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2018年2月19日 (月)

「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読む - その8(完)

 

「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読む - その8(完)

 

 

矢部宏治著 集英社インターナショナル

「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」

を読んでいます・・・・

 

さあ、いよいよ最後の章です。

「最後の謎 - 自発的隷属とその歴史的起源」 です。

 

001a

― 私も最初、史実を知ったときは、かなりのショックを

  受けました。 けれどもさらに歴史を調べてみると、

  そうして落ち込む必要など、まったくないことがすぐに

  わかったのです。

 

・・・・はい、私もショックで、こりゃあどうしたら

ええんじゃろ・・って感じです。

でも、この著者は、

 

― 現在の日本が直面する苦境とは、実は日本人みずからが

  生み出した認知上の歪み(ひとことでいえば、

  「自発的隷属状態」)に主な原因があり、問題を整理

  して再出発することができれば、まだまだ日本の未来には

  無限の可能性があるからです。

 

・・・ってことで、この著者の処方箋を見ていきます。

 

― 結論から言えば、その答えは、

  「歴史的経緯のなかで、日本人自身が米軍の駐留を希望したから」

  「そこには昭和天皇の意向が大きく影響していたから」と

   いうことになります。

 

・・・確かにここまで読んでくると、この二つが結果的には

日本国民が落としどころみたいなものにしたと思えます。

 

 

― 結局はソ連がすでにヤルタ密約で対日参戦を決めていた

  こともあって、・・・・日本政府内で決定された和平条約

  の具体的条件は、

  「国土については、将来の再出発のことも考え、なるべく

  多く残すよう努力するが、最悪の場合、「固有本土」が

  残ればよしとする」となっていました・・・

  「沖縄、小笠原、樺太を捨て、千島は南半分が残ればよい

  とする」ものだったのです。

 

― 天皇の顧問、寺崎英成氏・・・・アメリカが沖縄その他

  の琉球諸島の軍事占領を継続するよう天皇が希望して

  いると、明言した。 天皇の見解では、そのような占領は、

  アメリカのためになり、また日本にも保護をあたえることに

  なる。

 

・・・そうですか。「固有本土」という言い方があったんですね。

だから、元は琉球王国だった沖縄は切り捨てられた。

 

実は、私が今住んでいるバギオ市に通ずる「ケノン・ロード」

という山岳道路は、1905年にバギオに米軍の高原保養地を造る

ために、日本人労働者も参加して建設されたんですが、

その時に本土からの日本人は1903年、そして沖縄からの

日本人労働者が1904年にバギオ入りしているんです。

 

今あるバギオの日系人会名簿の中に沖縄出身の人の名前が

ほとんどないので、不思議に思って調べたところ、

道路工事で亡くなった人たちの慰霊碑も別々だし、

当時のダバオ市あたりのマニラ麻生産に従事した日本人の

中でも、沖縄からの人たちは、地元のフィリピン人からも

本土の日本人とは別の日本人と見られていたとの記事が

ありました。

http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2016/08/post-44c5.html

 

少なくとも戦前には差別があったことは事実のようです。

 

それに、今現在の中国が、尖閣諸島などを中国の領土だと

主張するのも、このあたりの歴史にその理由を求める

のでしょうね。

 

 

― (アメリカの)国務省は、沖縄を非軍事化したうえで

  日本に返還することをふたたび主張し、同時にアメリカの

  世論も、軍部による南海諸島の戦略的信託統治構想を、

  「偽装された領土の併合である」

  「国連におけるアメリカの道義的地位をそこなう」と

  批判していると書いています。

 

― 翌1947年になっても、沖縄返還をめぐる国務省と

  軍部の対立はつづいていました。

 

― 「天皇のそのような措置(=米軍による沖縄の軍事占領

  の継続)は、ソ連の脅威ばかりではなく、ソ連が日本に

  内政干渉する根拠に利用できるような「事件」を引き起こす

  ことを恐れている日本国民のあいだで、広く賛同を得る

  だろうと思っている」

 

― 米軍駐留を日本側から、しかも昭和天皇が日本の支配層の

  総意として要請した。

 

― 冷戦の始まりによってアメリカの世界戦略が変わり、

  対日軍事政策も、従来のマッカーサー路線(本土は非武装化

  し、代りに沖縄を軍事要塞化する)から、冷戦対応型の

  新しい路線(沖縄にも本土にも巨大な米軍基地をおき、

  日本全体を反共の防波堤にする)に方向転換したからです。

 

米軍の日本への駐留に反対のアメリカ国民は

多かった。国務省もそうだった。 しかし、戦後の冷戦

に突入するなかで、「アメリカに駐留してもらった方がよい」と

日本自身が考えたってことですね。

 

― 日本国憲法のふたつの欠点

 

