポールの大学で教えていたというプロの日本語の先生
が教える教室で、ボランティアは学習者のお手伝いをするという
位置づけでした。
その時の先生の教え方が 「直接教授法」ってことだったんです。

・・・しかし、私だけかもしれませんが、
いい加減なボランティアだったんです。

一連の講座が終わった後に、ボランティアだけで日本語教室を
続けるってことになったんですが、教える方もかなりいい加減、
学習者もちょくちょく休んだりって感じで、続きませんでした。
一応 無料の日本語教室だったんですけど、無料ってのは
駄目ですね。

・・・・

フィリピンのバギオ市に2年間駐在員として生活をした
んですけど、この町はほんとうにいい町だなあ~~と
思ってしまったんです。

東京の本社に連れ戻されたんですけど、バギオに戻りたくて
しょうがない。そして、それから1年間。

運良く?? 業界の不況で、リストラがあったんです。
早期退職の募集があったんですけどね、これ幸いと
真っ先に手を挙げて 会社を辞めちゃった。
それが2002年のことでしたかねえ。

私の日本語教師としての武者修行が始まりました。

会社を辞めようと決めた4月から、いわゆる日本語教師養成学校
に通い始めたんです。
バギオに戻るためには、日本語の教授法ぐらいは勉強して
おかないと、何もやることがないだろうってね。

教授法ってのは、学者の数ほどあるって話を聞いたことが
あるんですけどね。
それにしても、なんだかヘンテコな教科書を使っている
養成学校だったんです。
(私がその学校をやめてしばらくしてから倒産しちゃったけど・・)

ただ、変なテキストを使っていたんですけど、
私が修得したかったのは、知識だけじゃなくて、
教室で具体的にどう教えるのかって実践的な「直接教授法」だった
んで、世界中どこでも教えられるってことで勉強したんです。
バギオで私塾でも開こうかと考えていたもんで。

教授法としては かなりの優れもので、その良さが分かったのは
実際に現場で教えて2~3年経ったころでした。
私が知らないフランス語を公用語としているアフリカの国で
一年間教えたことでそれが分かったんです。

オーストラリアの大学で日本語を教えていた先生も
同じ教え方、メソッドを使っていたんですけど、
いろいろやってみたけど、このメソッドが一番良いと
話してもらったもんです。

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日本語を教えるってことと、国語を教えるってのは
全く違うことなんです。

私がその後、そのメソッドを教える講師になった時、
私の担当クラスで、国語の先生を定年退官した小母様
生徒の一人として勉強していたんです。

その小母さまが最後に曰く、
国語を教えることと、日本語を教えることは、全く逆
 ことなんですねえ・・・」
としみじみ話してくれました。

どういうことかと言うと、
「国語っていうのは、書かれていることを どう解釈するか 
 ってことなんです。 解釈の仕方を教えるんです。」

「でも、日本語を教えるってのは、その逆に意味を積み上げていく作業なんですね。」

・・・つまり、「あいうえお」から教えて、簡単な言葉を
絵カードや、写真なんかで教えて、簡単な文型にそれを
入れて、順々に意味を積み上げていって、
次第に難しい、抽象的なものまで、表現できるように
していくわけです。

(だから、こんな事を 日頃ふっと頭に浮かんだ時に 考えているわけ・・)

「ややこしい日本語 - 9  決着!! 「後に」 と 「後で」 の教え方 ??」

http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2016/03/post-3238.html

 

===

私は、外資系会社でしか働いたことがなくて、
18歳から今まで、ず~~っと英語と付き合ってきたんです。
(その割に進歩がないんですけどね・・・)

その中で、私がこれはいいなと思った本があったんです。

ペンギン・ブックスって御存じですか?

