カテゴリー「趣味」の記事

2016年6月19日 (日)

ややこしい日本語 - 12 肯定文なのか、否定文なのか・・・イントネーション

この前、テレビに出演していた人が しゃべっているのを聞いて
またまた 日本語教師症候群に襲われちゃったんです。

「美味しそうじゃない・・・」

もちろん、音声で聞けば、肯定文だか、否定文だか、すぐに分かる話なんですけどね。

こうやって書き起こしちゃうと、どっちだか解らなくなりませんか?

ちょっと試しに、文の最後のイントネーションが 上にあがるのか、
下にさがるのかで、考えてみたんです:
疑問文は除きます。)

声に出して 言ってみてください・・

1A. 美味しそうじゃない➚ (肯定)

1B. 美味しそうじゃない➘ (否定)(肯定)

1C. 美味しそうじゃない➘ (否定)

2A. 美味しそうじゃないです➘ (否定)

2B. 美味しそうじゃないです➘ (否定)

3A. 美味しそうじゃないです➘ (肯定)

3A. 美味しそうじゃないんですか➘ (肯定)

ちょっとこちらのサイトで「イントネーション」とは何かを確認:

http://www.j-speak.info/tmethod/040_xpression.html

イントネーションというのは、抑揚・音調・語調・声の高低変化
などを意味しています。私達は日常生活のなかでごく自然にこの
イントネーションを活用 しています。

例えば人に何かを尋ねる時や、はっきりと断定して言い切る
ような時、「本当に?」など念を押すような時など、それぞれ
イ ン トネーションは違います。」

要するにイントネーションは語尾の抑揚、上がり、下がりなんです。
(アクセントとは異なります)

・・・ただし、ここに挙げられた例は:

今 買う(買うの?という疑問)
今 買う(買うんだ、という言い切り、断定)
今 買う(本当に買うの?という念押しの疑問)

疑問文が2つで、肯定の断定文だけですね。

こちらのサイトで、イントネーションとアクセントの違いについて
書いてあるんですが、残念ながら 肯定と否定のイントネーションの
ことは書いてありません。
http://ameblo.jp/2hongo/entry-11171022374.html

こちらに 研究論文があったんですけど・・・・
まだ良く読んでいませんが・・・後日の為に リンク・・・ズボラです:
http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/oshima/docs/intonationanddps.pdf

一応 アクセント辞典もチェックしてみたんですけどねえ・・・

Img_4153


アクセント辞典ですから、イントネーションのことを詳しく書いてあるわけじゃないんですが、最後の付録のところに ちょっとだけ 書いてありました。

イントネーションは・・・

「一種の話の調子ともいうべき声の上げ下げが表れる。

これをイントネーションという。」

ここでは、例文として 「(あの方は)先生ですか・・・」が挙げられているんですけど、

ー 疑問に思って質問

ー 「先生なのか」と了解

ー 半信半疑

の3つが説明されています。

「イントネーションは、意志、感情を表す心理的なもので、語によって一定しているわけではなく、・・・・・」

とあります。

また、アクセントとの違いは、

アクセントは 「地方的違いが複雑であるが、イントネーションの大綱は、共通語をはじめ広く各地に共通である。」

とされています。

・・・なんか、どういう傾向、規則性があるのか整理したいんですけどね。

今日は、頭が廻らないんで、中断です。 あははは

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年4月23日 (土)

日本語教室: お客様を迎えて 日本語での寸劇 「キキさんの病気」 上演 !!

 

これは、日本語会話の練習のために、生徒たちに スキット(寸劇)を作らせたものです。

日本に行ったら必要になると思われる病院での会話を想定し、 簡単な会話の例を渡して、「面白い寸劇の台本を作るように」 と宿題を出しました。

ほとんどの部分を生徒たち3名が作りましたが、一部添削をしながら、私が手を入れたものです。

寸劇の中の役は8つあるんですが、俳優は3人しかいませんので、一人3役ぐらいやっています。

 

日本語寸劇 キキさんの病気

 

『一』

「人」キキさん 23才,会社員)

 ララさん 23才, キキさんの友達,会社員)

「所」キキさんのアパート

Img_1020

ララ: キキさん、どうしたの?元気がないわね。

キキ: ああ。。。

................最近,体の調子がよくないの。疲れちゃった。

    私は変な気分で、ちからがないの。

..............体が熱っぽいの。

    頭がくらくらして, 胸が痛いんのよ。

    はあああ~~~

ララ: それはいけないわね。

     病気かも知れない、一度病院で診てもらったほうが

    いいわよ。

キキ:  うん,そうね。

 

 

『二』

 

「人」キキさん、受付係 

「所」病院

 

 

受付係: 次の方どうぞ。

キキ: すみません。体が熱っぽいんです。

    頭がくらくらして,胸が痛いんですが。

受付係:初診ですか?

