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2017年11月30日 (木)

北九州の高齢者介護関係のフォーラムで 外国人介護福祉士が・・

北九州でアジア女性会議なるものが開催されまして。
20171130_flyer_20171125
 
 
(上のポスターの詳しい内容はこちらでどうぞ。)
 
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我が身にも ひたひたと近づいてくる 日本の現実を、フィリピンに居て
「どうすっぺ?」と考えながら 日々怠惰に過ごしているわけですが・・・
実は、このパネリストの一人である 介護福祉士は 私が数年前に
バギオで教えた日本語の生徒であったりするわけです。
・・・・で、このフォーラムで、「どんなことしゃべったの?」と訊いたところ、
その時のスピーチ原稿をもらいました。
素晴らしいスピーチなんです。
・・・で、その一部を拝借して、日本とフィリピンの文化、慣習の違いを
考えてみます。
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私たちは5時ごろに起きてシャワーを浴びに行きましたが、学生たちは風呂場に一人もいませんでした。なぜだろうと思いました。
シャワーをあびた後、髪の毛が濡れたまま、朝ごはんを食べ学校に行きました。そこで学校の体育館入った時、学生たちだけでなく先生たちも髪の毛が乾いていて本当に驚きました。
フィリピンは一年中、暖かい国なのでシャワーを浴びた後、髪の毛を乾かす習慣がありません。台風の日でもです。
もし学校や会社に行く時に髪の毛が乾いていたら、クラスメートや同僚の人たちがからかうでしょう。例えば、「おお!シャワー浴びなかったでしょう?」とか「断水だったの?」などといいます。ですから、日本人も濡れた髪の私たちをみて驚いたでしょう。
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これは、彼女が高校生だった時に、日本に交換留学生として
派遣された時のエピソードです。
 
 
これには驚きました。
 
でも、まったく心当たりがなかったわけでもないんです。
確かに 朝髪の濡れた長い髪の女性たちがいるなあ~~と
ちょっと不思議に思っていたことがあったからです。
風呂に入るのに、日本のように夜がいいのか、フィリピンのように朝の
方がいいのか。
 
恐らく、奇麗好きな日本人は、「汚れた身体で、奇麗な布団に寝るのは良くない。」
「一日の疲れを温かい湯舟で落として、リラックスしたい。」などと思うんじゃ
ないかと思います。
一方、フィリピン人はどうなんでしょう。
寝苦しい暑い夜が一年中続くような気候です。
寝ている間にも汗が出たりします。
朝、仕事に行くぞ、学校に行くぞって時に、身体をさっぱりと、すっきりとして
出かけたいと思うんじゃないでしょうか。
 
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日本では紳士gentlemanがあまりいません。
ある日、学校へ行く時バスが混んでいました。周りを見ると、ほとんどの女性たちが立っていて、男性たちが心地よく座っていました。その状況を見た私は驚いで倒れそうでした。
なぜかというと私の国、特に田舎の方では、男性が女性に優しいからです。もし、男性が女性や高齢者に席を譲らなかったら、その男性のイメージが大変悪くなります。例えば、周りの人たちは「男らしくないな」とか、マナーが全然できていないと思うでしょう。
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これは確かにそうだと思います。
フィリピンの男のマッチョイズムというのもあるのかもしれませんが、
400年ほども前からの スペインそしてアメリカ流の作法というのが
根を下ろしているのかもしれません。
それに、高齢者に対しては、カトリック式に 年配者の手を頂いて、
その手を自分の額に当てるという 挨拶を 今の若い人たちも
普通にやっています。
日本では、毎日のブラックな残業で疲れ切ったサラリーマンたちは
そんな気力も失っているのかもしれませんが・・・・
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フィリピン人の平均寿命は日本人よりも15年短く、家族で支えあうため「介護」は一般的な仕事ではありません。
日本では介護施設に職員が配置されているため、家族は週1回程度しか訪問しません。一方、フィリピンでは、家族一人が必ず24時間患者の傍にいなくてはいけません。
日本人は病気の時でも他人に頼らず、それは私にとって悲しいことです。他人に迷惑をかけたくないという気持ちがあっても、病気の時に誰かに頼ることは心のケアを考えるうえで大事なことでもあると思います。」
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昔は 日本も大家族でした。
核家族というスタイルになって、それぞれが独立した
単位になったことが、他への過度な遠慮あるいは
敬遠をするベースになってしまったのなら、
社会的な制度の充実という方向に進まなくては
いけないということなのでしょう。
大家族として支えあっているフィリピンと、社会制度
として国民全部で支える、さらに外国人を受け入れて
支える日本の、どちらが幸せなのかは また別の
問題ですが。
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フィリピン人の平均寿命は短いです。ですから、私は認知症の患者をケアした経験も直接みたこともありませんでした。最初は利用者様が手を出したり、突然大声で叫んだりしたため、私は自分が責められていると感じ、介護をしたくない気持ちにもなりました。また、5年間働いた後、仕事への意欲が下がり、介護が面倒になり、同じ質問を繰り返す利用者を無視することもありました。」
他方で資格を取得し、プロとしても介護の素晴らしさを痛感しています。もともと利用者のお世話が好きで、自分の家族のように思います。仕事は辛くて疲れます。でも利用者たちは私の笑顔と幸せの源です。多くの利用者の皆さんが私に関心を持ち、可愛がってくれているからです。そして、私は彼らから差別を感じることも、外国人であると感じることもありません。」
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・・・・これは、介護分野での厳しい現実だろうと思います。
日本人が日本人の介護をすることすら 将来真っ暗という報道をよく耳にします。
私自身は、私が20代の時に母を、30歳ころに父を亡くしましたので、親の世話をしたという経験はありません。
 