― ひとつは・・・「自分で書いていない」ということ。

  ・・・その内容を命がけで守るという社会勢力が

  いなければ、どんな理想も絵に描いたモチに終わって

  しまいます。 それがいま、まさに日本で起きている

  ことだと私は思います。

 

― もうひとつは憲法九条二項ですが、・・・なにより

  重要なのは、九条一項(戦争放棄)と二項(戦力および

  交戦権の放棄)をはっきり分けて議論するということです。

  ・・・「憲法九条を守れ」とひとくくりに主張してしまうと

  米軍を撤退させることが永遠にできなくなってしまうのです。

 

― この条文(憲法九条と国連憲章二条)は多くの挫折を

  経験しながら、現在もなお国際社会の基礎でありつづけて

  います。 こうした不戦条項は日本だけのものでなく、

  イタリアやフィリピンなど、多くの国にも存在します。

 

― みずから希望して九条を執筆したケーディスも、その主な

  目的は、「日本を永久に武装解除されたままにしておくこと

  でした」とのべています。

 

・・・・つまり、日本国憲法はしっかり今の日本国民が

自分の手で書いて、それを死んでも守るという大多数の国民が

いないことには 単なる紙っぴらになるということですね

実際に 今の憲法は解釈改憲でぼろぼろにされていますし・・・

おまけに、裏マニュアルで 首相なんか屁でもないという

裏組織によってコントロールされている・・・らしい。

 

― 私がおすすめしたいのは、日本と同じく戦争放棄条項を

  もつ、フィリピンやイタリアの憲法から学んで、二項を、

  「前項の目的を達するため、日本国民は広く認められた

  国際法の原則を自国の法の一部として取り入れ、すべての

  国との平和および友好関係を堅持する」とすること、

  つまり国連中心主義の立場をあきらかにすることです。

 

― フィリピンはこれとほぼ同じ条文のもとで米軍を撤退させ、

  しかもアメリカとの安全保障条約を継続しています。

  したがうべきなのは国際法の原則ですから、アメリカの

  違法な戦争につきあう必要もありません。

 

 

・・・ おお、フィリピンってそんなに凄いことをやった

国だったんですねえ。

日頃からいろいろな面で、日本はフィリピンから学ぶべきこと

があるとは思っていたんですが、こんなものまで

「フィリピンから学ぶべき」リストに加わるとは思いも

しませんでした。

 

011

 

― 日米安保条約をめぐる最終交渉でダレスから、

  日本を再軍備させたうえで、その軍隊を米軍の指揮下に

  おくという条約案を見せられたとき、吉田首相はこんな

  取り決めが国民の眼にふれたら大変だ、どうしても削除

  してほしいと頼んだ。

  その代わりに、今後そうした在日米軍に関するさまざまな

  問題を議論するため、合同委員会を設けたいという提案を

  したのです。

  ・・・それが、「安保村の幹部養成機関」である日米合同

  委員会の起源なのです。

 

― ですから「オモテ側の役者」である安倍首相をいくら

  批判しても、この大きな流れを食い止めることはできません。

  ・・・唯一、状況を反転させる方法は、憲法にきちんと

  「日本は最低限の防衛力をもつこと」を書き、同時に

  「今後、国内に外国軍基地をおかないこと」を明記する

  こと。 つまり「フィリピンモデル」です。

 

― 日本がふたたび侵略的な戦争をする国になることを防ぎ、

  加えて「大地震の活動期を目前にした原発再稼働」という

  狂気の政策を止めるには、この方法しかありません。

 

・・・・皆さん、お疲れ様でした。

これで読書を完了しました。

 

私の意見ですか?

私は、以前から「どうしたもんかなあ、この閉塞状態は・・・」

などと考えてはいたんですが、そのもやもやが晴れたような

気持ちがしています。

 

基本的に、今の憲法を素直に読む限り自衛隊は違憲だと

思います。 それはちゃんと憲法を書き替える必要がある。

 

かと言って、戦争を、少なくとも侵略的戦争をするような

国であっては困る。

その為にはどうしたらいいんだろ・・・と思っていたわけです。

 

それに、一番わけが分からないのは、憲法が国会議員に

よってぼろぼろにされている、あるいはその裏で別の

グループが実質的に日本をコントロールしている。

 

その辺りの、もやもやが この本を読んですっきりしました。

なので、

最初に書いたように、この本を全国の高校生たちに授業の

副読本として是非勉強して欲しい。

 

私なんかはもうすぐあの世行きですからね。

国会議員ももうすぐ死んじゃうような輩ばかりですから

実際に今から10年後、50年後の日本を背負う若い人たちに

しっかり自分たちや、自分の子どもや孫の命ことを考えて

自分の手で憲法を書きなおして欲しいと思います。

 

是非、是非、「新・日本国憲法/草案コンテスト」を

全国の高校・大学でやってちょうだい。

きっと、「ロボコン」より重要だと思うよ。

 

 

== 完 ==

 

 

 

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