キキ: はい。

受付係:こちらの用紙にご記入下さい。

キキ: はい。

受付係:それと,保険証お持ちですか。

キキ: はい。どうぞ。

受付係:お預かりします。

キキ: はい。

Img_1024


受付係:お掛けになってご記入下さい。

    ご記入がおわかりましたら,受付までお願いします。

キキ: 分かりました。

 

 

[ききさんは受付に,書面を手渡す。]

 

 

キキ: 書き終わりました。

受付係:ありがとうございます。

    お名前が呼ばれるまでお持ち下さい。

キキ: はい。

 

 

『三』

 

「人」キキさん、医者,看護師 ,レントゲン技師

「所」病院

 

 

[10分間 後に。。。]

看護師: 診察室へどうぞ。

キキ: はい。

医者: どうしましたか。

キキ: 頭がくらくらして,胸が痛みます。

医者: どこが痛いですか。

キキ: このあたり

Img_1029


医者: 熱がありますか。

キキ: 熱っぽいんです。眠れません。

医者: そうですか。いつからこのような状態ですか。

キキ: え...と。。。一ヶ月前?

医者: 前にもなったことがありますか。

キキ: いいえ、ありません。

医者: 診察をしましょう。

看護師: 血圧を計りましょう。

      12070 ですね。

Img_1037


医者: 大丈夫ですね。

    口を開けてください。

...............じゃ これも 大丈夫。

    息を吸って /止めて /吐いてください。

Img_1040


 。。。。お酒を飲みますか。

キキ: いいえ、飲みません。

医者: タバコを吸いますか。

キキ: いいえ。

医者: 麻薬を使用してますか。

キキ: いいえ。いいえ。

医者: アレルギーがありますか。

キキ: え...と。。ありません。

医者: 薬を使用していますか。

キキ: いいえ、してません。

医者: そうですか。じゃ,レントゲンを撮りましょう。

キキ: はい、分かりました。

看護師: こちらへどうぞ。

レントゲン技師:  キキ様,上着を脱いで,これを使って

                 下さい。

キキ: はい,分かりました。

      着替えました。

レントゲン技師: では始めます。

      手を上にあげて,深呼吸をして楽にして下さい。

..........................はい,終わりました。

キキ: どうも。

Img_1047


レントゲン技師: お大事にどうぞ。

看護師: 明日来て下さい。

キキ: はいお願いします。

 

 

『四』

 

「人」キキさん、受付係 

「所」病院

 

受付係:キキ様

キキ:はい。

受付係:保険証をお返しします。

キキ:どうも。

受付係:それと,診察券と処方箋になります。

.....................この処方箋を薬局に渡して下さい。

キキ:はい。

受付係:お会計は3000円になります。

Img_1049


キキ:はい どうぞ。

受付係:レシ-トになります。

キキ:どうも。

受付係:お大事にどうぞ。

 

 

『五』

 

「人」キキ、医者

「所」病院

「時」翌日

 

 

キキ: おはようございます。

...............どうでしょうか?

医者: わかりましたよ。

     病名はブロークン.ハートシンドロームです

    (失恋症候群)ですね。

キキ: えっ!何ですか?

医者: つまり失恋ですね。

     一ヶ月前に何があったんですか。

Img_1054


キキ: 会社に行く電車の中で,毎朝すてきな男の人に

    会ったんです。

     でも,一ヶ月前から,彼の姿がないんです。

医者: そうですか。それは残念ですね。

    それでは元気になる薬を出しますから,

   しばらく飲んで下さい。

キキ: 分かりました。

 

 

『六』

 

「人」キキさん,受付 

「所」薬局

 

 

キキ: すみません。

      この薬をお願いします。

受付: はい,分かりました。

    しばらくお待ち下さい。

 。。。

 キキ様,3番窓口でお薬をお受け取り下さい。

 

『七』

 

「人」ききさん,薬剤師

所」薬局の3番窓口

 

 

キキ: キキですが。。。

Img_1058


薬剤師: キキ様ですね。 お薬はこちらです。

 

キキ: あああ~~~ あなたは。。。

薬剤師: ああ,電車で。。。いつも見かけた。。。

Img_1059


キキ: どうして,ここにいらっしゃるんですか?

薬剤師: はい,転勤になって,こちらで働くことになった

        んです。お薬はこちらですけど。。。

キキ: ああ,薬。。。

    もう,飲まなくても良くなったみたいなんです。

     あなたが薬ですから。

薬剤師: じゃあ,近くのカフェで,コーヒーでも飲みませんか?

     休み時間なんです。

キキ: ええ~~ 本当ですか。いいですね。

 ラッキー!!