しかし、知人や友人から、親の介護を一人で抱え込んでストレスに苛まれている人たちの現状を聞くと、日本人が総倒れになってしまっていいのか? ・・・という気持ちになるんです。
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医療分野で働いていない方に質問があります。介護の仕事に対してどんなイメージが持っていますか。単にお風呂や食事などのお年寄りの生活を介助するだけだと思っていますか?確かに、これらは主な仕事かも知りません。しかし、それだけではありません。私は現在、よりよい生活支援にむけ、ケアプランを6ヶ月ごとに書いています。それは簡単な仕事ではありません。ケアプランには利用者様に対して観察力と知識、判断力が必要だからです。」
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・・・・ここで、「介護殺人」、「介護心中」などの事件についての話が出てきまして・・・・・・
 
 超高齢化社会が進み、全国で介護士不足があることは周知のことです。介護の仕事は身体的にも精神的にも大変な仕事です。夜勤の16時間勤務は本当につらくなります。でも24時間の家族介護ももっと大変だと思います。24時間介護が長期間続けば、こうしたことが起こるということです。さらに私の国と違って、日本人は自分で問題を解決したり、抱え込んだりする傾向が強く、他人を頼ったり、心の支えであるモラルサポートを受けることは少ないです。一方で、フィリピン人はお互いを支え、家族だけでなく、友達だけでもなく、近所の人たちまで支えあいます。」
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フィリピンに住んでいると、新聞や本でも有名になった、いわゆる「困窮邦人」の話を聞いたり、「病気になり、たまたま知り合ったフィリピン人の隣人に世話をしてもらっている」、「医療費が払えない」などの話が耳に入ってきます。
・・・
日本国内でも大問題の 高齢者の孤独死などは、いまや国際問題と言っても過言ではないでしょう。
日本の団塊の世代の人たちの間では いわゆる「終活」が盛んですが、これは我々のような海外在住者こそもっと真剣に考えておくべき問題だなとつくづく感じている課題です。
 
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また、「高齢者は適当な時に死ぬ義務あり」「もう親をすてるしかない」、「介護費用や保険料を節約するために行われている、一種の「裏ワザ」、といった言葉も有名な人から聞かれます。これらの記事には本当に心が痛みます。私たちが困難であれば、親を捨ててもいいのでしょうか。高齢者の中には第二次世界大戦での戦争経験があります。それから、私たちの生活を快適にし、世界の中でも裕福な日本を築いてくれました。それだけでなく私たちの命をはぐくんでくれました。」
リスチャンとして、死ぬのは義務ではありません。なぜなら、神様だけが私たちの命を決める権利を持っていると信じているからです。命を奪うということは大きな罪だと考えられています。そのためにも介護福祉士としての心と、技術を生かして一人一人の命を豊かにしたいと考えています。私たちは人間だからこそ、人間らしく行動するべきなのです。」
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私はもうフィリピンのバギオ市に住んで12年になりますが、その前から出張やら駐在やらで フィリピンの人たちとは通算25年ほどのお付き合いがあります。
以前から思っていることは、日本人はあまりにもフィリピンに対する偏見が強いということです。
そして、今だからこそ、日本はフィリピンに学ぶことが多々あるのではないかと感じることがあります。
・・・・
世界の中での様々な国別ランキングのデータが発表されていますが、
フィリピンは世界やアジアの中でもダントツである一方、日本はどん底を這いまわっているという指標もあるのです。
例えば、世界の中での英語力、女性の社会進出、そして幸福度など。
・・・・
これらは正に、今の日本がなんとかしようと政府も政策に掲げているようなものです。
・・・・
フィリピンに対する偏見は、おそらく昔日本で大いに盛んであった、フィリピン・パブの「フィリピン人エンターテイナー」に対する偏見に根差すものではないかと感じます。
そしてそれは、国連やアメリカなどから「人権問題」「人身売買」などとして日本に突き付けられたものでした。
・・・・
これらの偏見を解消し、日本の底力を回復してゆくには、隣人であるフィリピンを見直すことが必要じゃないかと思うのです。
・・・・
1903年から1905年。
アメリカがバギオに高原保養地を開発しようと、マニラとバギオを結ぶ山岳道路を建設しようとしていました。
そして、日本から2~3千人の労働者がその道路工事に参加しました。
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その日本人労働者の一人が、このスピーチの原稿を書いた介護福祉士である女性の 曾祖父だと 最後に書いてあります。
・・・・・
100年前、日本は貧乏でした。
そして、多くの移民がフィリピンを皮切りに南米などへも出て行きました。
今、フィリピンは多くの海外労働者が国を支えています。
しかし、フィリピンの経済成長率は 次第にアジアのトップに躍り出ようかという勢いです。
そして、その人口も日本をすぐに追い越すでしょう。
フィリピンと日本が対等な立場で助け合う時代に入っていくのかなという思いを 私は感じています。
・・・・・
そして、その一例として、数年前に私の日本語の生徒だった若い女性から、素晴らしいスピーチを通じて学んでいるのです。
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ミアさん。
日本人の為に身を尽くしていただき、有難うございます。
フォーラムの成功、おめでとう御座います。
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