ややこしい日本語 13 - 「ゴルフは好きなんだけど、ゴルフは嫌いなんだよなあ」 文脈って どう教える・・?
「ゴルフは好きなんだけど、ゴルフは嫌いなんだよなあ・・・・」
って、この意味分かりますか?
実は、この台詞・・・私自身が
「ゴルフを一緒にやりませんか?」
って訊かれた時に 決まって応える台詞なんです。
・・・こういう一見意味不明の文を 日本語教室でどう教えたらよいか、
ってのが 今日の「お題」なんです。
ものの本によれば、「日本語は文脈だ」って言われている言語なんです。
要するに、全体の文章の流れが分からないと、一部の ひとつの文を
読んだだけでは その文意が分からない場合があるってことです。
「ゴルフは好きなんだけど、ゴルフは嫌いなんだよなあ・・・・」
という文だけを見ても、意味が分からない。
じゃあ、これを 「日本語は文脈だ」 ということを説明する
サンプルとして その文脈を付け加えていくと どうなるか・・・
その前に、「日本語に主語はない」 っていう話もあって、
この文も 主語が分からない文になっているので、それを補足してみましょうか。
「(私は)ゴルフは好きなんだけど、ゴルフは(私が)嫌いなんだよなあ・・・・」
分かりますか?
つまり、
「私自身は ゴルフは面白いと思っているんだけれど、
そのゴルフは 私のことが嫌いなんです・・・要するに私はゴルフが下手なんです。」
・・という意味なんです。
一つの文で 意味が分かるようにしようと思ったら、こういう長い文にしなくちゃ
いけないわけです。
じゃあ、普通の会話の中で、「日本語は文脈だ」 というのを説明しようとしたら
どんな感じの文脈がありえるか・・・という 「お題」ですね。
・・・・・・・・・・・
「たもつさんは ゴルフはされるんですか ?」
「いいえ、今はやっていないんですよ。」
「・・と言うことは、以前はやっていたんですね。」
「はい、昔は お客さんの接待で やったことがあるんですよ。
駐在員時代に、日本からのお客さんを相手に・・」
「ほお、そうだったんですか。 じゃあ、なぜ今はやっていないんですか?」
「いやいや、めちゃくちゃ下手なんですよ。
お客さんの3倍も叩きますからねえ。
おなじ料金でゆっくり時間をかけて・・あははは」
「おや、そういう話ですか、それは大変なお仕事でしたね。」
「はい、ゴルフは好きなんですが、ゴルフは嫌いなんですよ。 あっはっは・・」
・・・どうでしょうね。 分かりますか、文脈。
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