Img_1068


・・・二人は 腕を組んで歩いて行く・・・・

== 幕 ===

 

 

Photo_by_nakagome_san_of_jfm_02

(お客様に撮影していただいた 「まとめ」です。)

練習する時間が2~3日とほとんどなかった筈なのに、

かなり台詞を覚えていたのには驚きました。

若い人たちの記憶力ってさすがですねえ・・・うらやましい。。。

それに、白衣やら、聴診器やら、血圧計やら、、、

どこから調達してきたんでしょう。

大変だったと思います。

 

よくよく台本を読んだら、ストーリー的に 変なところがありましたが、目をつむってください。 笑 

・・・この後は、私の通常の授業に戻っての様子です・・・・

Photo_by_nakagome_san_of_jfm_03

(お客様に撮影していただいたものです。)

N4の模擬試験に合格し、N3レベルを目指している3人ですが、

「コミュニケーション力が高いですねえ」 とのコメントを

お客様から頂きました。

 

Img_1070

どうも、有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 4日 (月)

東北へ、桜前線に遅れて・・・仙台青葉城、多賀城、盛岡城、九戸城、根城、弘前城、久保田城

== 第三日目 ==

3日目は 私にとって人生初の 青森と秋田のツアーです・・

Cimg_8728


昨日は「中古ガラス」でしたが、今朝は本物のカラスが
早朝から巣作りをしているところを目撃・・
ホテルの裏口のすぐ前にあるスナックかなにかの
蔦のからまる家の横・・・

Cimg_8732


青森はかなりの霧に包まれていました・・
こんなに早朝に起きることもめったにない私なんですが・・

Cimg_8739

ホテルのすぐ横に こんなんが咲いていました・・

Cimg_8753

今日の目玉は 弘前城・・・

Cimg_8744


はい、桜の小道・・・

Cimg_8745

近づいてみると、この通り・・・

お堀の水面が桜の花びらで埋め尽くされているんです・・

Cimg_8750

かなり散ってしまっているんですが、
まだまだこの通り しっかり楽しませてくれます・・

Cimg_8756

これなんかは 満開ですねえ~~
結構ピンクが強いんですが、これでも名前札には
「染井吉野」って書いてありました・・・

Cimg_8767

近くの幼稚園からでしょうか・・・
可愛い観光客の姿も・・・

Cimg_8776


満開の時は凄かったんでしょうねえ・・ちょっと残念・・

Cimg_8778

しかし、こんなのも いいんじゃね?

Cimg_8842

桜は ちょっと置いといて・・・
石垣の改修工事の為に、一生に一度見られるかどうかという
凄いことになっていたんですねえ・・
内堀から水が抜いてあって、堀の中を歩けるようになって
いたんです・・・

Cimg_8846

どや、どや!
どや顔?

Cimg_8795

上から見るとこんなんです・・・

Cimg_8799

橋の方は こんなんで・・・

Cimg_8789


岩木山は こんな風に見えました・・・ちと遠いな・・・

Cimg_8811

岩木山を公園から眺めると、しだれ桜の向こうに
いい姿が見えました・・・

Cimg_8843

そして、桜も 青森まで来ると ちゃんと私を待っていて
くれたんですねえ・・

Cimg_8834

これは八重桜かな?
枝垂れ桜と八重桜は まだまだ大丈夫でした・・

Cimg_8856

さて、お花の後と言ったら、やっぱねえ・・・

Cimg_8860

たまたま、テレビ・ニュースみたいなので見ていたら
これをやってたもんで・・・
「獄きみ天ぷら」
あま~~いトウモロコシの天ぷらでした・・

結構甘くて、柔らかくて、美味しかったなあ・・

Cimg_8875

そして、いつの間にか秋田に入り・・・
秋田と言えば 「きりたんぽ鍋」

お昼御飯いただきました・・

Cimg_8879

こちらの道の駅なんですけどね・・

Cimg_8882

「干し餅」ってのを売っていました・・

これって、どうやって食べるんですかね?

火鉢で焼けばいいの??

 

Cimg_8911

そして、一路 久保田城への道すがら・・
こんなものが・・・動いていました・・・
これって油井???

Cimg_8923

そして、こちらが 久保田城の門・・・・

Cimg_8924

天守閣と石垣の無い城として知られているんだそうです・・

要するに「盛り土」ってことですね・・

Cimg_8948

これは天守閣じゃなくて、
「御隅櫓」、つまり、物見や武器の貯蔵庫として使われた
やぐらなんでそうです・・

本当は2階建てだったのを、再建する際に市街地が展望
出来るようにと展望室を上に追加しちゃったらしい・・

Cimg_8967

お城の全体像はこんなことらしい・・
石垣と天守閣は無いお城・・・

Cimg_8970

庭園の桜もほぼ終わっていました・・・

そして、秋田駅へ・・・・

Cimg_8979

竿灯が飾ってありました・・・
その下に女子高生がたむろっていました・・

Cimg_8980

まだ見たことがない本物の竿燈まつり・・・・

Cimg_8981

「なまはげ」の本物も見てみたいよなあ・・
http://www.oganavi.com/sedo/

しかし・・・それを見るチャンスは もう来ないんだろうなあ・・
冬の雪まつりだしなあ・・・寒いしなあ・・

しかし、しかし・・・
今回の桜前線追っかけツアーは、お城ということも
あったけど、東北ということもあったけど・・・良かった!

== 終わり ==

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年6月22日 (土)

ややこしい日本語-4 「進めている」は どっち ?

