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2016年11月26日 (土)

フィリピンの歴史教科書から学ぶ 96 ドゥテルテの民兵はフィリピンの伝統か?

 

 

HISTORY OF THE REPUBLIC OF THE PHILIPPINES

WRITTEN BY GREGORIO F. ZAIDE

 

フィリピンの大学などで教科書として使われているフィリピンの歴史

の本を読んでいます。 要点のみを引用して翻訳しています。

 

 

Img_3965

 

「第十五章  スペインによる統治の黄昏」

 

 

p207

「植民地の陸軍と海軍」

 

最初のスペインのフィリピンにおける正規軍組織は、1754年に

総督Pedro Manuel de Arandiaによって創設された。

彼は、国王の連隊として知られる陸軍の団を作り、それは、

20の旅団をもつふたつの師団に分かれていた。

翌年には、4つの砲兵隊を組織した。・・・・・

 

1839年までに、植民地軍は、砲兵隊、歩兵部隊、キリスト十字隊?

に再編された ――全てが総督の指揮下にあり、Segundo

Caboと呼ばれた総司令官がこれを補佐した。

 

 

p208

その植民地軍組織は、紙の上では素晴らしかった

しかし、実際には、欠陥だらけで効果的ではなかった。

兵士たちの給料は非常に安く、食事は貧しく、武器は時代

遅れのものであった。・・・

 

・・・1843年に・・・次のような軍の改革を提言した:

(1)スペインから経験のある将校と兵士を呼び入れる。

(2)陸軍に入隊する兵士の質を上げるため、給与を上げる

(3)軍に偉大な規律を注入する

(4)陸軍の昇進に考課制度を適用する。

(5)地元の方言を学ぶために、スペイン人士官及び下士官

タガログ・アカデミーを創設する。

 

=== なるほどねえ。 この改革の提言をみると、いかに

    ひどい軍の状況だったか分かりますね。

    ちなみに、今のフィリピン大統領のドゥテルテさんは

    公約の時点から軍人や警察官の給料を上げると

    言っていましたけど、どうなったのかな。

    まあ、その分、麻薬撲滅を最優先にして、ドンパチ

    容疑者を殺していますから、警察官も痛しかゆし

    だと思いますが。

 

 

 

「民兵組織、スペイン失政のシンボル」

 

民兵組織というのは、フィリピンにおけるスペイン統治の

シンボルのひとつであった。そして、もうひとつは

Frailocracia(修道士の統治)であった。

・・・その義務は、地方での山賊行為や反乱の鎮圧であった。

 

・・・1896年までに、民兵組織は3,561名の将校と

兵士を抱え、ふたつの連隊に分かれていた。 ひとつは

ルソン、もうひとつはミンダナオにあった。

 

・・・9年後の1880年、ホセ・リサール本人が、まだ

サント・トーマス大学の医学生だった時、その民兵組織の

犠牲者となった。1880年、Calambaでの夏休みに、

彼は一人で通りを歩いていた。 彼はひとりの男が彼に

近づいてくるのをぼんやりと感じていた。暗くて誰だか

分からず、彼は帽子もとらず、「今晩は」の挨拶もしなかった。

そのぼんやりとした男の影は、民兵組織の将校だった。

男は、刀を抜き、容赦なくリサールの背中に切り付け、

軽い傷を負わせたのだった。

リサールは、マラカニアン宮殿の総督に文句を言った。

しかし、なんの結果も出ず ―― 虐待的なスペイン人

将校には何のお咎めもなかった。

 

=== おお、民兵組織がホセ・リサールの時代から

    あったんですねえ。

    それが今のドゥテルテ大統領の自宅がある

    ミンダナオ島のダバオ市にもあるそうですから、

    伝統的な組織なんですね。

    もしかして、現在でも、フィリピンの正規軍より

    ドゥテルテさんの私兵組織の方が立派なのかな?

 

    まあ、日本にもヤクザという組織がありますから、

    他の国の内政をとやかく言える立場でもない

    ですけどね。

    その日本の八九三が、マニラあたりにはたくさん

    お世話になっているっていう話も噂にはあることだし。

 

    それは冗談として、民兵組織があるってことは、

    日本で言うならば、江戸時代の浪人集団が

    今の時代にも生きているってことになりませんか?

 

・・・・・

 

それでは、次回 97号 へ続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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