これです:
http://www.eigotown.com/eigocollege/special/penguin.shtml
「Easystartsからレベル6まで7段階にレベル分けされています。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97

私がちらっと読んだのは それこそ30年以上前ですから、
その頃は7段階に分かれていたかどうかは知りませんが、
星の数で、入門レベルから普通の小説レベルまで分かれていたんです。

・・・・

私の考え方は、日本語を、このペンギン・ブックスみたいに、
とっても易しい日本語から徐々に、入門、初級、初中級、中級、
中上級、上級みたいに、意味を積み上げて行く教え方をするって
ことなんです。

・・・だから、新しく出てくる、いわゆる新出語彙ってやつを
既に勉強して知っている言葉で、易しく言い直して教えるわけ。

いろんな文法的な意味なんかは、日本人が日本語で読んでも
難解な説明が多いですからね、それを、既にしっている言葉や
文型の範囲で 学習者が分かるように教えるってのは
ひどく面倒なことなんです。

私がやっているのは 完全な「直接教授法」なんで、
文法なんかについても、英語なんかで書かれた文法解説
なんて本は 一切使わないんです。
もちろん、日本語のメインテキストのサブとして英語版とか
いうのは使いません。

どうも、一般的には、学習者は 自宅で英語版や中国語版で
勉強をしておいて、教室では、日本語版の主テキストを使う
って話みたいなんですけど・・・

その辺りの日本語教育事情がどうなってんのかなってのが、
久々にちょっと気になりまして、検索してみたんです。

こちらのサイトに、こんな論文がありました。

日本語教授法の現状と将来について
http://dspace.nara-edu.ac.jp/bitstream/10105/1964/1/NUE39_1_189-202.pdf

平成2年の論文ですから、かなり古いことは古いんですけど、
日本語教育そのものが そんなに日進月歩で変化していく
ようなもんじゃないので、今でもここに書かれているのは
そのまま理解していいんじゃないかと思うんです。

この論文には、様々な教授法の、良い点や欠点の説明が
あって、教授法を概観することが出来るんですが、

その中に、こんなことが書かれているんです:

引用:

従来典型的AL方式指導で知られた米国国務省日本語研修所に
おいても高見澤によれば、最近以下のような改善策が
とられているという。
1.機械的な反復練習を排して、理解に基づいた意味ある
  練習を望ましいものとする。
2.代入練習をやめて、応答練習が推奨される。
3.学習目的や学習目標文型などを明示して、目的意識
  もたせる。
4.心理学的アプローチ(学習者の精神を安定させる)を
  採用して学習効率をあげる。

===

この4点だけが全てではないでしょうが、
今の私の教え方が これらの点でどうなのかなと
考えてみたんです。

Img_5985

1.反復練習はあまりやりません。
  私自身が退屈になっちゃうからです・・・
  一応、教材がそうなっていれば、使いますけどね。
  生徒が理解しながらしゃべっているのかを
  時々変化球を投げて確認したり。

2.ほとんどが応答練習なんです。
  要するに、私が質問して、生徒が答える形。
  文法や文型を使った練習の時にも、ほとんどが応答形式。

3.学習目的は、私の生徒の場合は、日本への留学ってのが
  はっきりしているんで、語るまでもないんですけど、
  目標文型ってのは、巷にわんさとある教材の中から
  これがいいんじゃね・・ってのを選ぶぐらいですね。

4.心理学的アプローチってのがどんなものなのか
  さっぱり分かりませんけど、「学習者の精神が安定」
  しているかどうか、ってことで言えば、
  リラックスし過ぎでしょうねえ。。
  まあ、「怖い先生だ」ってことらしいですけど。

・・・ってことで、
客観的にみてどうだかって評価はできないんですけど、
まあ、個人的に振り返ってみて、「いい線いってんじゃないの?」
ってことで、自己満足したいと思います。

フィリピン・バギオ市で教え始めたのは2005年。 武者修行時代を含めると、14年ぐらい教えていることになりますね。

ちなみに、私は、まったくの初心者の人たちに入門から日本語能力試験のN3レベルぐらいまでを教えています。
(過去には750時間でN2ぐらいまで、昔は一級レベルを教えたこともありますが・・・)

日本語を教えている皆さんに、少しは参考になりますかね?

     
  

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