これは、日本語教師症候群にかかった男の「たわごと」です。(笑)

テレビで、なんの番組だか分からなかったんですが、
誰かがプールで泳いでいる場面があって、解説の人が

「よく進めていますね。」

って言ったんです。

「進めている」? と、またまた ひっかかってしまったんですねえ。

なにがひっかかったかって言うと、
A.他動詞「進める」の「ている」形なのか、
B.自動詞「進む」の「可能形」の「ている」形なのか・・・
  (「読む」の可能形は「読める」、「読めている」ですね)

A.他動詞だとすれば、
文型は 「 xxは xxを xxする」ですから、
「あの人は 体を 速く前に 進めています。」
と書き換えることができるし、

B.自動詞だとするならば、
文型は 「 xxは xxできる」なので、
「あの人は 速く前に 進むことが出来ています。」
と読み替えられると思います。

・・・何が言いたいかっていうと、
「進めている」という同じ形の文章なのに、ふたつの意味に
とれるという言語でいいのか? 
ってことなんですよねえ。

どっちでもいいじゃないかと放っておけばいいようなもんですけどね。
なんで、日本語はこんなに「ややこしく」なってしまったんだろう
って思いませんか。

他に似たようなふるまいをする動詞があるかなと調べてみました。

C.他動詞 「落ち着ける」ー「落ち着けている」
D.自動詞 「落ち着く」ー「落ち着ける」-「落ち着けている」

その意味を文にしてみると、
C.「彼は 気持ちを 今 落ち着けている。」
D.「彼は 落ち着くことが 出来ている。」

本でみた限り、こういう形になる動詞というのは少ないみたいですね。

例えば、
E.他動詞 「始める」ー「始めている」
F.自動詞 「始まる」-「始められる」-「始められている」

G.他動詞 「曲げる」-「曲げている」
H.自動詞 「曲がる」-「曲がれる」-「曲がれている」

まあ、そんなに多くなさそうだから、心の片隅で大事に
「例外的なものがある」としておきゃあいいかな?(笑)

その5は こちらです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリピン バギオ 日本語教師 日本語学校 直接教授法 the blue files japanese language school philippine baguio city japanese language teacher direct teaching method

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 5日 (火)

日本語の不思議・・・意味はイントネーションで決まるのか、文脈なのか・・・

日本語の不思議・・・意味はイントネーションで決まるのか、文脈なのか・・・

「嫌いじゃないかな」という言葉を聞いたら、あなたはどういう
状況をイメージしますか。
そう、この言葉の意味をどう理解しますか?

この前テレビを見ていたら、出演者がこのフレーズを言ったんです。

それで、日本語教師症候群が再発。

(1)自分のこととしてのフレーズ

「(あなたは)この色は好き?」
「嫌いじゃないかな。」

意味を二つにとれますよね:

私はその色は嫌いではない。  (A)好きの肯定

私はその色は嫌いかもしれない。 (B)好きの否定

(A)は、 「嫌いじゃない」かな~~、という感じで、やや曖昧ながら
「嫌いではない」となって、イントネーションが「ない」にありますかね?

(B)は、 「嫌い」じゃないかな~~、とこれもやや曖昧ながら
「嫌いである」の意味になり、イントネーションが「嫌い」の方に
ありそうですね。

(2)第三者のこととしてのフレーズ

「(彼女は)この色は好き?」
「(彼女は)嫌いじゃないかな。」

これも、意味を二つにとれますね:

彼女はその色は多分嫌いではない。 (C)好きの肯定

彼女はその色は嫌いだと思う。   (D)好きの否定

そこで問題なんですよねえ・・・・この会話を音声として聞けば
ある程度は 上の四つのうちのどれかっていうのは判断が付きそう
なんですけど、この話言葉をそのまま文字にしたとしても
イントネーションも分からないし、前提になる状況やら文脈も
分からないわけで・・・・

そうしたら、話言葉で書くとして、どこまで書けば4つを区別
できるんか
、ってことなんです。

演劇の台本みたいなト書きは無しですよ。
台詞だけで、最低限の台詞で、4つを区別するには どこまで話言葉で
書かなくちゃいけないかって問題です。

ちょっとトライしてみましょうか。

元々の形としては:
「この色は好き。」
「嫌いじゃないかな。」

なんですけどね。

少なくとも「この色は好き?」と「?」マークを入れないと
話がややこしくなりますよね。

(1)ーA 好きの肯定

「あなたは、この色は好き?」
「嫌いじゃない、かな。」 または 「うん、嫌いじゃないかな。」

(1)-B 好きの否定

「あなたは、この色は好き?」
「嫌い、じゃないかな。」または「いや、嫌いじゃないかな。」

(2)-C 好きの肯定

「彼女は、この色は好き?」
「嫌いじゃない、かな。」 または 「うん、嫌いじゃないかな。」

(2)-D 好きの否定

「彼女は、この色は好き?」
「嫌い、じゃないかな。」または「いや、嫌いじゃないかな。」

・・・こうやって書いてみると、少なくともいわゆる「主語」が質問の
方に入っていないと分からない。

答えの方は、 「、」をどこに入れるか、あるいは、「うん」や「いや」
という言葉を付け加えないと判断が難しいってことですね。

しかし、日本語は、ほとんどの場合、主語を省いてしまうという
ことが多いですから、そこが難しいですよね。

それはやっぱり、誰と誰が誰のことを話しているのかが、
場面の状況として文脈の中に表れるような 話しことばの表記が必要って
ことになりますか?

これを書き言葉で書いてみると、

「あなたは、この色は好きですか。」
「嫌いではないと思います」又は「はい、嫌いではないと思います。」

「あなたは、この色は好きですか。」
「嫌いではないかと思います。」又は「いいえ、嫌いではないかと思います。」

「彼女は、この色は好きですか。」
「嫌いではないと思います。」又は「はい、嫌いではないと思います。」

「彼女は、この色は好きですか。」
「嫌いではないかと思います。」又は「いいえ、嫌いではないかと思います。」

「きらいではない」と思います。
「きらいではないか」と思います。

というように書き言葉では書き換えが出来るんですね。
「か」の有無で区別される。

これが、話しことばになっちゃうと
「きらいじゃないかな」
と同じ表現になってしまっているということか。。。。

・・・なんでこんなことを考えているかって言いますと。
私が日本語を教える場合は、書き言葉から入って、徐々に省略をしながら
話言葉に移って行くということをやっているわけです。

だから、最初に4つの書き言葉があったものが、どのように
「嫌いじゃないかな」の1つになっていくのかを説き明かしたいってこと
なんでございます。

お付き合い有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月13日 (木)

その16 中村元著「龍樹」ー 説一切有部の弱点とは・・・経験論的実在論

中村元著「龍樹」の中の、
「 II. ナーガールジュナの思想 ー 「中論」を中心として 」
に戻ってきました。

「3. 論争の相手」です。

実有と名有・和合有」のところです。

p101
第三に実有は「名有」と区別されねばならない。
名有とは亀の毛、兎の角などのような、それ自身に矛盾を内包し、
自然的存在の領域においてその対象を見出し得ない概念である。

・・・つまり、名前を勝手につけることはなんとでもできるけど、
そんなものはこの世に有り得ない名前ってことでしょうか。

第四に実有は、ブドガラすなわち連続した個人存在のような
和合有と区別される。 有部はブドガラの実有を認めなかった。
個体を構成する五つのあつまり(五蘊)の和合を仮に施設して
ブドガラとみなすにすぎぬという。

・・「ブドガラ」=「連続した個人存在のような和合」
=「個体を構成する五つの集まり(五蘊)の和合」ってことになりますか?

・・五蘊のひとつひとつは実有だけど、そのあつまりは違うってことかな?

p101に著者が要約したところを、さらに簡単にまとめると:

第一: 実有=自然的存在を可能ならしめる「かた」としての「法」
    のみにいわれうる。
    仮有=自然的存在
    名有=自然的存在の中に対象を見出しえない。
    和合有=実有なる五つのあつまり(五蘊)の仮の和合(プドガラ)

第二: 法は自然存在の「ありかた」
    他に依存せず、独立
    よって、相待有とは異なる。

(3) 「一切」の意義

説一切有部の「一切が有る」の意味はなんなのかってところです。

p102」
「一切」」とは五蘊十二処十八界であるといわれ、あるいは
たんに十二処であるともいわれる。

十二処 = 眼などの六つの器官(六根)
      それらの対象(六境)
      

十八界 = 六根 + 六境 + 六入
      十八の要素で構成される主観・客観のすべての世界

有為法 = つくられた現象的存在
無為法 = それ自体で存在する永久不変の存在

五蘊は有為法のみ。

p102
「一切」とは過去・現在・未来の三世である、とも説明されている。
・・仏教は時間という独立の実体を認めないから、「三世に属するもの」
であったろうと思われる。

・・・ほお~~~、時間を認めていないんですか。
どういう意味なんだろう・・・
この前NHKの番組で、光の速さだけが一定であって、
時間と空間は変化するって話だったようなことでしたけど・・・
相対性理論の話でした。

p103
法の変化は生起(生)、持続(往)、異(変化)、消滅(滅)の
四有為法によって起こされるから
、「三世に属するもの」とは結局
有為法の意味である。・・たいていは有為法と無為法と両方を含む
としている。

「一切」が無為法を含むか否かに関しては、・・・無為法を実有なる
法とみなすか否かによって定まるのではなかろうか。
有部のように無為法という実体を認めるならば「一切」の中に
含めざるをえないのであると思う。

「一切有」とは「一切の法が実有である」という意味である。
法ならざるもの、・・・は、「一切」の中に、含まれていない。

p104
「一切」を文字通り「すべて」という意味に解してはならないし・・・

p105
インド一般の集合説と共通な、「ありかた」が有る、と解する
立ち場に従うならば徹底的に実有なる法の範囲を拡大せねばならぬ
はずであるのに、仏教である以上それが許されない
何となれば、実有という概念の範囲を拡大すれば、ますます
経験論的実在論の立場に・・・接近するからである。
ここに有部の弱点があり、・・・

・・・「インド一般の集合説」ってのが分からないんですけど、
ここで言っているのは基本的に釈迦は
「p88
ゴータマ・ブッダが有・無の二つの極端説を否定したにもかかわらず、
有部が・・・・何故にとくに法の「有ること」を主張したのであろうか。」
ってところで書いてあるように、釈迦がしゃべったことから
大きく外れていくわけにもいかないってことを「仏教である以上それが
許されない」と述べているんでしょうかね?

小乗仏教はブッダの言葉に忠実だったのかっていうと、そうでもない部分もあったってことになりますか。

ともあれ、ここに有部の弱点があると書いてあります。

==その17に続く==

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月12日 (水)

山折哲雄著「法然と親鸞」を読む(6) 師と弟子は美談では済まない 

中央公論新社の 山折哲雄著「法然と親鸞」を読んでいます。

法然と親鸞との関係は、果たして一般的に思われているような関係
だったのか・・・・

「第五章 師以前の師」

ー 二人の師と弟子のあいだには、人間の違い、信心をめぐる見解の
  へだたりといったものが、明らかに存在していたようにみえる

  からである。

ー 二人の若い時代を重ね合わせ比較してみる・・・・

・・・ここで、著者は法然と親鸞の青春時代を比較しています:

法然:
ー 1133年、岡山県生まれ。
ー 父は警察官僚。権力抗争にまきこまれ、法然が9才の時殺された。
ー 15才の時 比叡山にのぼる。 源空と称す。
ー 皇円の弟子となる。皇円は貴族の出身で、優れた学僧だった。
ー 「知恵第一の法然房」と呼ばれる。 法然房源空。
ー 1150年、黒谷別所(草庵)で隠遁。 
  慈眼房叡空に師事。叡空は戒律を守る師であった。
  叡山アカデミーの硬直した議論にあきたりなくなったか・・・
ー 浄土宗に傾き、専修念仏の道へ向かう。
ー 43歳の時、山を降り、東山吉永に草庵を結ぶ。(知恩院の場所)

親鸞:
ー 1173年、京都に生まれる。
ー 父は下級貴族。
ー 9歳の時に出家、範宴少納言公と号していた。
  この時、法然はすでに山を降りていた。
ー その後、比叡山で下級の修行僧をつとめたといわれるが、
  くわしいことはおよそ20年間は不明
ー 1201年、29歳の時、京都の六角堂に百日籠る。
  救世大菩薩(観音)が夢の中に現れて、「女犯」をしても
  救済すると告げられる。
ー 法然の門に入る。

ここで著者は、自分自身の体験から、「師などはいらぬもの」という
確信を持っていたことを述べている。

ー 8月15日を迎えたとき、私は全身にしみとおるような解放感に
  ひたっていた。
ー ポツダム宣言の「軍国主義者の権力および勢力を永久に排除
  する」方針による教職追放。
ー 現場の教師たち自身が師の衣を脱ぎ捨て、それを宙に放り投げた。
ー 師という存在を抹殺する大合唱の仲間にまぎれ・・・

そして、「師以前の師」について、このように語る。
ー 師以前の師が、二人いる。 一人が服部之總(1901-56)、
  もう一人が市川白弦(1902-86)である。
ー 服部の「親鸞ノート」、「蓮如」、そして彼の専門である
  明治維新についての論文までのぞきみするようになった。
ー 服部は、マルクスの濃厚な影を感じさせてくれるような人間だった。

ー 市川さんは、その論文の中で、日中戦争のころから仏教思想の
  研究に志し、やがて戦時思想に妥協を強いられていった自分の
  「転向」体験について素直に語っていた。
ー 市川さんの頭を領していたのは、臨済とマルクスだった。
  「随処に主となる」といった臨済の禅的な自由と、「自己の主人
  となる」といったマルクスの人間的な自由とを、どのようにして
  主体化するか、という問題であった。

・・・そして、この二人と著者との関係については:
ー 心の隅には何となく気安さのようなものがただよっていた。
  なぜならその二人にたいして、私は弟子として近づいていったの
  ではないからだ。 ・・・弟子としての意識をもつ必要が
  なかった
からである。

・・・そして、師と弟子という関係について、一般的には:
ー 抜き差しならぬ競合と背反の関係が発生する。
ー 弟子は師を超えなければならぬ、・・・・教えることはやがて
  裏切られる・・・

というように著者は言っているわけです。
一般的には 師と弟子というものを美談として語ることが多いけれ
ども、本当のところは 本質的に師と弟子というのは その反対に
相克するものだってことですね。
そして、それが逆説的だけれども 一般的なものだと。

そりゃあそうでしょうね。
親子でも同じようなもんじゃあないでしょうか。
親というのは、子供が自分を乗り越えられないと感じたら、
不安になるんじゃないでしょうか。
特に自営業の商売なんてやっている人は・・・
「こいつ、大丈夫かな?」ってね。

親にあまりにも従順な子どもは、親を不安にさせるものだと
私は思うんです。
自分がいなくなった後、この子はちゃんと自立して生きていける
のだろうか、ってね。

さて、親鸞さんは 法然さんをどのように裏切っていくんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月 9日 (月)

「苺の大好き」  フィリピンの田舎に 日本文化が・・・

フィリピン・ベンゲット州の州都ラ・トリニダッドの町に こんなものが来ました。

2img_2224

これ・・・海賊とサムライ?

2img_2274

おっ、ロボット・・・

2img_2219

これは?  分からない・・・

要するに、世界を席巻しているコスプレです。 日本文化です。

4img_2167c

こんなフィギュアも展示してあるし・・・・

6img_2172

当然 漫画だって 来ています。

8img_2263

そして、いわゆる「可愛い」系のもろもろ・・・

8img_2301

地元の田舎の子供たちも 眼を丸くして 楽しんでいました。

・・・・

はっきり言って、ほんの2~3年前まで、馬鹿にしていたんです。

コスプレや漫画やフィギュアが日本文化?

冗談やめてくれよ、ってね。

ほんの一時期の流行で終わってしまうもんでしょう、って思っていたんです。

都会だけの 麻疹みたいな流行だろうって・・・・

それが、フィリピン北部の第一の都市、避暑地のバギオ市なら まだ理解できる。

そのバギオ市を出て、農業ぐらいしか産業のない町にやってきたんです。

ストロベリー・フェスティバル(いちご祭り)のイベントのひとつなんです。

8img_2241

そして、この会場となった役所の体育館には こんなバナーが下っていました。

「空手」の団体の名前が見えます。

もう何十年も前に日本の空手を伝えた人がいるのでしょうね。

そして、今や コスプレです。

もう馬鹿になんてしてられません。

オタクのグループが会社組織になったりしているんですから・・・

6img_2312

「オタク・ワークス」、敢えて訳せば 「オタク製作所」ですかね?

これは漫画・アニメのグループ。

8img_2177

「可愛いい家族」、これは コスプレ・オタクのグループ。

2img_2155

趣味の連中が 会社組織まで作ってしまう。

オタク文化が フィリピンの田舎町で 子供たちを楽しませ、大人たちの度肝を抜いています。

・・・・・

ところで、気になりますよね、「苺の大好き」。

なぜ、「の」なのか?

これは単なる間違いなのか・・・

それとも計算されたネーミングなのか・・・

普通なら、

「苺が大好き」

「苺は大好き」

「苺が大好きなXXXちゃん」

「苺の大好きなXXXちゃん」

「が」でも「は」でも 普通すぎて 面白みはないですね。

やっぱり「の」じゃないと いけない。

しかし、このタイトルは 何を言わんとしているのか・・・

謎です。

 

 

 

 

 

 

 

 

    

   

   

フィリピン バギオ ベンゲット ラ・トリニダッド ストロベリー・フェスティバル 年中行事 コスプレ 漫画 アニメ フィギュア オタク 趣味 北ルソン 日本文化 日本語 助詞 「の」の使い方 日本語文法 日本語教師 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年2月20日 (月)

言葉は世につれ、国につれ・・・

日本語教師をやっているからってこともないんですが、気になるんです。

日本で言う「ガス・レンジ」なんですけど、フィリピンでどう言うか知っています?

9img_0649

「ガス・ストーブ」なんですよねえ~~。

日本でストーブって言ったら、なんてったって暖房用のストーブじゃないですか。

・・で、英語はどうなんだって、調べたんです。

日本のガス・レンジは英語で、Burner,  Gas Hob, Kitchen Stove なんですってよ。

日本の「バーナー」って、ガス・レンジの一部、火が出てくる部分だけのような
イメージってありませんか?
あるいは、溶接の現場で使っているようなバーナーですよね。

他にも辞書にありました:

料理用のガス・レンジ = 米語 Gas Range、それに Gas Stove
暖房用のガス・レンジ = Gas Stove

・・・ってことは、日本の「ガス・レンジ」はアメリカ英語から来たってことか。

フィリピンも米語のはずなんだけどなあ・・・。 納得いかね~な~。

じゃあ、この写真をどう思いますか?

9img_0642

そんない驚くこともないんですけどね。

上から フィリピン語、日本語(漢字)、韓国語・・・って思ったんですよ。

そしたら、その下に「ポリース」ってあるじゃないですか。

ってことは、上の漢字は中国語ってことになりますよね。

中国語でも「警察」って同じ漢字でした。

日本語の「手紙」は 中国語では「信」だし、

日本語の「トイレット・ペーパー」は 中国では 「手紙」だし。

もしかしたら、警察も 中国語は 少し違うかなっておもったんです。

だから・・・・日本人向けには 「ポリース」 なわけですよ。

御丁寧に 「ポリス」じゃなくて 「ポリース」なんですよね。

日本人が相談にのっていれば、やっぱり 「ポリス」でも「ポリース」でもなく 「警察」でしょう。

英和辞書を引いたって、絶対 「Police」 は 「警察」ってでますよね。

まさか 「ポリース」なんて日本語は出ませんよね。

・・・・ 日本語をちょっと知っているフィリピン人じゃないと カタカナなんて 思いつかないしねえ。

どんなフィリピン人が 教えたんだろうなあ~~。

まあ、日本人に分かる 「警察」と「ポリース」が両方書いてあるんだから、

文句なんかはないんですけどね。

 

 

 

 

   

   

   

   

   

   

フィリピン バギオ警察署 おかしな 看板 日本語 フィリピン語 英語 中国語 韓国語 翻訳 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年1月 4日 (水)

「般若心経」の本(18) 「知識以前」じゃなくて「前に進める」んだよ  

宮坂宥洪著の「真釈 般若心経」(角川ソフィア文庫)を読んでいます。

般若波羅蜜多とは何なのかというところにやって来ました。

「以無所得故、 菩提薩た(た=土+垂)、依般若波羅蜜多故、
 心無けー礙(けー=四+圭)」

ここでの読み下し文は、
「得る所なきをもっての故に、菩提薩たは 般若波羅蜜多によるが故に、
 こころにけいげなし。」
となっているんですが、
著者は、ここで、「実はサンスクリット原典と一致しない」と言ってるんです。

だから、サンスクリットをちょっとでも読める研究者は困惑するそうなんです。

なにが違うかといいますと:
「以無所得故」の一句について、

ー わが国の伝統的な訓読の仕方では、この一句はこの段の一部とせず、
  前の段の文章に含ませて「智もなく、得もなし、得る所なきをもっての
  故に」と読ませています。

ー しかし、原典には、この一句の前に 「この故に」という接続詞が
  ありますから、やはり本段の一部と考えるべきでしょう。

そして、著者は、「無所得」という漢訳についても、多くの解説者が
「損得の打算を超えた心境」などという珍解釈をしていると笑っているんです。
     
著者は、「得に対する非得、すなわちダルマを分離させるはたらきのこと」だ
としています。

しかし、いずれにせよ、この箇所はサンスクリット写本によってかなり異同が
あって意味がとりにくいということのようです。

で、著者の結論としては、
「四階のフロアにおいては、ダルマが結合することも分離することもない、
 なぜならいかなるダルマもないのだから」
と解釈するのが文脈に合っているとしています。

そして、またまた、別の重大な問題が ここにはあると言うんです。
漢訳では、「菩提薩たは 般若波羅蜜多によるが故に」としか読めないが、
原典では、違うっていうんです。

サンスクリット原典では、
ー 菩薩の語が所有格、つまり 菩提薩たの般若波羅蜜多 となる。
ー 菩薩の語は 複数形
ー なのに、熟語である動詞は単数形

だから、菩提薩た は文法的には 主語になりえない。
一方、漢訳だけを見ると、菩提薩た が主語になっている。

ー 玄奘だけでなく、他のすべての漢訳は菩薩を主語としている。
ー 原典では主語が明示されていない。
ー サンスクリットの構文は、動詞一語でも文が成立する。
  だから、原文自体に不備があるとは言えない。

さてさて、皆様 お立会い、この文の主語は誰なの~~~???

岩波文庫本は「人は、心を覆われることなく住している。」と訳しているそうです。

ー 涅槃の心境の場面だから、単なる「人」であるはずがない
ー 語り手は観自在菩薩であるから、自分自身のことを言うわけはない。
ー お釈迦様か、あるいは観自在菩薩の仲間の菩薩のことか???

ー お釈迦様が最適かもしれないが、観自在菩薩が舎利子に伝授している
  この場面では、いかにも不自然。

ー よって、ここの主語は、大乗仏教の担い手である仲間の菩薩のことだろう。

で、著者の結論としては、

「菩提薩たは、(菩提薩たの)般若波羅蜜多によって・・・」 と主語を補い、

(   )の部分の所有格を省略したものと考えれば、漢訳と原典が一致する、
として、サンスクリット学者に解説しているんです。
へえ~~、凄いねえ。

さて、著者は、ここで一旦、般若心経を振り返り全体の流れをまとめています。

ー 舎利子への三つの伝授は、観自在菩薩の修行の結果としての境地を
  披露したものである。

ー その結果は、般若波羅蜜多の修行によって得られたものだった。

ー 般若波羅蜜多は、修行の到達点であると同時に修行のプロセスでもある。

ー 般若=智慧(プラジュニャー)
  波羅蜜多(パーラミター)=完成
  「智慧を完成させる」ではなく、「智慧という完成」という意味。

ー この智慧とは 4階フロアの智慧である。

ー 4階で瞑想のプロセスを実践することが「般若波羅蜜多の修行」である。

だから、世間一般で山ほどある般若心経の解説書にあることは
的外れなことばかり、そして、処世訓なんてちゃんちゃら可笑しいって
言っているわけですね。

そして、次に「智慧」(プラジュニャー)の正しい解釈について述べています。

ー 「プラジュニャー」
  = 「プラ」(接頭辞・前にの意味)+「ジュニャー」(動詞・知るの意味)
  これを、ほとんどの学者は、知識以前の知=無分別知 と説明している。
  
ー この説明は間違いである。
  「プラ」は「前方に進める」という意味にとらなくてはならない。
  「通常の知を一歩進めた高度な知」又は「高度な知をもたらす知」
  解釈すべきである。

つまり、著者の4階建てマンション構想に当てはめて考えると、
1階から2階、2階から3階、3階から観自在菩薩のいる4階へと
レベルを昇っていく、進めていく知のことであるとしているのです。

次回 その(19)は、涅槃に入れるかなあ?

      

| | コメント (0) | トラックバック (0)